音声言語医学
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53 巻 , 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
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原著
  • 伊藤 傑, 渡邉 昭仁
    53 巻 (2012) 1 号 p. 2-7
    公開日: 2012/02/08
    ジャーナル フリー
    【目的】われわれは反回神経麻痺症例に対して文章音読経過時間Paragraph Reading Time(以下PRTとする)が一つの検査方法として有用であることを本学会誌上で報告した.今回反回神経麻痺症例のPRTを音声区間と休止区間に分け,経時的に計測し経過時間に影響する要素について検討をした.
    【対象と方法】対象は,食道癌の症例で術前の基準値と術後反回神経麻痺時,さらに改善までの経過を1ヵ月ごとに追うことができた4症例とした.方法は,昔話「桃太郎」の冒頭部分を音読し抽出した音声をサウンドスペクトログラムを用い,1.音声区間(発話時間)と休止区間(ポーズ)の経時的変化の比較検討,2.休止区間内の息継ぎのあるポーズと息継ぎのないポーズのそれぞれの回数の経時的変化を比較検討した.
    【結果】1.音声区間の計測時間は一定の傾向を示し,休止区間の計測時間に延長が認められた.2.延長を示した休止区間内に認められた息継ぎのあるポーズと息継ぎのないポーズの回数を計った結果,息継ぎのあるポーズの回数に増加が認められた.
    【結論】反回神経麻痺症例におけるPRT延長の主な要因は,息継ぎのあるポーズの回数増加による休止区間の延長が大きいことが示された.一方,反回神経麻痺といった発声に不利な状況にもかかわらず,音声区間はほぼ一定の経過を示した.
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  • 蔦森 英史, 宇野 彰, 春原 則子, 金子 真人, 粟屋 徳子, 狐塚 順子, 後藤 多可志, 三盃 亜美
    53 巻 (2012) 1 号 p. 8-19
    公開日: 2012/02/08
    ジャーナル フリー
    本症例は右利き,検査時13歳の男児である.全般的な知能は正常(VIQ97,PIQ90,FIQ93)でモーラレベルの音韻認識力は良好であるが,Rey-Osterrieth Complex Figure testの直後,遅延再生において2SD以上の成績低下が認められた.漢字の書字障害に加え,英語音読と書字における学習困難を呈していた.視覚的記憶力を詳細に評価する課題として無意味図形を用いたSternberg課題を行った.その結果,本症例は対照群と比較し記憶項目が増加するにつれ再認正答数が低下したことから,繰り返し学習しても複数の視覚図形を学習することが困難であると考えられた.本邦においては漢字書字障害と視覚的記憶力の低下との関連が報告されている.一方欧米圏では視覚情報処理能力の低下が英語音読に影響することが指摘されている.本研究の結果からも視覚的な記憶表象の脆弱さは,漢字書字だけではなく英語音読の困難さに影響する可能性が示唆された.
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  • Su Jeong Chang, Hyun Sub Sim, Miseon Kwon
    53 巻 (2012) 1 号 p. 20-26
    公開日: 2012/02/08
    ジャーナル フリー
    韓国の3~8歳の痙直型脳性麻痺児における咀嚼機能と無意味1音節の発話明瞭度との関連を検討した.対象は25例の痙直型脳性麻痺児.咀嚼機能は,プレスピーチ機能の正常・異常の両面の評価のためのガイドラインと得点化の手続きが示されているPre-Speech Assessment Scale(PSAS)の,“biting”と“chewing”の領域を用いて評価され,異なった固さの食物を咀嚼しているときの発語器官の動きが観察された.発話明瞭度は子音-母音(CV)音節の産生時のそれが評価された.その結果,(1)正常咀嚼得点と発話明瞭度得点との間には有意な正の相関が認められ,(2)異常咀嚼得点と発話明瞭度得点との間には有意な負の相関が認められた.これは,発話を伴わない発語器官の動きがスピーチの機能と有意に関連するという先行研究に一致した.本研究の知見は,スピーチ動作と非スピーチ動作の運動コントロールの観点から論じられ,その臨床への応用が示唆された.
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  • 安田 菜穂, 吉澤 健太郎, 福田 倫也, 雪本 由美, 秦 若菜, 原 由紀, 正來 隆, 頼住 孝二
    53 巻 (2012) 1 号 p. 27-32
    公開日: 2012/02/08
    ジャーナル フリー
    吃音2例(30代,10代)に流暢性スキル(呼吸コントロール,フレーズ内の語と語の持続的生成,母音の引き伸ばし,軟起声,構音努力の修正)の獲得を目標とした言語聴覚療法(ST)を実施し,ST初回と最終回の文章音読を比較検討した.所要時間中の音読・症状・休止部分を音声分析ソフトで測定し,症状および休止部分を除いた音読部分から音読速度を算出した.音読速度は症例1:初回5.29モーラ/秒→最終回3.29モーラ/秒,症例2:8.86モーラ/秒→6.16モーラ/秒.所要時間中の休止部分の比率は症例1:19.4%→46.7%,症例2:26.2%→38.4%,症状部分は症例1:13.5%→0%.症例2:7.2%→0%.2例の音読の特徴は,初回時の「短く途切れた音読」から,最終回には吃症状の消失に加え,音読速度の低下した「音節,休止の各持続時間の延長した音読」へと変化し,流暢性スキルの獲得が確認された.
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  • 高橋 三郎, 伊藤 友彦
    53 巻 (2012) 1 号 p. 33-36
    公開日: 2012/02/08
    ジャーナル フリー
    本研究は,吃音児を対象とし,等位節構文と関係節構文を用いて,関係節構文は等位節構文よりも吃音が生じやすいのかどうか,また,関係節構文と等位節構文では吃音の生起位置が異なるのかどうかを明らかにすることを目的としたものである.対象児は6~11歳の吃音児11名であった.本研究の結果,等位節構文と関係節構文における吃音頻度に有意な差は認められなかった.また,等位節構文と関係節構文では吃音の生起位置にも顕著な違いは認められなかった.一方で,両構文ともに第1文節と第3文節は第2文節よりも有意に吃音頻度が高かった.これらの結果から,統語構造は吃音頻度や吃音生起位置に,直接的には影響を与えないことが示唆された.また,吃音頻度および吃音生起位置ともに階層関係よりも順序関係とより強く関係している可能性が示唆された.
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