膝窩動脈領域は膝関節による視野の制限があるためアプローチの選択が難しい。腹臥位による後方アプローチが病変の露出には良いが,膝関節の中枢および末梢方向への到達は難しく,大伏在静脈の採取も難しくなる。これらの問題点を同時に解決できるmodified Sims’ positionは腹臥位から対側の膝を屈曲し上半身を軽度挙上した体位で広範囲な病変に対応でき体位変換なくグラフト採取も可能である。非常に有用な方法であり報告した。
症例は49歳男性。13歳時に心房中隔欠損,動脈管開存症に対する手術既往歴あり,大動脈縮窄症の指摘はなかった。検診にて心雑音の指摘があり,当院を受診した。大動脈弁閉鎖不全症と弓部遠位下行大動脈の高度屈曲を伴う狭小化を認め,偽性大動脈縮窄症と診断された。大動脈弁置換を含めた一期的開心術を検討したが,再手術例であり,心拡大や心不全症状を認めず,偽性大動脈縮窄症に対するステントグラフト治療を先行して行った。
症例は81歳男性。右大腿部の腫脹と疼痛で救急搬送された。CT検査で大腿深動脈に20 mmの動脈瘤と同部の破裂を認めた。手術は動脈瘤切除ならびに分岐再建を考慮したが,大腿深動脈の血管性状不良と浅大腿動脈以下の血管性状が良好であったため,大腿深動脈瘤切除のみ施行した。下肢虚血の合併症なく術後14日目に近医へ転院となった。大腿深動脈瘤は稀な疾患であり,単純結紮による瘤切除術を施行し良好な経過を経験した。