テレビなどの映像では、滑らかに動いて見えるよう画像を連続して提示する。1秒間に提示するのは通常30枚、あるいは60枚程度と人間の目の能力に合わせて設定されている。これをはるかに超える速さで世の中の現象を捉えられたら、どのようなことができるのか。毎秒1000枚の速度で撮影し、処理する機械の目「高速ビジョン」を実現し、その可能性を追究しているのが東京大学大学院情報理工学系研究科の石川正俊教授だ。岸則政JST ACCELプログラムマネージャーとの二人三脚で高速ビジョンプラットフォームを構築し、新たな価値を生み出そうとしている。
人工知能(AI)を活用した5メートル間隔の気象をリアルタイムで予測する気象情報インフラの構築に挑むのが、海洋研究開発機構地球情報基盤センターの大西領グループリーダーだ。気象関連の災害や被害などが起こらない、安全安心で快適な未来都市の実現を目指している。その足掛かりとして、都市空間の局所的な気象予測に基づき、個人の熱中症リスクを評価する技術の開発に成功した。
日本でも民間企業による宇宙開発が語られるようになったが、10年前には事業として成立しないと考えられていた。民間の人工衛星ビジネスに挑戦した草分けがアクセルスペース(東京都中央区)だ。衛星の開発・販売・運用サービスに加え、宇宙から毎日撮影する地球のデータを提供する事業を展開し、宇宙からの地球観測データを誰もが当たり前のように活用する世界をつくろうとしている。
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