人類はこれまで、さまざまなハザードに見舞われながらもそれらに対処し、乗り越えることで生活を紡いできた。過去に経験したことのない深刻な原子力発電所事故に見舞われたウクライナと日本が、国際共同研究でこの新たな課題に挑む。環境を正確に把握できる観測手法を確立し、再びその土地で暮らし続けるための道を模索する。今後起こるかもしれない万が一の事態に備え、その知見を積み重ね、次世代につなぐ。
日本では東日本大震災を始め、大規模自然災害が発生すると、行政主導による復旧・復興事業が行われるが、防災が最優先されるため、住民の要望は反映されにくいのが現状だ。そのため、地域社会が分断される事例も多い。そこで九州オープンユニバーシティの島谷幸宏代表理事は、小水力発電の導入をきっかけに、地域が主体となって地域固有の資源を活用した持続可能なむらづくりを行うためのシナリオ形成に取り組んでいる。
医療の進歩は著しいが、腎臓はひとたび機能が低下すると治療や修復が難しく、腎移植以外の根治的な治療法は存在しない。そのため、悪化した場合には生涯人工透析を受け続けることになり、患者の生活の質も大きく低下することは避けられない。これに対し、腎臓を保護する働きを持つ腎臓の前駆細胞を移植する細胞療法を考案し、実用化を目指すのはリジェネフロ(京都府京都市)だ。人工透析患者を減らしたいと、ヒトiPS細胞を用いた再生医療の実現に挑む。
【研究成果】脳細胞が短期記憶を保持する機能発見 筋肉収縮と同程度の力で伝達物質放出を増強
【研究成果】自動運転シミュレーションの能力を向上 事故につながるシナリオを効率よく発見
【研究成果】120年の歴史を塗り替え、調整方法を刷新 ペースト状グリニャール試薬の合成に成功
【研究成果】安全で効率的な暗号技術を開発 量子コンピューターでも解読は不能
戦略的創造研究推進事業ACT-X
「水媒介架橋による細胞機能発現を促す人工ECMの実現」
量子科学技術研究開発機構
量子ビーム科学部門 高崎量子応用研究所
先端機能材料研究部 主幹研究員
大山 智子