音声言語医学
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55 巻 , 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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原著
  • 後藤 多可志, 宇野 彰, 春原 則子, 金子 真人, 粟屋 徳子, 狐塚 順子
    55 巻 (2014) 3 号 p. 187-194
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    本研究では,日本語話者の発達性読み書き障害児群を対象に有色透明フィルム使用が音読速度に与える影響を,明るさを統制しない場合の色の要因に焦点を当てて検討した.対象は8~14歳の発達性読み書き障害児と典型発達児,各12名である.音読課題(ひらがな,カタカナの単語と非語および文章)をフィルム不使用条件,無色透明フィルム使用条件および有色透明フィルム使用条件の3条件で実施し,音読所要時間を計測した.実験手続きは後藤ら(2011)に従ったが,有色および無色透明フィルム使用時に低下した刺激の表面照度の補正は行わなかった.両群ともに,所要時間はすべての音読課題において3条件間で有意差は認められなかった.明るさを統制しない場合でも有色透明フィルムの使用は発達性読み書き障害児の音読速度に影響を及ぼさない可能性が考えられた.
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  • 足立 千浪, 吐師 道子, 城本 修, 土師 知行
    55 巻 (2014) 3 号 p. 195-200
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    カラオケ歌唱による声質変化の有無,声質変化と水分摂取の関係を解明するため1) 16曲のカラオケ歌唱はその後の音声のjitter・shimmer・harmonic-to-noise ratio(HNR)に変化をもたらすか,2)カラオケ歌唱中の水分摂取の有無はカラオケ後の音声のjitter・shimmer・HNRの変化程度に差をもたらすかを検討した.その結果,16曲のカラオケ歌唱はその後の低い声と出しやすい声の高さの発声に影響を及ぼすことが示された.しかしVEによる喉頭所見では炎症や血腫等の著明な変化は見られず,カラオケ後の音響特徴の変化が血腫等に起因するものではない可能性が示唆された.また,声の高さやパラメータを通じた水分摂取の効果は見られなかったが,高い声での発声が水分摂取の有無に敏感である可能性が示唆された.
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  • 金子 真美, 平野 滋, 楯谷 一郎, 倉智 雅子, 城本 修, 榊原 健一, 伊藤 壽一
    55 巻 (2014) 3 号 p. 201-208
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    一般人の音声障害に関する音声治療については多くの報告があり,高いエビデンスレベルのものもある.しかし歌唱者の音声障害に対する音声治療については国内外で報告は少なく,現時点で確立された手技もない.今回われわれは歌唱者の音声障害に対し音声治療を行い,症状に一定の改善を認めた.対象は声帯結節,声帯瘢痕,声帯萎縮,過緊張性発声障害のいずれかと診断され,音声治療を施行した歌唱者9例(男性5例,女性4例,平均年齢53.3歳)である.口腔前部の共鳴を意識した音声治療を施行し,効果をGRBAS,ストロボスコピー,空気力学的検査,音響分析,自覚的評価,フォルマント周波数解析で評価した.治療後,音声の改善は個人差があるものの全例で認められ,MPTやVHI-10,GRBASで有意差が認められた.また,歌唱フォルマントもより強調されるようになった.歌唱者の音声障害に対する音声治療は一定の効果が期待できると考えられた.
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  • 高橋 朝妃, 西窪 加緒里, 土居 奈央, 岩村 健司, 中平 真矢, 兵頭 政光
    55 巻 (2014) 3 号 p. 209-214
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    当院において,音声障害に対して外科的治療を行った39例を対象に,術前後のVoice Handicap Index(VHI)の変化を検討した.性別は男性23例,女性16例,年齢は平均61.5歳であった.原疾患は一側反回神経麻痺13例,声帯ポリープ10例,声帯結節4例,声帯嚢胞3例,その他9例であった.術式は喉頭微細手術20例,喉頭枠組み手術12例,その他7例であった.
