順天堂医学
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43 巻, 4 号
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目次
Contents
特集 周産期医学の進歩
  • 竹内 久彌, 柴田 隆
    1998 年43 巻4 号 p. 531
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
  • 吉田 幸洋
    1998 年43 巻4 号 p. 532-535
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    胎児の形態に関する診断は大部分が超音波断層法によって可能である. 特に, 超音波経膣法の導入により, 無脳症や腹壁異常などの疾患については妊娠第1三半期における診断も可能となった. また, MRIの産科における有用性と安全性も明らかとなり, 中枢神経系の異常等の診断においては, 積極的に用いられるようになった. 一方, 機能診断としては, 胎児心拍モニタリングに加え, 超音波pulse Doppler法を用いることにより胎児心機能の評価が行えるようになった. さらに, 侵壊的ではあるが, 膀帯穿刺もrapid karyotypingや胎児血の生化学的分析に用いられている. しかし, 現状では胎児治療の有効性はごく限られた疾患に限られており, 早期診断がかならずしも早期治療には結びついていない. 胎児診断から治療をスムースに移行させるためには, 胎児期における病変の程度の正確な診断, 進行性の有無と残存機能の評価が重要であり, これらを総合的に評価し, かつ, 関連する新生児科, 小児外科, 脳神経外科と密に連携をとりつつ, 適切な分娩時期と娩出方法を決定するのが産科管理の最も重要な課題であると考える.
  • 屋田 修
    1998 年43 巻4 号 p. 536-541
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
  • 西本 啓
    1998 年43 巻4 号 p. 542-547
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    1993年9月から1997年8月までの4年間に, エコー検査にて胎児循環器系疾患と診断されて本院産科による母体管理下に院内出生した19例を対象とし, 出生前後の診断, 管理・治療および予後を後方視的に検討した. 胎児診断では心奇形6例・不整脈8例, および心臓腫瘍 (横紋筋腫) 5例であった. 出生後診断では14例は胎児診断と一致した. 分娩管理は全例待機分娩とし, 6例では予定帝切とした. 治療は, 動脈管依存性心疾患の5例には出生直後よりPGE1を持続投与. 重症型大動脈弁狭窄の1例には日齢1でバルーン弁形成術を施行. 頻脈性不整脈の3例では胎児治療を試みるも無効で出生後に薬物療法を行い, 2例では直流通電が必要であった. 完全房室ブロックの3例は生後人工ペースメーカーを装着した. その結果, 左心低形成の1例と完全房室ブロックを合併した重症型肺動脈弁狭窄の1例が新生児死亡したものの, 他の17例の経過は良好であった. したがって, 従来では生存困難と思われてきた重症心疾患においても, 正確な胎児心疾患の診断は新生児の予後の改善に有効と思われる.
  • 山高 篤行, 岩下 公江, 宮野 武
    1998 年43 巻4 号 p. 548-550
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
  • 志賀 清悟
    1998 年43 巻4 号 p. 551-556
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 茂
    1998 年43 巻4 号 p. 557-561
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    新生児医療が進歩した現在でも, 早産・未熟児の新生児死亡率は高く, 生児においても後の脳障害, 呼吸器障害, 発達障害などの大きなリスクを背負うことになる. したがって, 早産を予防すること, また, 例え早産となった場合もその合併症を最小限にすることが, 現在の産科医療には求められている. しかしながら, 産科医療の進歩にも関わらず, 早産・未熟児の出産数は減少しておらず, 最近では不妊症の治療による多胎妊娠の増加がクローズアップされ, それに伴う未熟児の頻度も新たな問題となってきている. 一般に早産の原因の3分の1は前期破水による早産である. 当院でも前期破水による早産が, その原因として多くはなっているが, その他の原因として母体合併症の影響による早産や胎児奇形に伴う早産が多いことが特徴としてあげられる. このように, 必ずしも子宮収縮抑制を行い, 未熟児の出産を予防することだけが, 未熟児の予後を改善させる手段ではない. われわれはこのため早産にしなければならない児に対しては, 未熟児の合併症を最小限にするため, 経母体的ステロイド投与を行っている. また, 実験的には膀帯動静脈A-V ECMOを用いた未熟胎仔子宮外胎仔保育システムの開発を研究し, 新生児未熟児医療への負担を少なくすべく研究も行っている.
