順天堂医学
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23 巻, 4 号
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目次
特集 副腎皮質ステロイド療法とその問題点
原著
  • 渡辺 進
    1977 年 23 巻 4 号 p. 510-534
    発行日: 1977/12/10
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
    先天性胆道閉鎖症の成因追求には, 肝内組織像と肝外胆道系の検索がきわめて重要である. 著者は先天性胆道閉鎖症と乳児肝炎の肝組織像を比較検討し, さらに先天性胆道閉鎖症の肝外胆道系の閉塞部位とその組織像を連続切片法による再構築により明らかにした. その結果, 生検時の肝組織像から先天性胆道閉鎖症は胆管増生, 線維化, 門脈域の胆管内の胆汁栓が著明であり, 乳児肝炎は巨細胞がより著明であり, 胆管増生, 線維化は軽度であることが両疾患の鑑別点と考えられた. 先天性胆道閉鎖症の手術症例の肝外胆道系を3型に分類し, これら肝外胆道系の閉塞は炎症病変の強さにより生じた差と考えられた. 非手術剖検3症例と手術18例の肝外胆道系の再構築より, 全て総肝管に閉塞を認めた. 先天性胆道閉鎖症の主病変は総肝管にあり何らかの炎症性機転により閉塞したものと考えられた.
  • 泉 嗣彦
    1977 年 23 巻 4 号 p. 535-562
    発行日: 1977/12/10
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
    N-Ethyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine (ENNG) 水溶液を固型飼料に混じて犬に経口投与し, 発生した実験胃癌について, 臨床病理学的に検討した. 有効頭数7頭 (雑犬4頭, ビーグル犬3頭) の全例に胃癌 (2頭: 早期癌, 5頭: 早期癌および進行癌) が発生した. 4頭にリンパ節転移, 2頭に肝転移を認め, うち1頭には肺, 心, 骨, 皮下組織転移, および癌性腹膜炎の発生もみた. 胃癌の好発部位は, 胃上部前壁と大彎, および胃下部であった. 肉眼型では隆起型が多く, 組織型では管状腺癌が多かった. 胃上部では隆起型がほとんどで, 分化型の腺癌が多く, 胃下部では隆起型, 陥凹型, 平坦型さまざまで, 分化型と低分化型の腺癌が同数であった. 進行癌はすべて大きさが20mm以上であった. 雑犬では分化型の腺癌が多く発生し, ビーグル犬では低分化型の腺癌が多かった. 雑犬の1頭にポリープの癌化を示唆する病変を認めた.
  • 加藤 君代
    1977 年 23 巻 4 号 p. 563-573
    発行日: 1977/12/10
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
    蛍光SH標識試薬, N- (1-anilinonaphthyl-4) maleimide (ANM) および対照としての疎水域探索試薬, 1, 8-anilinonaphthalenesulfonate (ANS) を用いて, 蛍光偏光解消の角度分布測定による筋・神経線維の表在SHタンパク質の配向を調べ, 次の結果を得た. 1. けい光の強さから求めた配向成分の, ランダム成分をも含めた全けい光強度に対する割合 (配向率) は, すべてのANM標識標本で20%弱, ANS標本で17%程度であった. 試料を乾燥すると, この値はANM標本では僅かに, ANS標本では大きく増加した. 2. 配向率は長期間グリセリン処理であまり変化しなかったが, 筋線維のANM標本では1日処理で一時増加した. 新鮮神経はANSで染色できなかったが, グリセリン処理で配向成分 (7%) が出現し, 乾燥によってさらに増加した. トリプシン処理ではANM標本でのみ60秒後に一過性の増大を示した. 3. ザリガニの腹部神経 (無髄) では全く配向成分は認められなかった. 4. 配向形式は, ほぼ線維走向と平行および直角の完全二軸配向であった. このパターンは乾燥によって変化しなかった. 5. 新鮮標本では, 多くの場合直角成分が平行成分より多かった (神経では等しい) が, 乾燥によりさらに増加, グリセリン処理で逆に減少した. 以上の結果から, 筋線維・外筋周膜・神経線維に, 線維軸に平行および直交するSH基含有タンパク質の存在を証明した.
抄録
てがみ
順天堂医学投稿規定
編集後記
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