ヒトのような高等生物は、しっぽを切っても再びしっぽが生えてくるトカゲのような 再生能力を持っていない。しかし、最近の研究により、ヒトでも特殊な細胞がさまざまな組織の細胞に変化できる細胞の可塑性をうまく利用すれば、失われた組織を回復できることが分かってきた。治療法の確立を目指す最先端の取り組みを紹介する。
アミノ酸、糖などの分子には右手型と左手型があり、両者は互いに鏡像の関係にある。「どちらか一方だけをつくりたい」というときに威力を発揮するのが不斉触媒だ。不斉触媒の巧みな設計により、一方の型だけがつながった高分子をつくれるようになった。
液晶プロジェクターは、学校や企業の会議室だけでなく家庭への普及も始まった。この器械の心臓部の1つがレンズアレイ。1枚のガラス板に20個のレンズを成型した光学部品だ。そして近く、ランプ光源から出る紫外線をカットするフィルター機能も持たせた新世代のレンズアレイが登場する。
「流体計測」と聞くと、日常生活からは縁遠い印象があるかもしれない。だが、“流れ”を捉えるこの技術は、驚くほど広範な分野で役立てられている。最近では、3次元的な計測法が進化しており、本格的な流体計測を中心技術とするベンチャーも起業している。
男女共同参画白書(内閣府男女共同参画局、平成17年度版)によると、日本では、研究者全体に占める女性の割合が11.6%と、32.5%のアメリカなど欧米諸国に比べて低いということが指摘されている。そこで、今年度から始まった第3期科学技術基本計画の中でも、「女性研究者の活躍促進」ができるような環境づくりがうたわれた。そしてJSTでも男女共同参画を推進するための様々な取り組みを行っている。
現代のような科学的な消防技術がなかった江戸時代の消防は、火元より風下の家々を壊して延焼を防ぐ「破壊消防」が主だった。江戸の町は大火が多く、江戸城と武家地を護る大名火消、定火消、町人地区を護る町火消が順次組織され、防災にあたった。