音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
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58 巻 , 1 号
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原著
  • 田村 悦代, 福田 宏之, 新美 成二, 小林 良子, 宮本 真, 飯田 政弘
    58 巻 (2017) 1 号 p. 1-5
    公開日: 2017/02/18
    ジャーナル 認証あり

    片側声帯麻痺の原因は,頸胸部の疾患によるものが多く,挿管によるものも含めると術後性の麻痺が約50%程度といわれており,今後も増加する可能性が推察される.したがって,麻痺の発症に伴う音声障害に対する治療は,保存的な治療を含めて音声外科的治療の大きな役割といえる.本稿では声帯内注入療法の一つである声帯内自家脂肪注入術の術後音声改善度に影響する因子および音声治療から音声改善手術への移行時期について検討した.
    結果,60歳未満の症例に比較して,60歳以上の比較的高齢な例では,注入前の最長発声持続時間が短縮している例が多く,術後の音声改善度に影響していた.また,音声治療のみでは音声改善治療が完遂できず外科的な治療を要した例でも,年齢による影響が認められた.
    すなわち,声帯内自家脂肪注入術は,皮膚切開が不要で,合併症が少ないので,比較的高齢で,QOLの低下している例に対しては,待機期間をおかず,初期治療として早期に行ってよいのではないかと考えられた.

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  • 澁谷 文恵, 宇野 彰
    58 巻 (2017) 1 号 p. 6-14
    公開日: 2017/02/18
    ジャーナル 認証あり

    二重障害仮説(Wolf and Bowers,1999)は,発達性読み書き障害の原因となる認知障害として,音韻認識障害に加えて呼称速度障害も重要であるとする仮説である.また,音韻認識単独障害群や呼称速度単独障害群と比較して,どちらの障害も併せもつ二重障害群は読みの成績が最も低いと報告されている.本研究では,公立小学校通常学級に通う日本語話者の小学3年生94名を対象に,二重障害仮説が適用されるかどうか検討した.同じ小学3年生を対象とした英語圏でのSunseth and Bowers(2002)およびドイツ語圏のWimmerら(2000)と同じ基準を用いて分類した.その結果,どちらの基準を用いても日本語話者小学3年生は二重障害仮説に基づく下位分類群に分類可能だったが,二重障害群は単独障害群と比べて必ずしも重い群ではなく,二重障害仮説は一部においてのみ適用が可能であると思われた.

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  • 佐野 剛雅, 宇野 彰, 辰巳 格
    58 巻 (2017) 1 号 p. 15-21
    公開日: 2017/02/18
    ジャーナル 認証あり

    発達性読み書き障害の障害仮説として英語圏では主に音韻障害仮説が有力である.一方,SLI(Specific Language Impairment)も音韻障害,特に音韻短期記憶の弱さが原因の一つと考えられている.しかし,両者の音韻障害の違いについてはいまだ明確になっていない.そこで,本研究では,通常学級に通う小学生519名を対象に読み書きや言語発達に関連する課題を実施した.そして,読み書き低得点児は発達性読み書き障害児,語彙力低得点児はSLI児に対応する児童と想定し,両者の音韻障害の違いを明確化することを目的とした.その結果,読み書き低得点群の音韻障害は音韻表象の弱さが,語彙力低得点群では音韻短期記憶の弱さが原因ではないかと考えられた.しかし,読み書き低得点群の38名中22名と語彙力低得点群の16名中9名では音韻障害を認められなかったことから,両群は異型な集団と思われた.

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症例
  • 藤吉 昭江, 宇野 彰, 豊島 義哉, 福島 邦博
    58 巻 (2017) 1 号 p. 22-28
    公開日: 2017/02/18
    ジャーナル 認証あり

    1歳時にモヤモヤ病を発症した右利き男児において,7歳時の検査にてひらがなとカタカナの読み書き障害および視覚記憶障害と音韻認識障害が認められることが判明した.本症例と失語症を伴う後天性失読失書小児例と先天性と考えられる発達性読み書き障害報告例との比較を行った.その結果,本症例では視覚性記憶障害が合併した点が失語症を伴う後天性失読失書小児例での既報告例と異なっていると思われた.一方,発達性読み書き障害では,ひらがな,カタカナの音読が障害されると漢字音読も障害される.しかし,本症例では,ひらがな,カタカナの音読は障害されていたものの,漢字音読は正常であった点が相違点であると思われた.ひらがな,カタカナの音読の障害の背景として,本症例の視覚記憶障害と音韻認識障害が関連していた可能性が考えられた.

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  • 梅田 陽子, 東川 雅彦, 中井 健, 二村 吉継
    58 巻 (2017) 1 号 p. 29-33
    公開日: 2017/02/18
    ジャーナル 認証あり

    心因的要因の関与が疑われた機能性発声障害に対して音声治療を行った症例を報告する.
    本症例は,初診時の喉頭所見,服薬内容,失声の既往から心因性発声障害の可能性もあった.音声治療の初回より症状は改善の傾向が見られ,その後の経過観察においても良好な発声状態を維持できた.心因性発声障害を疑う場合でも,初期段階で音声治療を試み,患者の治療に対する反応が良好な場合には治療を継続し,その後の治療経過のなかで必要時に精神科にコンサルトするという方針も音声症状の改善に有効と考えた.

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短報
  • 二村 吉継, 文珠 敏郎, 東川 雅彦, 南部 由加里, 平野 彩, 中村 一博, 片平 信行, 駒澤 大吾, 渡邊 雄介
    58 巻 (2017) 1 号 p. 34-43
    公開日: 2017/02/18
    ジャーナル 認証あり

    Elite Vocal Performers(EVP)は職業歌手や舞台俳優など自身の声を芸術的に用いパフォーマンスを行う職業者である.EVPは声質改善にきわめて繊細な治療も希望する.そこで今回耳鼻咽喉科医,音声専門医に対してどのような意識をもって受診しどのような治療を希望しているのかを明らかにするため,EVPに対してアンケート調査を行った.
    選択形式の設問28問,自由記載式の設問3問の冊子を作成し,無記名の記入式アンケート調査を実施した.EVP 92名(男性41名,女性51名)から回答を得た.内容は「声の症状」「耳鼻咽喉科診察および歌唱指導について」「沈黙療法について」「ステロイド治療について」「声の悩みの解決方法」「診療に対する希望について」等である.
    沈黙療法を指示されたことがある者は64%であったが,適切な期間を指示することが重要であると思われた.ステロイド剤による治療を受けたことがある者は68%であり,投薬を緊急時にのみ望む者とできれば望まない者がほぼ半数ずつであった.

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