日本調理科学会誌
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57 巻, 4 号
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総説
報文
  • 阿部 雅子, 富澤 歩美, 長井 祐子, 高梨 美穂, 松岡 寛樹, 小澤 好夫, 綾部 園子
    原稿種別: 報文
    2024 年57 巻4 号 p. 208-217
    発行日: 2024/08/05
    公開日: 2024/08/08
    ジャーナル フリー

     カリンエキスゼリーは赤色に着色する特徴がある。そこで,カリン抽出液に9種の糖質系甘味料を添加したゼリーについて,色(L*,a*,b*値,可視吸収)を測定した。そのうち,上白糖,フルクトース,イソマルツロース,スクロースおよびフラクトオリゴ糖を添加したエキスゼリーは赤みを示すa*値が高く,500 nm付近に極大吸収を示した。a*値が高いゼリーは甘味料の分子構造にフルクトースを含むことが共通していた。加熱中の糖含有量を経時的に測定した結果,スクロースとフラクトオリゴ糖添加ゼリーではフルクトースの増加が確認された。官能評価では,フルクトースおよびスクロースを添加したエキスゼリーが,赤みと総合的評価が有意に高かった。カリンエキスゼリーの赤色着色は,甘味料としてフルクトースまたはフルクトースを含む糖との加熱により形成されることが示唆された。

資料
  • 鈴木 布由実, 児玉 ひろみ, 小川 聖子, 細山田 洋子, 村上 匡, 奥嶋 佐知子, 松田 康子, 豊満 美峰子
    原稿種別: 資料
    2024 年57 巻4 号 p. 218-230
    発行日: 2024/08/05
    公開日: 2024/08/08
    ジャーナル フリー

     管理栄養士・栄養士養成課程中心の4年制大学および短期大学の入学者を対象に,調理用語の認知度の現状と,教育効果を検討するための質問紙調査を行った。

     調理教育前の結果から「炒める」「焼く」など日常的に使用する調理用語の認知度は高く,「石づきを取る」「ゆでこぼす」など食材の下処理にあたる用語や「色煮」「ねじり梅」など使用頻度の低い調理操作の認知度は低かった。

     調理教育前後を比較すると,1年間の調理教育によってほとんどの調理用語の認知度は上昇した。また対象者の自己評価においても技術や知識の定着に高い評価を示していた。

     以上より,調理体験を経ると調理用語が知識として定着し,その認知度は上昇する可能性が示唆された。今後は調理教育の工夫,自宅での調理頻度の向上など知識のさらなる定着のための学習アプローチを検討していく必要がある。

  • 森久 瞳, 木村 留美, 石尾 梨沙, 宇田川 心優, 高木 萌衣, 杉山 寿美
    原稿種別: 資料
    2024 年57 巻4 号 p. 231-240
    発行日: 2024/08/05
    公開日: 2024/08/08
    ジャーナル フリー

     本研究では,飯,汁,菜から構成される我が国の献立構成に着目し,平成期の『栄養と料理』に掲載された夕食献立の献立構成や白飯や味付き飯に組み合わされる料理の特徴等を検討した。

     その結果,平成中期から後期で一汁二菜献立は46.4%から27.0%に減少,三菜献立は34.9%から38.4%に,一汁三菜献立は7.1%から13.4%に増加し,菜が3つの献立が増加した。汁を含む献立は55.4%から45.5%に減少した。また,主食が白飯の献立は83.5%から66.5%に減少し,味付き飯の献立は7.7%から22.2%に増加した。1品目の菜は,平成中期から後期で煮物,焼き物が減少し,炒め物,揚げ物,和え物,サラダが増加した。2・3品目の菜は和え物が増加,サラダが減少した。

     これらの結果から,平成中期から後期において,白飯を中心とした献立から,炒め物,揚げ物等の菜を中心とした献立に変化していることが示された。

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