私は毎年4月に,新入生全員を一堂に集め問いかける。「あなたにとって大学とは何か? 何のために今ここにいるのか?」と。そして,「ここにいる4人に1人は,4年後卒業式にはいない。」とも言う。教室は静まり返る。実際,本学の4年卒業率は70%前半である。今,日本の多くの
1.はじめに
洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会が発足し,2050年カーボンニュートラルの実現に向けて作業部会を設け精力的に活動を開始した(1)。2019年に施行された海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に基づき,着実にプロセスが進んで
1.はじめに
2000年代に入り世界各国で洋上風力発電の開発が盛んに進められている。これに伴い海底ケーブルは,その市場も急拡大しており,数百kmにおよぶ海底ケーブルも敷設され,自国のみならず他国での再生可能エネルギーの活用が可能となる等,自然環境保護に貢献している。
1.はじめに
筆者らは,2016〜2020年度の5か年のスケジュールで「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(洋上風況の観測システム及び推定に関する技術開発・実証事業)」を環境省から受託し,洋上風況を直接計測できるシステムを開発しフィールドでの実証試験を行った(1)。本稿
1.はじめに
1.1 背景
脱炭素社会を標榜する世界各国の政策の中,IT産業の電力消費がより顕著になるとされる。今後この電力消費の膨張が課題となり,世論や投機家の反応に敏感なIT各社は温暖化ガスを排出しない再生可能エネルギーを調達する姿勢をより鮮明にしてきた。そのような背景も重なり我が
1.はじめに
政府が目標として掲げた2050年のCO2の実質的な排出ゼロ,いわゆるカーボンニュートラルを実現するためには,太陽光や風力などの再生可能エネルギーのさらなる導入が必須である(1)。しかし,電力系統において,発電出力が制御できず不安定な再生可能エネルギー電源が占める割
1.はじめに
2019年から2020年にかけて新型コロナウイルスの感染が世界に拡大し,医療施設に大きな混乱を招いた。症状が悪化した患者の中には人工呼吸器を頼り,ベッドの上から動くことができない期間が長期にわたることもあった。回復しても日常生活に戻るまでには歩くなどの身体の機能回
1.はじめに
2020年は5G(第5世代移動通信システム)の商用利用が開始された記念すべき年になった。インターネットが生活インフラになっている現代においては大容量,低遅延を実現できるこの技術は革命である。そして今,5Gの技術は医療現場にも革命を起こそうとしている。