音声言語医学
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52 巻 , 2 号
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総説
  • 高嶋 幸男, 松藤 まゆみ, 高嶋 美和, 大矢 崇志, 岩田 嘔介
    52 巻 (2011) 2 号 p. 125-131
    公開日: 2011/04/28
    ジャーナル フリー
    シルビウス裂周囲の大脳皮質に異常をきたす脳発達障害について, 神経病理学的面から述べ, 先天性および後天性疾患に見られる可塑性について考察した. 先天性の大脳皮質形成異常では, 頭部画像で早期診断され, 遺伝子変異が見出されるが, 病巣の局在と神経ネットワークの再構築によって, 言語機能への影響は変わり多彩である. 脳機能画像でも, 神経細胞レベルでも, 脳障害に対する代償機能や可塑性が見出され, 療育やリハビリテーションへの活用法の進歩が期待される. ダウン症候群脳の発達と加齢の観察から, 発達遅滞や早発認知症が見られるものの, 脳には長期にわたる代償や可塑性が見られ, 継続的介入が大切であると考えられる.
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  • 佐藤 公則, 梅野 博仁, 千年 俊一, 中島 格
    52 巻 (2011) 2 号 p. 132-140
    公開日: 2011/04/28
    ジャーナル フリー
    正常成人では睡眠中の嚥下の頻度は減少していた.その頻度は睡眠stageに関係しており,睡眠が深くなるに従い嚥下の頻度が低くなっていた.また長時間嚥下が行われていなかった.このことから睡眠中は咽頭食道のクリアランスが低下していることが示唆された.しかし,若年成人では嚥下後吸気で再開する頻度は低く,このことは気道防御に有利であると考えられた.
    閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者でも睡眠中の嚥下の頻度は減少していたが,88%の嚥下はrespiratory electroencephalographic arousalとともに起こることが特徴であった.70%の嚥下は嚥下後,呼吸は吸気で再開しており嚥下に関連した呼吸のパターンは特異的であった.
    CPAP療法は睡眠時の無呼吸・低呼吸と睡眠構築を改善させるだけではなく,睡眠中の嚥下と嚥下に関連した呼吸動態も改善させていた.
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原著
  • 岩城 忍, 田邉 牧人, 飯田 佳実, 前川 圭子, 城本 修
    52 巻 (2011) 2 号 p. 141-148
    公開日: 2011/04/28
    ジャーナル フリー
    声帯ポリープ症例に対する音声治療の有効性を検討したので報告する. 対象は音声治療前後の喉頭所見を評価できた20例. うち18例は慢性の音声酷使があった. 音声治療前後で聴覚印象はG, Rで有意に改善し, 自覚症状は90%が改善した. また, 声帯ポリープの変化は5例が消失, 6例が縮小, 9例が不変であった. 音声治療により声帯ポリープが消失・縮小しやすいのは聴覚印象スコアの低い症例であり, 浮腫が主体で基部や周辺に粘膜波動を認める症例もその傾向にあった. 声帯ポリープ発症の背景に慢性の音声酷使があり, 聴覚印象で嗄声の軽度な症例, 浮腫主体のポリープである症例に対しては, 手術治療に先行して音声治療を試みてもよいのではないかと考えられた.
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  • 兒玉 成博, 讃岐 徹治, 東家 完, 湯本 英二
    52 巻 (2011) 2 号 p. 149-157
    公開日: 2011/04/28
    ジャーナル フリー
    片側声帯麻痺の嗄声に対する治療として, 披裂軟骨内転術 (以下, 内転術) はよく知られた術式であり, 一般的に他の術式と併用して行われることが多い. これまで併用術式の術後発声機能を経時的に検討した報告はない. 今回, 内転術を単独で行った症例 (内転群) , 内転術に甲状軟骨形成術I型 (以下, I型) を加えた症例 (内転+I型群) , 内転術に頸神経ワナ-反回神経吻合術 (以下, Ansa吻合術) を加えた症例 (内転+Ansa吻合群) について治療前後の発声機能を, 空気力学的検査, 音響分析, 声域を用いて検討した. 内転+I型群, 内転+Ansa吻合群でMPT, MFR, Jitter, HNRが正常域まで改善した. 内転+Ansa吻合群では, 術後1ヵ月以降持続的に有意な改善を認め, 術後12ヵ月で他の2群と比較し有意に声域が拡大していた. 症例に応じて内転術に加え, I型やAnsa吻合術を併用することで良好な音声が得られ, 特にAnsa吻合術を併用することで, 他の2群と比較して声域が広がり, より一層正常な音声に近づけることができると考えた.
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  • 鈴木 雪恵, 佐場野 優一, 山田 奈保子, 馬場 陽子, 松井 隆道, 鈴木 輝久, 小川 洋, 大森 孝一
    52 巻 (2011) 2 号 p. 158-164
    公開日: 2011/04/28
    ジャーナル フリー
    2006年4月~2008年4月の間に3歳児健診で耳鼻咽喉科精密検査を勧められ, 福島県総合療育センターを受診した65例に対し, 聴覚障害, 構音障害, 発達障害, 知的障害の有無を精査した. この精査により, 新たに診断がついた症例は聴覚障害5例, 機能性構音障害11例, 自閉症5例, HFPDD 2例, MR 4例であった. さらにこれらの症例の経過を調査した.