  • 中村 靖
    1998 年43 巻4 号 p. 562-566
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    合併症妊娠の管理は, 妊娠と合併症それぞれの病態解明や技術革新にともなう管理法の進歩と共に, 妊娠と合併症とのかかわりの究明がともなって, はじめてより確実に進歩していく. ここ数年, 種々の分野の疾患において, 合併症妊娠の管理は進歩しているが, その中でもとくに当院ではSLE合併妊娠症例が多く, この分野の進歩については当院がリードしてきたといっても過言ではない. SLE合併妊娠の管理の進歩は, まず第一に内科の側からのSLEの管理の進歩があり, 次に産科における胎児管理の進歩, 小児科における未熟児管理の進歩が加わり, それと同時に母体と胎児. 新生児との関わり, 特に自己抗体の関与の解明とそれに対する管理・治療が進歩するといった形で現在に至っている. このように合併症妊娠の管理の進歩には, 産科・小児科と合併症を扱う診療科の三科が, 緊密に連携しつつ, 同時に一つのものを見ていくことが必要不可欠である.
  • 新島 新一
    1998 年43 巻4 号 p. 567-575
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    合併症妊娠はリスクが多く, 出生後の児の管理が重要である. 当院にて良く取り扱う母体合併症には, 糖尿病・甲状腺疾患・てんかん, およびSLEを中心とした膠原病などがある. なかでもSLE合併妊娠の数は多く, 1979年から1996年の18年間に経験した数は182例であった. その後の児の予後を検討すると, 人工妊娠中絶は15.9%. 自然流産は6.6%, 子宮内胎児死亡は6.6%と児の死亡率は全体の29.1%であった. 転帰別年次推移は, 死亡率を前半の10年と後半の8年に分けて検討すると44.3%から7.9%にまで著明に減少した. 母体各種自己抗体と児の予後で明らかに関連性が認められたものは抗リン脂質抗体 (LAC) のみであった. 出生後の児の検討では早期産児は27.9%. 低出生体重児は42.6%であった. NLEは14%に認められ, そのうち完全房室ブロックは5例 (3.9%) で, うち1例は新生児期に死亡した. 完全房室ブロック症例は全例48KD・SS-Bと52KD・SS-Aに対する抗体が陽性であった. また母より児に移行した抗核抗体は6カ月以内に速やかに消失するが, 5歳以降に再び抗核抗体が再出現してくる症例は女児に有意に多く, SLEの発症など今後の経過観察が重要である. さらにアレルギー疾患 (特にアトピー性皮膚炎と気管支喘息) や血清IgEの高値の頻度が高く, SLEの発症機序との関連性が興味深い.
原著
  • --レーザードップラー血流計によるイヌ尺骨神経内外の血流量測定--
    梅田 雄二
    1998 年43 巻4 号 p. 576-585
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    目的: 末梢神経に対する各種外科処置が神経内外の血行動態に及ぼす影響について検討することを目的とした. 対象: 雑種成犬の尺骨神経を用いた. 方法: I群;露出した神経の中枢側および末梢側にカフ型圧迫装置を設置し, その間の神経に対し, 1) 神経の露出のみ, 2) 神経外剥離術 (mesoneurium可及的切除・神経外分節血行温存), 3) 神経外分節血行の切離, 4) 神経上膜切除術の処置を加え, 2カフ加圧時および非加圧時の血流量をレーザードップラー血流計にて計測した. カフ設置間隔は4cmまたは8cmとした. II群;上記の神経処置8cmの条件で中枢側のみを加圧した場合, および末梢側のみを加圧した場合の血流量を計測した. III群;神経上膜を8cm切除した後, その末梢端を切離し, 神経上膜切除中枢端より1, 4, 7cmの部位での血流量を計測した. 結果: I群;神経の露出のみにおける血流量は16.4ml/min/100gであった. 各種神経剥離術における血流量は4cm群では神経外血行切離にて, 8cm群では神経上膜切除にて有意に減少した. また神経外剥離術後に加圧することで両群とも血流量は有意に減少した. II群;血流は遠位に向かうものが多かったが, 一部の神経では逆行性に流れるものがあった. III群;神経上膜切除部の中枢端より遠位1cmでの血流量は11.8ml/min/100gであった. 4cmの部位ですでに半減しており, 7cmの部位と有意差はなかった. 結論: 1) 8cmの神経上膜切除により神経内血行は半減した. 2) 神経内血行は逆行性の可能性もあり, 神経切離には血行の方向も確認すべきと考えた. 3) 神経切離における神経上膜切除術は4cm以下にとどめるべきである.
