高性能な半導体、効率の良い太陽電池、新機能材料の開発など、現代産業を推し進めてより豊かな社会を実現するには、ナノの世界を観察・制御する技術が不可欠だ。ナノの世界を超高速に捉えられる「時間分解走査トンネル顕微鏡(時間分解STM)」は非常に複雑で、これまでは計測の専門家しか扱えなかった。その常識を覆したのが、筑波大学とユニソクの共同研究を基に開発された顕微鏡だ。システムの簡易化・小型化を実現し、最先端顕微鏡において普及の糸口を開いた筑波大学数理物質系の重川秀実教授とユニソク開発部の岩谷克也部長に、開発の背景や道のり、これからの展望を聞いた。
橋梁、トンネル、道路舗装、上下水道などのインフラの老朽化が社会問題化する中で、インフラの補修や更新を行うマネジメント政策の重要性が高まっている。大阪大学大学院工学研究科の貝戸清之准教授は、長年の点検を通じて蓄積したビッグデータを用いたデータサイエンス技術によってインフラの補修・更新時期を予測する手法を開発した。さらに、ライフサイクル費用評価の活用によって老朽化インフラのマネジメント政策を形成するためのプロセスを構築。日本国内の公共インフラへの実装だけでなく、発展途上国のインフラ整備でも貢献が期待されている。
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創発的研究支援事業(FOREST)
「南極氷床コアの気体分析から100年スケールで読み解く氷期‐間氷期の全球気候変動」
国立極地研究所 共同研究推進系(気水圏研究グループ/アイスコア研究センター)助教/総合研究大学院大学 先端学術院・先端学術専攻 極域科学コース担当教員
大藪 幾美