日本調理科学会誌
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58 巻, 2 号
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2024年度日本調理科学会学会賞受賞記念論文
2024度日本調理科学会奨励賞受賞記念論文
報文
  • 野田 智章, 吉永 奈津希, 菊池 亮子, 古賀 貴子, 藤井 俊輔
    原稿種別: 報文
    2025 年58 巻2 号 p. 77-83
    発行日: 2025/04/05
    公開日: 2025/04/09
    ジャーナル 認証あり

     植物プロテアーゼを含むとされる9種の食品(いちじく,なし,パインアップル,キウイフルーツ,メロン,だいこん,しょうが,たまねぎ,まいたけ)の食肉の軟化作用について測定条件を統一し,牛もも肉の軟化作用に関する包括的な比較検討を行った。4℃においてカゼインに対する植物プロテアーゼ活性を比較した結果,いちじく,パインアップル,キウイフルーツ,しょうが,まいたけが高い活性を示した。また,SDS-PAGEによって,いちじく,パインアップル,しょうが浸漬液がミオシン重鎖とアクチンを分解することを確認した。しかし,硬さの測定では,いちじく浸漬液で処理した牛もも肉は軟化傾向が確認されなかった。さらに,タンパク質の分解に伴う苦味ペプチドの影響を調べるために味分析を行った。その結果,いちじく,パインアップル,キウイフルーツにおいて苦味先味の増加は認められなかった。したがって,4℃において食肉の軟化作用が期待される食品として,パインアップルを見出した。

ノート
  • 松浦 朋子, 柴田 圭子, 西村 敏英
    原稿種別: ノート
    2025 年58 巻2 号 p. 84-93
    発行日: 2025/04/05
    公開日: 2025/04/09
    ジャーナル 認証あり

     本研究ではオーブンまたは電子レンジで加熱した材料配合の異なるスポンジケーキの香気特性を調べた。実験には薄力小麦粉と砂糖を各々全質量の30%に固定し,卵40%〈S配合〉のオーブン焼成(OS),同配合の電子レンジ加熱(MS),卵20%,水12.5%,植物油7.5%〈B配合〉の電子レンジ加熱(MB)および同配合のオーブン焼成(OB)の4種類の区分を設定した。MBはOSに比べて鼻先香で「甘い匂い」と「焙焼香」が弱いと評価された。B配合試料(OBとMB)はS配合試料(OSとMS)に比べ鼻先香で「グリーン様の匂い」が,口中香で「生地様の匂い」と「油脂様の匂い」が強い傾向があった。HS-SPME-GC-MS分析において,ストレッカーアルデヒドとピラジン類のピーク面積はOSがOBより高値を示し,これらは電子レンジ試料(MS・MB)からは検出されなかった。B配合試料では,2-pentylfuranとdodecaneのピーク面積がS配合試料より高い傾向が示された。

資料
  • 持丸 由香, 筒井 和美, 西田 淑男, 舟橋 由美, 宮澤 洋子, 山本 淳子
    原稿種別: 資料
    2025 年58 巻2 号 p. 94-102
    発行日: 2025/04/05
    公開日: 2025/04/09
    ジャーナル 認証あり

     2022~2024年度特別研究「多様な調理法と家庭料理の伝承」の一部として,家庭料理の現状を把握し,家庭料理の伝承のための方策を検討することを目的とした。本報告では,愛知県と愛知県以外の東海北陸他6県(富山県・石川県・福井県・長野県・岐阜県・三重県),愛知県において居住形態が自宅と自宅外について比較した。

     調査期間は,2022年10月1日~2023年2月28日,調査項目は,基本属性,調理機器・器具の使用状況,複合調味料,家庭料理とした。分析対象は東海北陸の大学及び短期大学の学生1,417名であった。

     地域別の比較において,愛知県の現住居で使用していると回答した割合が高値であったものは,電子レンジ,フライパン,炊飯器,ピーラーであった。他6県に対して有意に高値であったものは,ガスコンロ,土鍋,味噌こし等であった。居住形態別では,フライパンとキッチンばさみ以外で有意な差が認められた。IHコンロと電気ケトルにおいては,自宅外の方が高値であった。

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