JSTは2016年10月に、濵口道成理事長の積極的なイニシアチブにより、科学技術イノベーション(Science, Technology and Innovation: STI)によるSDGsの達成に向けたタスクチームを立ち上げました。2018年4月には、タスクチームを発展させて、新たに「持続可能な社会推進室」を設置しています。3月号では、SDGsの最新の動向から、JSTにおける科学技術イノベーションによるSDGsの達成(STI for SDGs)に関する活動状況まで、事業・プロジェクトの成果も含めてご紹介します。
SDGsの実現には、政府だけでなく、地方自治体や企業、教育・研究機関、市民団体が連携し、それぞれの立場で取り組むことが欠かせない。2030年の未来に描く社会へ向けて、産学民官、そして科学技術が動き出した。
SDGsの達成に向け、科学技術イノベーションが果たす役割は大きい。研究開発、産学連携、人材育成、学術情報発信、科学と社会との対話といったJSTの多岐にわたる活動の中から、SDGsへの貢献が期待される取り組みの一例を紹介する。
JSTは2019年度から「戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)」の新プログラム「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」を立ち上げる。SDGsの達成に向け、多様なステークホルダーと連携・共創し、自然科学や人文・社会科学の知見による科学的手法を活用しつつ、社会課題や解決のボトルネックの明確化・シナリオ創出から社会課題のソリューション(実証事例)創出までを一体的に推進し、地域での確実な課題解決、そして他地域への展開を目指していく。
全国の中学生が都道府県対抗で科学の力を競う「第6回科学の甲子園ジュニア全国大会」が、昨年12月7日~9日までの3日間、茨城県つくば市のつくば国際会議場・つくばカピオで開催された。中学1、2年生を対象とするこの大会は、未知の分野に挑戦する探究心や創造性に優れた人材の育成を目的として2013年に始まった。各都道府県代表の6人がチームを組み、科学力日本一を目指して熱戦を繰り広げた。
【研究成果】可視光を利用してメタンをエタンと水素に変換 豊富な炭素資源からの化成品原料製造に期待
【研究成果】光ファイバーを用いない「ファイバーレス光遺伝学」を開発 神経回路機能の解明に期待
【研究成果】好きな形に切り取って使えるワイヤレス充電シート ポケットにしまうだけで電子デバイスの充電が可能に
【研究成果】ガソリン、ディーゼルエンジンで熱効率50パーセント超 「産産学学連携」で達成