静脈うっ滞性下腿潰瘍を伴う下肢静脈瘤に対するラジオ波血管内焼灼術(RFA)の治療成績について検討した。対象は19人21肢。全例で潰瘍はいったん治癒したが,6肢(28.5%)に潰瘍が再発した。主な再発原因は,副伏在静脈または下腿不全穿通枝からの静脈逆流であった。下腿潰瘍を伴う下肢静脈瘤はRFAにより治癒するものの再発することがあり,術後慎重な経過観察が必要である。
入院後安静で離床時の肺血栓塞栓症(PTE)が懸念される症例がいる。離床前に理学療法士が下肢静脈エコー検査(リハUS)を施行し,懸念症例を安全に離床可能か検証した。懸念症例35例にリハUSを実施し,1例に深部静脈血栓所見を認めた。懸念度は,実施前後の11段階評価で中央値6から1に有意に軽減した(P<0.001)。離床前リハUSは,離床に伴うPTEの懸念を軽減し,安全に早期離床が行えることが示された。
74歳,男性。左頸部の腫脹疼痛を訴え他院を受診した。左内頸静脈に血栓を認めたため,当院を受診した。FXa阻害薬の内服を開始した。血流停滞の原因,肺血栓塞栓症の有無を検索するため造影CT検査を行った。撮像された画像の一部で腹腔内に多数のリンパ節腫大を認めたため,精査を行い胃・大腸の重複進行癌と診断した。深部静脈血栓症は下肢以外に発症した場合にも腹部を含めた悪性腫瘍の存在を考慮すべきである。
症例は71歳女性。心不全症状を伴う左室機能不全,冠動脈–肺動脈瘻(肺体血流比1.3)に対し,人工心肺を使用し,心拍動下に瘻孔閉鎖術,冠動脈バイパス術,左室心筋生検術を行った。術中シャント血流量を直接計測でき,43 mL/分の定常流様波形で拍動指数は0.3であった。術後,心不全症状と左室機能不全ともに改善を認めた。シャント血流量の実測値を得た手術報告例は過去に無く,文献的考察を交えて報告する。
症例は81歳男性。腹部大動脈瘤破裂(RAAA)に対しステントグラフト内挿入術(EVAR)を施行,術後に腹部コンパートメント症候群(ACS)を合併し開腹減圧を施行した。その後,腹部大動脈瘤と後腹膜血種が増大,エンドリーク治療のため外科的分枝結紮を施行した。さらにその術後,後腹膜膿瘍を併発したため経皮的ドレナージを施行して感染を制御し得た。RAAAに対するEVAR治療後のACSやエンドリークへの対策は重要であるが,さらに稀な後腹膜膿瘍を合併した例を経験したため報告する。