音声言語医学
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35 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • ―単音節聴取弁別能力の経時的変化からの検討―
    濱田 豊彦
    1994 年 35 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1994/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    装用児自身による補聴器の音響利得の設定が何歳頃から可能なのかという点を, 21例の難聴児を対象にAided Hearing Thresholdと単音節聴取弁別能力との縦断的変化の特徴を検討することにより考察した.その結果, 単音節の聴取弁別能力が発達したのは4歳~7歳で, その期間に難聴児自身に音響利得の設定をさせたところ, 聴取弁別能力の発達に伴って補聴器の音響利得を増幅させる傾向がみられた.逆に, 聴取弁別検査で無作為反応をしている難聴児の中には就学期以降の年齢でも十分な音響利得を得られない状態でボリューム設定している者がいた.これらの違いは, 補聴器を介して得られる聴覚的情報を難聴児自身が有用なものとして捕らえられているか否の違いであると考察した.
    以上のことから, 難聴児自身に補聴器の音響利得を選択させるには, 聞くことに対するモチベーションの獲得が前提条件となり, 4歳頃から可能であると考えられた.
  • ―痴呆の原因疾患との関係―
    福迫 陽子, 綿森 淑子, 物井 寿子, 笹沼 澄子
    1994 年 35 巻 1 号 p. 8-18
    発行日: 1994/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    原因疾患の異なる2種の痴呆―アルツハイマー型痴呆 (DAT) と脳血管性痴呆 (VaD) ―における高次脳機能障害の特徴を失語症患者の成績との比較を通して明らかにすることを目的に, 見当識, 記憶, 言語, 視空間認知・構成面の20の検査から構成される高次脳機能検査 (老研版) を実施した.対象は失語症群93例, DAT群52例, VaD群39例である.痴呆各群と比べた場合の失語症群の特徴は言語面の低下および視空間認知・構成面の保存という点で共通していた.しかし, 見当識, および記憶面に関しては, 失語症群はDATとVaDとの比較の問でやや異なる結果を示した.すなわち, 見当識の得点はDATより高かったが, VaDとの間には有意差はなく, 記憶面の遅延後の情報保持量に関しては失語症群が最も高く健常者と遜色のない成績であったのに対して, VaD, DATの順に低下した.失語症とVaDとの鑑別という観点を主に考察を加えた.
  • 小山 正
    1994 年 35 巻 1 号 p. 19-28
    発行日: 1994/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    精神発達遅滞児に対する言語獲得を目的とした早期言語指導における療育的手段として, 象徴遊びの適用をめぐっては, 多面的な資料が必要な段階である.
    著者は, 象徴遊び, 言語が未出現である境界線から中度の精神発達遅滞児11例に対し, 子どもが興味を持ち, 象徴遊びを展開できる場を2週間に1回の個別指導の中で設定してきた.本稿では, そのような情況設定の中で対象児の行動発達における変化を検討した.
    平均8.5ヵ月の指導の結果, 全例に要求行動, 発声行動, 共同注意の発達がみられ, 9例に1語発話が出現し, そのうち5例に1語発話増大が認められた.言語未獲得であった2例においても対物行動では進展がみられるなど, 本研究での個別指導の中で設定した象徴遊びを子どもが発展できる場は意義があると考えられた.これらの結果を踏まえ, 本稿では象徴遊びを彼らの早期言語指導に組み込むうえでの今後の研究的課題について言及した.
  • ―単音節発語明瞭度および患者の自覚的了解度との比較―
    今井 智子, 山下 夕香里, 大野 康亮, 鈴木 規子, 道 健一
    1994 年 35 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 1994/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    口腔癌術後患者の会話能力の評価方法を検討するために, 患者15例に対して100音節発語明瞭度および会話明瞭度検査を行い, それぞれについて口腔外科医 (医局員) , 言語治療士 (ST) , 歯学部学生 (一般成人) を聴取者として比較検討した.また, 同時に患者の自覚的了解度について調査を行った.その結果は以下の通りである.
    1.聴取者別発語明瞭度の平均正答率はSTが最高で, 医局員, 一般成人の順であった.
    2.聴取者別会話明瞭度の平均は一般成人よりも医局員およびSTが良好であった.
    3.会話明瞭度の判定では一般成人および中重度群の医局員で検者間の差が認められた.
    4.発語明瞭度と会話明瞭度との関連ではSTにおいて最も相関が高かった.
    5.会話明瞭度と患者の自覚的了解度の関連ではSTで一致率が高く, 一般成人では低い値を示した.
  • 平野 実
    1994 年 35 巻 1 号 p. 43-45
    発行日: 1994/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 35 巻 1 号 p. 46-106
    発行日: 1994/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 35 巻 1 号 p. 107-149
    発行日: 1994/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
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