次世代のエネルギーとして水素を利用する「水素社会」を目指して、世界各国で技術開発が進められている。実現には、大量の水素を安全・安価に製造、輸送、貯蔵する仕組みが必要だ。このために求められるのが水素の液化で、効率的な冷凍技術の開発が待たれている。水素社会を実現するキーテクノロジーの1つと期待される「磁気冷凍」の研究に挑むのが、物質・材料研究機構(NIMS)の西宮伸幸NIMS 招聘研究員が率いる研究チームだ。産業界も巻き込み、10年計画で液体水素の供給の基盤技術を確立しようとしている。
「人類が手にした最も正確な物差し」と呼ばれる「光コム」。周波数を超精密に測定する光の物差しの誕生は、広範な科学技術分野の標準や計測技術に革命的な進展をもたらした。電気通信大学大学院情報理工学研究科の美濃島薫教授は、光コムを進化させ、光のあらゆる性質を使いこなす画期的な基盤技術の開発に挑み、未踏の応用分野を切り拓こうとしている。
世界を変える新技術を生み出そうと挑戦を続けるベンチャー企業を紹介する連載「世界を変えるSTORY」。第3回目は、既存の「阻害剤」では治療薬がなかった人たちに、「分解」に着目した創薬技術で薬を届けようとするFuturedMe(東京都中央区)の挑戦を紹介する。
JSTの最近のニュースから
【研究成果】走りながら充電する電気自動車を開発 受電回路と駆動装置の全てをタイヤの中に
【研究成果】エネルギー損失の少ない磁性材料を量産化 モーターやトランスの省エネ効果に期待
【研究成果】ニューロンの信号から神経回路を推定 半世紀来のアイデアが実現
【イベント】若者たちの理想の未来像を新たな常設展示に 「ビジョナリーキャンプ」公開