音声言語医学
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56 巻 , 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
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原著
  • 酒井 奈緒美, 小倉(青木) 淳, 森 浩一, Chu Shin Ying, 坂田 善政
    56 巻 (2015) 1 号 p. 1-11
    公開日: 2015/04/08
    ジャーナル フリー
    吃音のある成人が抱える困難を,WHOの国際生活機能分類のモデルに基づき4つのセクションから包括的に評価する質問紙(Overall Assessment of the Speaker's Experience of Stuttering: OASES; Yaruss and Quesal, 2006)を日本語に訳し(日本語版OASES試案),吃音のセルフヘルプグループの活動に参加している成人30名に対して実施した.対象者の傾向として,①吃音に対する感情・行動・認知面に比較的大きな困難を感じる者が多い,②日常生活上の具体的なコミュニケーション場面における困難や生活の質の低下などは比較的小さい,③総合の重症度評定は軽度から中等度であることが示された.OASES自体に関しては,項目数の多さ,選択肢の表現や質問意図のわかりづらさなど,臨床場面にて使用するには問題となる点も認められたが,セクション間における平均得点の相違や,セクション間における平均得点の相関の高さが先行研究と一致し,海外と共通の尺度として有用であることが示された.
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  • 小山 正
    56 巻 (2015) 1 号 p. 12-19
    公開日: 2015/04/08
    ジャーナル フリー
    表出言語の出現が著しく遅れている事例の言語獲得の予測において,ダイナミック・システムズ理論からのアプローチは有効であると考え,有意味語がなく,全体的な発達に遅れがある事例の縦断的資料を基に,統制パラメータが表象の発達である場合のその軌跡と他の変数との相乗作用を検討した.方法は,6歳1ヵ月から7歳5ヵ月までの発達支援場面のVTRを再生し,McCune(2008)が指摘するダイナミック変数に注目して分析した.その結果,小事物操作の広がりや,象徴遊びでの自己に向けたふりといった表象の発達とともに子音の出現がみられ,その相乗作用が示唆された.コミュニカティブ・グラントなどの前言語的伝達の量的側面がアトラクター状態を示し,安定化により,統制パラメータであった表象の発達が結果として現れると考えられた.
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  • Chu Shin Ying, 酒井 奈緒美, 小倉(青木) 淳, 森 浩一
    56 巻 (2015) 1 号 p. 20-29
    公開日: 2015/04/08
    ジャーナル フリー
    一般に吃音者は自分の発話の非流暢に意識がいき,流暢性を過少評価していることが多い.そこで,模範的な行動のみになるように編集された自身のビデオを繰り返し視聴することにより行動を改善するビデオセルフモデリング(VSM)訓練を実施し,その効果を評価した.対象者は吃音成人15名.訓練前に,吃音検査法の文章音読と自由会話,独自のスクリプトに基づく電話の会話を実施し,ビデオに記録した.録画から吃音症状のない部分を抽出して5分程度の模範ビデオを作成した.対象者は自宅で決められた時間(毎日5分程度),週5回,4週間にわたって(計約20回)自身の模範ビデオを視聴した.ビデオを見た後に毎回,感想を自由記述で記入した.これらの分析から,VSM訓練は簡単で受け入れやすく,短時間の視聴でも吃音者に対して,自身が流暢な発話能力をもっていることを認識させる機会を提供することができると考えられた.
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  • 平島 ユイ子, 村上 健, 塚原 恵, 城間 将江
    56 巻 (2015) 1 号 p. 30-36
    公開日: 2015/04/08
    ジャーナル フリー
    人工内耳装用児(CI児)においても音声の聴取が不確実なことがあるため,聞き返しや確認などの訂正方略を用いて会話を継続する必要がある.そこで,CI児の訂正方略と関係する言語要因を明らかにし,訂正方略の指導に役立てることを目的とした.対象は5〜12歳のCI児11名である.検査者が自由会話中に低手掛かり発話(訂正方略を用いなければ会話継続しにくい発話)を投げ掛け,その発話に対して用いられた訂正方略をカウントした.訂正方略を繰り返し方略,聞き返し方略,確認方略に分類し,語彙理解力,構文理解力,構文産生力,語連想力との関係を検討した.その結果,訂正方略は構文理解力(r=0.667,p<0.05),構文産生力(r=0.807,p<0.05),語連想力(r=0.800,p<0.05)との間に高い関係があることが示された.また,繰り返し方略と確認方略(r=0.686,p<0.05)の間に高い関係が見られた.これらのことから,聞き返しや確認の際に相手の発話を推測するために語連想力が関与し,伝達には構文産生力が関与したと推察された.したがって訂正方略を活用するためには,語の連想と構文産生を促す指導が必要であることが示された.また,繰り返し方略が確認方略に先行して活用されたことから,訂正方略の順序性に配慮した指導が必要であることが示された.
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  • 林 千渝, 宇野 彰
    56 巻 (2015) 1 号 p. 37-42
    公開日: 2015/04/08
    ジャーナル フリー
    本研究では台湾の小学三年生103名を対象とし,これまで報告されてきた文字習得にかかわるとされる音韻認識能力,視覚認知能力,自動化能力,語彙力のなかで,台湾の中国語話者児童においてどの認知能力が中国語漢字の音読力に関与するのかを明らかにすることを目的とした.さらに,台湾で用いられている注音の構造から,音節と音素の2種類に分けた音韻認識能力の検査を用い,音読発達にかかわる影響を検討した.その結果,視覚認知課題と自動化課題の成績が漢字一文字音読成績を予測していた.中国語漢字は形態的変化によって意味や読み方が異なる文字であるため,視覚認知能力の貢献度が高かったのではないかと考えられた.また,台湾児童は,音読の際,音素や音節の単位よりも,sub-syllabic unitであるonsetやrimeを認識し,操作している可能性が考えられた.
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