世界中で次世代材料の開発が加速する中、注目を集めるのが「トポロジカル材料」だ。数学の位相幾何学の概念を物性物理学に取り込み、近年これまでにない性質を持つ材料が次々と見いだされている。より革新的な機能を持つ材料の開発に挑むのは、東京大学大学院理学系研究科の上田正仁教授だ。基礎から応用まで分野横断で研究者が集い、材料やデバイスを創出することで、誰もが快適に暮らせる超スマート社会の実現を目指す。
少子高齢化や核家族化に伴い、社会から孤立して子育てを行う家庭は多い。児童虐待は社会通念に反し、法律でも禁止されているが、通告件数は増加し続けている。脳科学の知見を元にこれらの課題解決に取り組むのは、福井大学子どものこころの発達研究センター長の友田明美教授だ。親子間での避けたいかかわりを指す「マルトリートメント」が子どもの脳の発達に与える影響を明らかにし、望ましい養育のあり方を模索してきた。地域ぐるみで安心して子育てできる「とも育て」社会の構築に挑む。
日本発の破壊的イノベーション創出を目指し、2020年からスタートしたムーンショット型研究開発事業。7つあるムーンショット目標のうち、JSTが担当する4つを順次解説する。目標1では、「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」を掲げている。そのカギを握るのは「サイバネティック・アバター」とよばれるロボットや3D映像などを示すアバターだ。1人で複数体のアバターを駆使することにより、身体などの制約を受けずに自己実現の達成が可能になるという。プログラムディレクターの大阪芸術大学芸術学部アートサイエンス学科の萩田紀博教授に、日本科学未来館科学コミュニケーターの廣瀬晶久がその未来像を聞いた。
【研究成果】毛包幹細胞の発生起源を解明 「テレスコープモデル」の提唱
【研究成果】子どもの睡眠中の歯ぎしりを解明 ノンレム段階で多発、寝返り時にも
【研究成果】CO2からCOを低温で効率的に合成 実用化に適した触媒技術を開発
【研究成果】凸凹を触って生じる錯覚を解明 人間の触知覚を数理モデルで再現