小型化、高性能化が進む半導体の量産技術として期待されているナノインプリント技術。微細な凹凸パターンを持つ「型」を、基板に押しつけることでハンコのように転写できるのが魅力だ。兵庫県立大学の松井真二教授(当時)と旭化成は、10年以上に及ぶ共同研究で超高精細なパターンを転写できる円筒形の型の作成に成功した。この誰にもまねできない高い技術力の先に見えてきた市場は、世界の被害総額が年間500兆円にも上る偽造防止のソリューションだった。誰も予想しなかった展開を見せた技術開発の歩みについて聞いた。
イネ科の高バイオマス作物「ソルガム」は、食料と競合しないバイオマス資源として脚光を浴びている。名古屋大学生物機能開発利用研究センターの佐塚隆志教授は、ソルガムにおける雑種強勢について遺伝子レベルの原理を解明し、長らく困難とされていたゲノムデザインによる新品種創出を可能にした。この新しいアプローチにより開発した高バイオマス・高糖性の新品種は低炭素社会の実現への貢献が期待されており、また、それを目指した地域連携による新産業創出の取り組みにおける主力品種になりつつある。
目標9「2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現」について紹介する。このプログラムでは、「個々のこころの状態理解と状態遷移」および「個人間・集団のコミュニケーション等におけるこころのサポート」を実現する技術の創出と社会実装を目指す。プログラムディレクターの京都大学人と社会の未来研究院の熊谷誠慈准教授に、日本科学未来館科学コミュニケーターの大澤康太郎が聞いた。
【研究成果】過酸化水素を危険なく合成できる新触媒 フラスコ1つでOK、世界最高の反応効率を確認
【研究成果】100%液体の微小なレーザー光源を開発 新たな柔らかい光デバイスの実現に期待
【研究成果】マダガスカル、コメ増収で農民の栄養改善 量と質の両面から寄与 計量経済学で評価
【研究成果】マイクロプラスチックによる健康被害を検証 高脂肪食下での経口摂取が異常を誘発