  • 根本 昌幸
    1998 年43 巻4 号 p. 586-598
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    大動脈遮断に伴う脊髄障害をモニターする上で, 経頭蓋電気刺激による下行性脊髄誘発電位 (MEP) の有用性を検討した. 雑種幼犬30頭を用いた. 実験1: 15頭を用い, 開胸後大動脈血流を第6胸椎前方で2時間遮断した. MEPはLevyの方法に準じて第10胸椎レベルで8チャンネルのマッピング電極を用いて経時的に記録した. 局所脊髄血流量はレーザードップラー血流計を用いて脊髄背側より経時的に記録した. 実験2: 15頭を用い, 実験1と同様の条件で行い, 遮断時間は1時間とした. さらに24時間後の後肢運動機能を観察し, その後脊髄の組織学的検索を行った. 結果: 実験1では5頭でMEPの振幅が50%以下に減少した. これら5頭の局所脊髄血流量は20%以下に減少した. 他の10頭では振幅が50%以上を維持し, 局所脊髄血流量も25%以上であった. 実験2では4頭でMEPの振幅が50%以下に減少し, うち2頭では減少は急速であり, 後肢運動麻痺を生じた. 他の2頭では麻痺を認めなかった. 麻痺を認めた上記の2頭の脊髄組織学的所見では, 灰自質の後角から前角にかけて壊死巣があり, 反応性細胞浸潤および核の変性を認めた. 麻痺のなかった2頭でも後角に限局する壊死巣を認めた. MEPの振幅が50%を維持したもの11頭では, 局所脊髄血流量は20%以上に維持されており, 後肢の運動麻痺はなく, 組織学的には灰臼質に軽度のうっ血と出血が認められたのみであった. 以上の結果より, 脊髄虚血によって脊髄麻痺が生ずる臨界点は, 局所脊髄血流量が20%以下に減少した状態であり, MEP振幅の50%以上の急速な減少がこの状態を反映していると考えられ, MEPの脊髄虚血状態モニターとしての有用性が証明された.
  • 市来 伸廣
    1998 年43 巻4 号 p. 599-612
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    目的: スポーツ心は運動負荷による生理的心拡大と理解されているが, 非可逆的心筋病変を発生して, 心筋症的病像を呈するものも経験される. その場合の心筋構築の変化を病理組織学的に検討する. 対象と方法: スポーツ選手18例を対象として, 肥大型心筋症12・高血圧性肥大心12・正常血圧心8例の対照3群と臨床検査所見, および心筋生検組織像を比較した. 結果: スポーツ選手では, 心電図上全例にT波異常 (うち巨大陰性T波8例) を認め, 心室性期外収縮2・高電位13・異常Q波4例;左室造影では心尖部肥大8 (競輪6 陸上1 ボクシング1), びまん性肥大5・流出路中間部肥大1例で, 左室駆出率60%以下6例であった. その生検所見では心筋細胞横径;右室で18μ・左室で22μ, 配列偏位面積;45%であった. この配列偏位は肥大型心筋症群には及ばず, 高血圧性肥大心・正常血圧心群よりも大で, 高年齢で選手歴の長い症例に高い傾向を示した. 線維症面積は正常血圧心と同程度で, 肥大型心筋症・高血圧性肥大心群より小であった. 総括: スポーツ選手の心筋にみられる心筋細胞配列偏位は, 血行力学的負荷に対する構造上の改築の初期像であり, 負荷強度が大かつ長期間に及ぶと, 一部は非可逆的配列の乱れを生じ, 心尖部肥大型心筋症に進展することがある.
  • とくに錯綜配列との関係について
    貞刈 暢代, 河合 祥雄
    1998 年43 巻4 号 p. 613-622
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    目的: 肥大型心筋症 (HCM) において, 心室壁を構築する筋層のレベルでいかなる変化がみられるかについて検索し, さらに錯綜配列との関係について検討する. 対象: 臨床および剖検にてHCMと診断された12例 (平均年齢42歳), および肥大心を含む対照心7例 (平均年齢47歳). 方法: 臨床および剖検にてHCMと診断された12例 (平均年齢42歳) の中間部両心室横切面ルーペパノラマ写真上で層構築を肉眼的に観察し, 心室中隔・前・側・後壁各部位において層構造の乱れを点数化し, 組織学的に評価し点数化した錯綜配列の程度と比較検討した. またHCM症例12例中7例 (平均年齢29歳) において, 心室中隔筋層の10点で心筋線維の走行角を求め, 肥大心を含む対照心7例 (平均年齢47歳) と比較した. 結果: HCMの心室中隔では, 肉眼的に中層輪状筋構造が消失し, 特に非対称性中隔肥厚例において顕著であった. 層構造の乱れと心筋細胞レベルの錯綜配列程度は粗に正相関した. 5/10中層部, 6/10中層部の心筋の走行角は, 対照群15.6±7.0度. 11.4±4.3度と比較的浅い角度, すなわち, 水平な輪状に近い角度を示したのに対し, HCM群ではそれぞれ32.8±8.5度, 22.0±4.0度と有意に高かった (p<0.01). 結論: HCMでは細胞. 筋束レベルのみならず, 層構造レベルにおいても, 様々な程度の構築異常が認められた. 特に中層輪状筋は肉眼的にその層構造が失われ, この所見は心室中隔において顕著であった. 層構造の乱れと心筋細胞レベルの錯綜配列は粗に相関した. 心室中隔における心筋の走行角は, HCMでは有意に深く, 中層輪状筋正常構造の消失を示した.
