音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
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45 巻 , 3 号
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  • 佐藤 裕, 森 浩一, 小泉 敏三, 皆川 泰代, 田中 章浩, 小澤 恵美
    45 巻 (2004) 3 号 p. 181-186
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    吃音者の聴覚言語処理における大脳左右機能の分化異常について, 多チャネル近赤外分光法を用いて測定した.音刺激には音韻もしくは抑揚の異なる対立を用い, 左右それぞれの聴覚野付近にて得られた総ヘモグロビン量の反応ピーク値を基に側化指数を算出し左右差を検討した.その結果, 吃音者群では音韻・抑揚対比セッション間で側化指数に有意差がなく, 言語処理の半球優位性が見られないことが確認された.また, 個人内の検定では, 健常右利き成人の85%で音韻処理が左優位と判定できるのに対し, 右利き成人吃音者の80%は左優位を示さず, 逆に右優位となる被験者も存在した.これらのことから, 吃音と言語処理の大脳半球優位性の異常との関連が示唆され, この手法により吃音者の聴覚性言語処理の機能異常を個人ごとに捉えられることが判明した.
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  • 中嶋 敏子, 三川 信之, 柳田 憲一, 中村 典史
    45 巻 (2004) 3 号 p. 187-191
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究では, 口蓋形成術後良好な鼻咽腔閉鎖機能を獲得した片側性唇顎口蓋裂症例52例 (装着群23例, 非装着群29例) を対象として, 口蓋形成術前のHotz型口蓋床装着による異常構音発現の差を検討した.その結果, 装着の有無による異常構音発現率の有意差はなかった.鼻咽腔構音の発現と複数種類の異常構音の発現が, 非装着群に比べて装着群に有意に多く見られた.また, 口蓋化構音の発現は装着の有無による差はなく, 口蓋瘻孔の残存しない群に比べて残存する群に統計上有意に高い率で見られた.本研究の調査対象については, 口蓋形成術前のHotz型口蓋床装着は, 異常構音の発現を抑制しなかった.
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  • 野原 幹司, 舘村 卓, 和田 健, 松村 雅史, 新川 拓也
    45 巻 (2004) 3 号 p. 192-197
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    palatal augmentation prosthesis (PAP) は, 口腔・咽頭腫瘍術後などの舌機能が低下した症例に対して, 舌口蓋接触を補助するために適用される.良好な構音動作を行うためには予備力をもって舌接触が達成されることが必要であり, PAP装着症例においても同様のことが望まれる.本研究では, 小型圧力センサーを用いて舌接触力, すなわち最大接触力, 構音時接触力およびその差分である予備力を計測することによる, われわれのPAP作製方法を紹介し, その効果を検討した.口腔・咽頭腫瘍術後の構音障害3例を対象に, 最も障害されている音素の改善を目的としたPAPの作製を行った.パラトグラフにて調整したPAPの舌接触力を計測した結果, 症例1では, 良好な構音時接触力, 最大接触力, 予備力が確認できた.症例2, 3においては, 構音時の接触力が小さい点や, 最大努力での接触を指示しても構音時と著変なく, 予備力が小さい点が観察された.同部位のPAPの厚みを増加させることにより, 良好な構音時接触力および予備力が獲得された.以上のように調整されたPAP装着時の語音明瞭度検査の結果では, 非装着時と比べて3例ともに改善が認められた.以上の結果よりPAPの作製に圧力センサーを用いた調整が有用である可能性が示された.
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  • 内山 勉, 徳光 裕子
    45 巻 (2004) 3 号 p. 198-205
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    療育開始が生後12ヵ月未満の難聴児の療育効果について検討を行った.対象とした難聴児39名は聴力80~115dBで, 同一の通園施設で聴覚―口話法による療育を受けている.療育開始年齢を基に難聴児を0歳群6名, 1歳群19名, 2歳群14名に分け, 6歳時点でWPPSI知能検査結果を基に各群の比較を行った.さらに施設での療育修了後, 追跡できた難聴児30名 (0歳群6名, 1歳群14名, 2歳群10名) について, WISC III知能検査結果を基に各群の比較を行った.6歳時点のWPPSI知能検査結果およびWISC III知能検査 (評価年齢7~15歳) によると, 各群は聴力および動作性IQには差がないものの, 言語性IQは年齢とともに低下する傾向があり, 0歳群の言語性IQ (WPPSI検査平均98) は2歳群の言語性IQ (WPPSI検査平均77) に比べ有意に高かった.この結果から, 12ヵ月未満の乳児期からの早期療育は明らかに効果のあることが判明した.
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  • 田村 悦代, 福田 宏之, 楠山 敏行, 藤本 裕一
    45 巻 (2004) 3 号 p. 206-210
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    目的: 自家脂肪声帯内注入後に起こる脂肪の減量を防止, あるいは脂肪再生の可能性について, 注入脂肪を細胞増殖因子である塩基性線維芽細胞増殖因子とともに投与し, その効果を検討した.