    中等度伝音難聴の1例は補聴器装用, 聴能訓練の開始で, 順調な言語発達を認めた. 片側感音難聴の1例は良聴耳の聴力悪化を認め, 補聴器試聴を開始した. 聴覚障害のうち3例は滲出性中耳炎を認め, 滲出性中耳炎の加療にて, 言語発達・構音障害が改善した. 機能性構音障害は4歳半の時点で1例が自然改善し, 4例に構音訓練が開始されたが, 6例は再診しなかった. 発達障害, MRの症例は療育指導の開始, 幼稚園へ指導, 児童デイサービス実施施設への紹介で, ほとんどの症例でIQの上昇を認めた.
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  • 井村 純子, 春原 則子, 宇野 彰, 金子 真人, Wydell Taeko N., 粟屋 徳子, 後藤 多可志, 狐塚 順子, 新家 尚 ...
    52 巻 (2011) 2 号 p. 165-172
    公開日: 2011/04/28
    ジャーナル フリー
    典型発達児と発達性読み書き障害 (DD) 児における漢字書字の特徴の相違を明らかにするため, 「小学生の読み書きスクリーニング検査 (STRAW) 」を用いて, 通常学級在籍の典型発達児708名とDD児21名の漢字単語書取の反応を比較, 検討した. DD児21名全員に音韻情報処理過程と視覚情報処理過程双方の障害を認めた. 漢字書字においてDD群は典型発達群に比べ無反応が多く, また形態的に似ていない非実在文字を書く傾向があった. さらに漢字の構成要素間の間隔が広いという特徴や, 文字が傾く特徴が認められた. DD群の漢字書字には視覚的な情報処理機能の低下が影響している可能性が示唆された. 典型発達群では正答率と音声提示による親密度との間に有意に高い相関を認めた一方, DD群では正答率と音声提示による単語心像性および画数との間に有意に高い相関を認めた. これらの知見は, DD児の漢字書字指導において考慮されるべきであると考えられた.
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  • 後藤 多可志, 宇野 彰, 春原 則子, 金子 真人, 粟屋 徳子, 狐塚 順子, 柴田 圭介
    52 巻 (2011) 2 号 p. 173-182
    公開日: 2011/04/28
    ジャーナル フリー
    本研究では, 日本語話者の発達性読み書き障害児に音読課題を実施し, 有色透明フィルムの色の要因が音読速度に与える影響を検討した. 対象は発達性読み書き障害児21名と典型発達児18名である. 刺激はひらがなの単語と非語, カタカナの単語と非語および文章である. 音読課題はフィルム不使用条件, 無色透明フィルム使用条件および有色透明フィルム使用条件の3条件で実施し, 音読所要時間を計測した. 本研究では, 照度, 対象児と刺激間の距離, 刺激の単語属性, 教示方法, 順序効果およびプラシーボ効果に関して実験条件を統制した. その結果, 発達性読み書き障害児群と典型発達児群の音読所要時間は, 5種類の音読課題のいずれにおいても, 3条件間で有意差は認められなかった. 有色透明フィルム使用による紙面の色の変化は, 音読速度に影響を与えないのではないかと考えられた.
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  • 森実 加奈, 佐藤 公美, 三根生 茜, 合田 侑以, 長嶋 比奈美, 宇高 二良, 武田 憲昭
    52 巻 (2011) 2 号 p. 183-188
    公開日: 2011/04/28
    ジャーナル フリー
    就学時健診の231児に対して, 耳鼻咽喉科医による「学校保健での音声言語障害の検診法」を用いた言語障害の検診, 言語聴覚士による事前の言語スクリーニングおよび言語障害と診断された児の言語の精密検査を実施した. 医師による言語障害の検診にて言語異常の所見ありと診断されたのは, 31児であった. 一方, 言語聴覚士による事前の言語スクリーニングにて言語異常の所見ありと評価された児は47名であり, 異常の所見なしと評価された児のなかで, 医師が検診で言語障害と診断した児はなかった. 精密検査を実施した14児のうち, 異常なしと診断されたのは1児のみであり, 他の13児は言語訓練が必要であった. 健診で医師が「学校保健での音声言語障害の検診法」を活用するためには, 言語聴覚士による事前の言語スクリーニングが有用であり, 言語障害の検診を適切に実施すれば, それまでに診断されていなかった言語障害児を発見して言語訓練の機会を与えることができると考えられた.
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短報
  • 塩見 将志, 安田 誠史
    52 巻 (2011) 2 号 p. 189-191
    公開日: 2011/04/28
    ジャーナル フリー
    幼児期吃音児へのアプローチは親子関係への介入が重要といわれてきた. 親子関係への介入を含んだアプローチには環境調整法があるが, 環境調整法の適応は確立されていない. 本論文では, 環境調整法を実施した吃音児10名について, 治療実施前に評価した心理的不安, 親から見た本人の性格, 言語・養育環境, 親子関係をスコア化し, 吃音の進展を促す可能性が高い群と低い群との治癒率の差に注目して, 環境調整法の適応を検討した. 解析結果から, 吃音児の特性と環境に吃音を進展させる多くの問題が認められる症例で, 環境調整法によって治癒率が高まることが示唆された. しかし, 吃音児の特性と環境が吃音の進展に大きな影響を与えていない症例には, 環境調整法では対応が困難と考えられた.
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