  • -弁膜症外科切除弁組織の病理学的分析-
    齋藤 文洋
    1998 年43 巻4 号 p. 623-634
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    背景と目的: 本邦では非リウマチ性疾患が増加し, 弁形成術などの進歩は, 弁膜疾患のより詳細な病理学的理解を求めている. しかし, 本邦での弁膜疾患の病理形態学的検討は少なく, 特に外科切除弁の報告はほとんどない. そこで, 当研究室にて検索された外科切除弁所見を検討し, 考察を加えた. 対象と方法: 1987年から1994年までに心臓血管研究所付属病院にて外科的に切除された弁膜疾患連続181例中, 心エコー図検査および組織標本の検討が可能であった151例179弁を対象とした. 術前心エコー図で逆流所見のみのものを純逆流症, その他を狭窄症とし, 弁交連部の癒合の有無でリウマチ性・非リウマチ性をわけ, 年齢分布, 基礎病変, 組織・形態的特徴について検討した. 結果: 79例 (52.3%) が非リウマチ性で, 大動脈弁49・僧帽弁36・二弁置換6例であった. 年齢分布は男性で30歳代から増加し, 女性は70歳代が頂点の一峰性分布を示した. 基礎病変は, 大動脈弁純逆流症で感染性心内膜炎9例・逸脱症8例, 他は大動脈弁輪拡大・大動脈炎・ベーチェット病・結合織病・大動脈瘤・解離性大動脈瘤各1例であった. 大動脈弁狭窄症は二尖弁が25例中19例を占めた. 僧帽弁は36例中35例が純逆流症で, 感染性心内膜炎8・肥大型心筋症1・虚血性心疾患1・動脈管開存症2・僧帽弁逸脱症24例で, 僧帽弁逸脱症はさらに腱索断裂15 (7例は腱索欠如合併) ・ループ腱索5・腱索欠如7・弁逸脱 (狭義) 4例と多彩で, 弁逸脱の2例に炎症後変化を認めた. リウマチ性弁膜症は2弁置換が多く, 30歳代以下の手術例はほとんどなかった. 結論: 非リウマチ性弁膜疾患の基礎病変は多岐にわたり, 大動脈二尖弁・石灰化弁・僧帽弁逸脱症ではループ腱索・腱索欠如および弁膜炎後変化などであった. ループ腱索・腱索欠如は腱索断裂後, 二次的に発症する可能性がある.
  • 山口 卓夫
    1998 年43 巻4 号 p. 635-645
    発行日: 1998/03/30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    目的: 側彎症学校検診の普及により, 軽症の脊柱側轡症が多数発見され, その処置が問題になっている. 治療を必要とする症例を的確に選択するため, 側彎の進行危険因子を解析し, 臨床で応用できる進行予測式を得ることを目的とした. 対象と方法: 過去の順天堂大学整形外科における側彎症例2160例のうち, 初診時Cobb角が装具治療の対象となり得る20°から45°の思春期特発性側轡症の女子例を選び, そのうち無治療例と装具治療脱落例とで骨成長がほぼ終了した112例122カーブを対象とした. これら症例での側彎進行度を背景に, 初診時のX線写真をもとに12の危険因子を多変量解析し (対象66カーブ), 危険因子の重みづけを得ると同時に, 12因子による進行予測式を作成した. その後, 簡略化のために増減法で5因子を選択した. 以上の操作により5因子による第一次予測式を得た (対象73カーブ). 第一次予測式を他施設例と自験追加例の計51カーブで検定した. これらカーブを加えた124カーブから第二次予測式を得て, 第一次予測式との比較検討を行った. 結果: 12の全因子で解析した結果, Risser角・腸骨稜骨化核成熟度・頂椎回旋度・頂椎偏位度の順に重要な因子とわかった. これにCobb角を加えた5因子を選択し, 第一次進行予測式を得た. 検定により, 第一次予測式の妥当性を確認した. 検定症例を加えた対象を解析した結果, 危険因子の重みづけの順位は, 初めの解析とほぼ同じ結果であった. 第一次予測式と第二次予測式より得られた予測値の差はわずかであり, 相関係数は0.987で極めて高い相関性を示した. 結論: 骨成熟前の女子の特発性脊柱側轡症を対象として作成したこの側彎進行予測式は, 中等度までの症例の的確な治療法選択に有力な参考になるものと考える.
症例報告
報告
抄録
てがみ
順天堂医学原著論文投稿ガイドライン
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編集後記
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