順天堂医学
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28 巻, 2 号
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目次
Contents
特集 本間・高橋両教授定年退職記念講演
原著
  • 鈴木 光子
    1982 年28 巻2 号 p. 153-162
    発行日: 1982/06/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    慢性呼吸不全患者における低酸素血症・高炭酸ガス血症と酸素運搬機構との関係を明らかにするため, 実験モデルおよび慢性呼吸不全患者におけるP50, 2, 3-diphosphoglycerate (以下2, 3-DPGと略) および動脈血諸量の変化を測定し検討した. まず呼吸不全モデルとして家兎にN-methyl-N-nitrosourethaneを投与し, 実験的間質性肺炎を作製し, 2, 3-DPGおよび動脈血ガス諸量を呼吸不全の進展の経過と共に測定した. その結果肺不全の進展によりPaO2が低下するに伴い, 2, 3-DPGが増加することを認めた. 次に対象とした慢性呼吸不全患者47例の2, 3-DPGは15.5±2.8μmol/gと増加しており, PaO2とは負の相関を示し基礎実験と同様の成績をえた. しかし, このうちPaCO248torr以上の高炭酸ガス血症を伴う11例についてみると, pHの低下に伴う2, 3-DPGの減少がPaO2の低下による本酵素の増加をある程度相殺すると解される成績をえた. 経時的変化を測定しえた症例の2, 3-DPGは, pHと相関して変動した. これは臨床上, 呼吸不全患者の治療に必須となるO2吸入の影響と考えられた. 慢性呼吸不全患者のP50は正常範囲内にあったが, これは測定患者の動脈血ガスpHがほぼ正常範囲内に代償されているためと解された: 慢性呼吸不全における2, 3-DPGの変動をこれに影響する因子であるPaO2, pHとの関連において検討した. 臨床例においてはO2投与, pH異常に対する代償の程度などの因子も加わり変動の解釈は複雑となることを指摘した.
  • 引地 功侃
    1982 年28 巻2 号 p. 163-174
    発行日: 1982/06/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症および前立腺癌の患者数は, 我国人口の高齢化にともない増加の傾向にある. 従来, 前立腺肥大症および前立腺癌の手術法には, 観血的手術, 経尿道的電気切除術が行われてきたが, これに加えてわれわれは, 1968年より前立腺凍結術を行ってきた. 1968年より1978年12月までに凍結術を施行した前立腺肥大症172例, 前立腺癌24例に対し, 1979年12月に通信による術後遠隔成績調査を実施した. 調査項目は, 自覚症状にもとずく排尿状態に関する種々の症状を質問し, また凍結術後の排尿困難が再発した場合には, その症状発生の時期と治療法について設問し, さらに現在の健康状態, 凍結術に対する感想も求めた. 調査票の発送は, 死亡者や住所不明などで発送不能例を除外し, 前立腺肥大症124例, 前立腺癌13例に調査票を発送した結果, それぞれ124例中81例 (64%), 13例中8例 (62%) の回答を得た. 遠隔成績調査の結果, 前立腺肥大症例の有効回数は75例であり, その76%が現在排尿状態良好であると回答した. 従って前立腺肥大症の凍結術は, 長期間有効な治療法であることが確信できた. 排尿困難再発症例数は有効回答75例中15例 (20%) 認め, 再凍結術4例を含め9例が前立腺再手術を受けていた. 前立腺癌症例は, 回答が得られた症例のうち生存例は4例で, 夜間頻尿のある1例のほかは, 排尿状態は良好で, 通院中である. 通信による遠隔成績の結果のほかに, 前立腺凍結術症例の年齢, 麻酔法, 凍結時間, 術前および術後の合併症についても検討し, さらに前立腺凍結術の新しい試みについても述べた.
  • 中條 雅生
    1982 年28 巻2 号 p. 175-192
    発行日: 1982/06/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経直腸リニア電子走査用探触子を用いて, 正常例, 前立腺肥大症例, 前立腺癌症例の118症例について前立腺の形態を縦断面から観察・計測し, その形態を4群16型のパターンモデルに分類した. 分類された前立腺縦断面の形態と計測結果を排尿困難との関係について検討し, 以下の結論を得た. 前立腺縦断面の基本形態は, 三角形であり, 腫大が起こると楕円形となり, 円形に近づくとともに膀胱内に突出を起こす. 正常例では, 三角形, 小さな楕円形が多く, 前立腺肥大症例では, 膀胱内突出を伴う大きな楕円形が多い. 前立腺癌症例では, 前立腺肥大症と同様の形態が多くみられた. 前立腺計測の結果, 正常例では上下径と前後径に相関関係がみられた. 前立腺肥大症例では, 上下径, 前後径, 膀胱内突出部の長さの各計測値間に相関関係がみられた. 前立腺癌症例では, 上下径と前後径に相関関係がみられた. 正常例では, 残尿が認められず, 排尿困難は生じていないことが示された. 前立腺肥大症例では, 前立腺縦断面形態において楕円形がより大きくなり, 円形に近づき膀胱内に突出を起こす形態となると残尿量が顕著な増加を示し, 排尿困難が高度化することが明かとなった. 前立腺癌症例では, 前立腺縦断面形態と残尿量は相関せず, 排尿困難は他の要因に帰せられることが判明した.
  • 安部 国雄
    1982 年28 巻2 号 p. 193-197
    発行日: 1982/06/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    アタヤル (男57人, 女59人), サイシャト (男53人, 女47人), ツオウ (男7人, 女10人), ブヌン (男40人, 女32人), パイワン (男54人, 女60人), ルカイ (男39人, 女47人), アミ (男25人, 女40人), ヤミ (男76人, 女63人), サオ (男20人, 女26人) の頭長, 頭幅, 顔幅, 顔高の4変量を用いて性別, 部族別に主成分分析を行ない, これらの台湾の原住民10部族は形質的には次の4群に分類しうることを示した. 第1群: ヤミ・アタヤル 第2群: サイシャト 第3群: パイワン・ルカイ 第4群: A-ブヌン・ツオウB-アミ・サオ・プユマ なお第2群と第4群の亜群Bのグループは台湾の平埔族あるいは漢族との混血の程度の比較的に濃い部族と考えられ, これらとの比較検討が望まれる.
抄録
てがみ
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編集後記
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