    方法: 8匹のビーグル犬を用い, 両側反回神経麻痺モデルを作製し, 一側声帯には自家脂肪を, 他側の声帯には自家脂肪に塩基性線維芽細胞増殖因子を混合して注入し, 経時的に組織反応を検討した.
    結果: 自家脂肪を線維芽細胞増殖因子とともに注入した例では, 注入した脂肪組織内に紡錘形の未熟脂肪細胞が見られた.しかし, 自家脂肪のみを注入した例では, 同様の所見はなかった.
    結論: 線維芽細胞増殖因子の作用により, 注入した脂肪組織内で脂肪細胞の増殖が起こる可能性が推定された.
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  • 大沼 直紀
    45 巻 (2004) 3 号 p. 211
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 三科 潤
    45 巻 (2004) 3 号 p. 212-216
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    言語発達には臨界期があり, できるだけ早期に聴覚障害を発見することが望ましい.新生児期に発見される, 早期療育が必要な中等度以上の両側聴覚障害の頻度は1000出生中の1~2人に起こるが, ハイリスク児のみのスクリーニングではこの半数しか発見されないので, 全出生児対象のスクリーニングが必要である.近年, 自動ABR, TEOAE, DPOAEなどの簡便な聴覚検査機器が開発され, 多数例対象の検査が可能になった.
    平成10年度より厚生科学研究において, 約2万例の新生児に自動ABRを用いて聴覚スクリーニングを実施した結果, 正常新生児群では, 両側要再検率0.2%, 片側要再検率0.42%で, 中等度以上の両側聴覚障害9例 (0.05%) , 片側聴覚障害16例 (0.09%) が発見され, ハイリスク群では両側要再検率3.9%, 片側要再検率3.1%で, 中等度以上の両側聴覚障害19例 (2.2%) , 片側聴覚障害15例 (1.7%) が発見された.
    平成12年度より年間5万人規模の新生児聴覚検査モデル事業が予算化され, 現在, 12都道府県で実施されている.平成14年3月の調査で産科医療機関の32%が新生児聴覚検査機器を備えている.一方, 主要な療育・指導機関で指導を受けている0歳児の37%はスクリーニングにより発見された児である.現在, わが国の出生児の30%以上が新生児聴覚スクリーニングを受けていると考えられる.
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  • 中村 公枝
    45 巻 (2004) 3 号 p. 217-223
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    新生児聴覚スクリーニング検査の実施に伴う聴覚障害乳児の早期療育の現状と課題について検討した.早期療育・教育体制は, アンケート調査の結果から, 専門機関の不足, 地域格差, 人材および専門性の不足が明らかとなった.0歳児療育・教育の目的は, 安定した母子コミュニケーションを保障し, 必要な養育環境を整え, 健やかな母子関係を育むことであり, そのための支援体制の構築が必要である.早期療育では, (1) 難聴の疑義および診断直後から母親や家族に必要な早期介入を実施し, 親の自立的な子育てを支援すること, (2) 母子が一体化している乳児期には母子臨床の視点からのアプローチが有効であること, (3) 最大限の聴覚補償を実施すること, (4) 視覚を十分に活用した前言語的コミュニケーションの形成を図ること, が必要と考える.
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  • 庄司 和史
    45 巻 (2004) 3 号 p. 224-229
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    新生児聴覚スクリーニングの普及によって聴覚障害の早期発見が進んでいるが, 発見後の支援はまだ十分とはいえず, 保護者が孤立するなどといった問題が起きている.このなか, 本校をはじめとする全国の聾学校は, その受け皿としての期待が高まっている.本校の乳幼児教育相談においては, 個々のニーズに応じた支援を行うことを基本に, グループ活動, 個別指導, 補聴相談をはじめとする多様な支援活動に取り組んでいる.コミュニケーション発達への支援に関しては, 五感を活用した多様な手段でコミュニケーションを行い, 母子が互いに伝え合う実感を蓄積していくことが重要だと考え, ベビーサイン等の活用を進めている.今後の課題として, 専門機関同士のネットワークの構築を含めた体制の整備が必要である.
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  • 富澤 晃文
    45 巻 (2004) 3 号 p. 230-235
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    乳幼児の聴覚補償について, “ (1) 聴覚アセスメント- (2) 選択- (3) 補聴効果の検証- (4) 確証”の4段階に沿って論じた.行動観察的手法による聴覚アセスメントとして, インサートイヤホンを使用したVRAは有用である.本研究では, 聴覚障害乳幼児44名を対象に本法を施行し, その実用性を検討した.本手法によって, 被検児全体の70%の各周波数における反応閾値を左右別に測定できた.得られたオージオグラムは再現性があり, 補聴器の選択に有用だった.補聴器装用下のVRAは測定上の厳密さを欠くが, インサートイヤホン装着下のVRAとの組み合わせは, 補聴効果の検証に応用可能であった.VRAは, 0歳後半以降の早期からの補聴器適合手順に有用と思われた.また, 確証における聴性・音声行動の評価は, 補聴器装用による聴覚的発達を見極めるうえで重要である.
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