    術前の全症例のVHIスコアは平均49.8点であったが,術後は31.3点と有意に改善した.また,術式別では喉頭枠組み手術(一側反回神経麻痺例)および喉頭微細手術(声帯非腫瘍性隆起性病変例)のいずれも,VHIスコアおよび音声機能検査値は改善した.経時的な観察では術後1ヵ月から12ヵ月までVHIスコアの改善は維持されていた.VHIと音声機能検査結果は術前と術後1ヵ月ではほとんどで有意な相関があったが,術後3ヵ月以降では有意な相関は見られなくなり,患者の社会的背景や術後の発声習慣の違いなどにより差が生じた可能性が考えられた.以上の結果より,音声外科手術後には長期にわたって,自覚的および他覚的検査の両面から評価を行うことが重要であると考える.
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  • 小島 卓朗, 加藤 一郎, 中田 誠一, 鈴木 賢二
    55 巻 (2014) 3 号 p. 215-218
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    当科では2010年1月から2013年4月までの間にvoice prosthesis(VP)を留置する気管食道シャント術を22例に行っている.全例Provox 2®を使用し,それぞれの症例について詳細な検討をした.Provox 2®を使用した22例中18例(82%)で有用な音声を獲得することができた.無喉頭発声においてとても有用であった.VPは定期的に交換が必要であった.その交換理由と症例内容,発声不良に対する対応について検討した.最長持続発声時間(MPT)は測定可能な18例中10例で10秒以上であった.VP初回交換期間の総平均は4ヵ月であった.交換理由は水漏れが最多であった.嚥下は良好であり,術式によって影響はなかった.
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  • 周 英實, 朴 賢リン, 宇野 彰
    55 巻 (2014) 3 号 p. 219-225
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    全般的知能が正常な韓国語話者の小学1年生のうち,2年生まで追跡可能であった85名を対象とし,ハングルにおける音読の発達的変化にかかわる認知能力の影響と音読方略の発達的変化を検討した.重回帰分析の結果,非単語音読成績の変化を有意に予測する認知能力は視覚認知能力と音韻認識能力であった.音読の流暢性課題では,単語と非単語速読成績の変化を予測する認知能力は自動化能力と語彙力であった.分散分析の結果,音読流暢性においては語彙性と学年の有意な交互作用が認められた.本研究の結果から,ハングル音読の学習到達度には認知能力の発達が関係していることが考えられた.また,1年生から2年生の間には非語彙経路と語彙経路双方が発達していたのではないかと思われた.
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  • 前田 秀彦, 西澤 典子, 玉重 詠子
    55 巻 (2014) 3 号 p. 226-232
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    北海道喉頭摘出者福祉団体「北鈴会」会員35名(男性31名,女性4名)を食道音声の習熟度別に分類し,食道音声の使用に伴う問題やリハビリテーションに関する実態を調査し,以下のことを明らかにした.1)食道音声を使用して会話をするには習熟度中級以上の技術が必要と考えられた.2)VHI-10は会話機能との相関は乏しく,習熟度間の比較においても有意差はなかった.3)食道音声の技術が向上すると,ことばの明瞭さの不満は減少するが,声の大きさに関する不満は依然として残った.4)食道音声の習熟過程にあるもののみならず,中・上級に習熟しても食道音声以外の無喉頭音声を併用し,コミュニケーションの効率を図るケースが認められた.5)北海道において,食道音声の習得は喉頭摘出者団体の活動によるところが大きく,その習得には長い期間を要していた.反面,体系的なリハビリテーションを提供できる医療機関の不足が明らかにされた.
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  • 重野 純
    55 巻 (2014) 3 号 p. 233-238
    公開日: 2014/09/05
    ジャーナル フリー
    話者が音声に感情を込める際,言葉の意味に含まれる感情からどのような影響を受けているのかを検討した.被験者にとって未知の言語を用いて認知実験を行った.被験者は日本人大学生18名で,刺激は外国語(スウェーデン語,ポルトガル語,ロシア語,ウクライナ語)を母語とする外国人俳優がそれぞれの母語で発話した感情音声であった.感情の同定成績と確信度を感情表出の困難さの指標とした.その際,音声に込める感情と言葉の意味に含まれる感情が同じ場合(一致条件)と異なる場合(不一致条件)を設けた.両条件から得られた実験結果を比較したところ,不一致条件では同定成績が低下することが認められた.結果より,言葉の意味に含まれる感情に影響されて,話者は感情表出が十分に行えなかったことが示唆された.
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