音声言語医学
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53 巻 , 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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総説
  • 清水 充子
    53 巻 (2012) 2 号 p. 115-121
    公開日: 2012/06/11
    ジャーナル フリー
    言語聴覚士が携わる脳血管障害による嚥下障害の臨床は, 急性期, 回復期, 維持期と幅が広い. 適切な評価に基づいた機能維持・向上訓練を, 安全性に配慮しつつ患者本人と家族や介護者のQOLを尊重し, 他職種との連携のうえに進めることが肝要である.
    急性期は, 発症後に起こりやすい誤嚥性肺炎の予防につなげるばかりでなく, 早期に意識レベルの向上を図り患者の心理的サポートをしながらリハ意欲を向上させる役割も果たしている.
    続く回復期は大きな回復を狙う重要な時期であるが, 最近は急性期を脱したばかりで覚醒状態に変動がある場合もまれではなく, 症状の変動に注意しながら訓練を導入する必要がある.
    維持期は, より良い状態のより長い継続をサポートする役割がある. 介護領域でも口腔機能の向上や栄養改善へのアプローチが重要視され, 各職種の連携に期待がかかっている.
    回復期の対応の一例として, 脳幹梗塞による摂食・嚥下障害例へのアプローチを紹介する.
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  • 斉田 晴仁
    53 巻 (2012) 2 号 p. 122-128
    公開日: 2012/06/11
    ジャーナル フリー
    音声障害の発症には発声の仕方が関与することはよく知られているが, 客観的に発声状態や発声法を定義する方法はまだない. 私はボイストレーナーや声楽指導者が従来行っている主観的で経験的な発声状態の評価法を参考に, 発声のメカニズムを考えながら客観的に評価可能な2種類のボイスマップを考案した. 第一は横軸に声の高さ, 縦軸に発声機能検査装置から測定した呼気流率を示したボイスマップE-Lである. このマップ内には, 4つの声帯振動パターンも表示することが可能である. 2番目は, 横軸に声道の形態, 縦軸にEGGも参考にした声門閉鎖性をとったボイスマップL-Vである. これらのボイスマップは, 呼気調節, 喉頭調節, 声道調節に分けて発声法を分析検討し, 視覚的に指導することが可能で, ボイストレーニングのみでなく音声治療でも応用可能である.
    歌手の声帯ポリープや声帯結節の手術的治療法は通常全身麻酔下でのマイクロラリンゴサージェリーである. 最近, 局所麻酔下での日帰り喉頭手術が行われているが, 比較的大きな先端を持つ喉頭鉗子で行われるので精密な切除は難しい. 私は, 処置用ファイバースコープで応用可能な声帯メスを施策し応用している. 病変の摘出前に病変の声門上側と声門下側に開発したメスで切開線を入れるため正確な切除が可能となり, 歌手の声帯手術に応用している.
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  • 佐藤 公則
    53 巻 (2012) 2 号 p. 129-137
    公開日: 2012/06/11
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉科・頭頸部外科医はその専門性を生かして嚥下障害の診療に取り組むべきである. また耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療所も地域医療においてどのように嚥下障害の診療にかかわっていくのか, どのような役割が担えるのかを考えるべきである.
    地域医療のなかで, 他院あるいは他診療科と連携して嚥下障害患者にアプローチすることも試みの一つである. まず自院のマンパワーと医療器械で行える範囲の診療を行ってみる. 嚥下障害の診療にかかわっている医療関係者と連携に努める. 他院の耳鼻咽喉科, 関連診療科との連携に努めるなど, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門性を生かしながら地域医療の連携の輪に積極的に参加する必要がある.
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  • 内藤 泰
    53 巻 (2012) 2 号 p. 138-143
    公開日: 2012/06/11
    ジャーナル フリー
    補聴(補聴器あるいは人工内耳)を介して符号化された聴覚信号は情報量が少なく,非生理的であり,その認知のために感音難聴者の高次脳機能には再編成が生じる.特に聴覚単独での正確な認知が困難な状況では視覚情報処理の介入が生じ,複数の感覚が統合されて聴覚情報処理を補うようになる.逆に高次脳機能が補聴に影響を及ぼす場合もあり,本稿では脳の外傷や先天性サイトメガロウイルス感染による高次脳機能障害が人工内耳の効果を妨げる例についても述べた.難聴や補聴と高次脳機能の関係を知ることは,その後の診療方針やコミュニケーションモードの選択に重要である.
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原著
  • 安宅 涼香, 伊藤 友彦
    53 巻 (2012) 2 号 p. 144-147
    公開日: 2012/06/11
    ジャーナル フリー
    言語障害児の指導のためには基盤となる健常児の言語獲得の知見が不可欠である.日本語の主格は機能範疇T(時制辞)によって認可されるという仮説がある.この仮説は時制辞の発現の前に格助詞「が」が現れることはないと予測する.しかしこれを支持する実証的データはほとんどなく,また,日本語において何をもって時制辞の発現とみなすかについても一致した見解が得られていない.そのため時制辞の発現と格助詞の出現との関係は十分に明らかになっていない.そこで本研究では過去形(タ形)と非過去形(ル形)の両者と,格助詞「が」の出現に視点を当て,1,2歳の健常幼児7名の縦断的な発話データを分析した.その結果,7名とも動詞のル形とタ形の後に格助詞「が」が出現した.この結果について,ル形とタ形が出揃うことが日本語の時制辞の発現と関係しており,そのため上記の仮説が予測するとおり,時制辞が発現した後に格助詞「が」が出現すると考察した.
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  • 小山 正
    53 巻 (2012) 2 号 p. 148-152
    公開日: 2012/06/11
    ジャーナル フリー
    本稿では,ダウン症児の日常生活における初期の空間語彙の理解と動詞理解との関連性を明らかにすることを目的として,家庭における理解語記録シート(母親記入)の資料を基に検討した.その結果,「もらう」「あげる」「行く」「食べる」「もって来る」「もって行く」等の動詞の理解があって空間語彙の理解が見られ始めた.空間語彙については,2歳5ヵ月10日から2歳11ヵ月27日の期間に「~の中に」「ここ」「~の上に」「あそこ」の順に理解された.「~の下に」はやや遅れ,3歳3ヵ月6日に理解が見られ,並行して「立つ」「ふく」「片づける」「消す」「閉める」の動詞が理解され始めていた.以上の結果から本稿で対象としたダウン症の事例においては,初期の空間語彙の理解が動詞理解と並行し,自らが行為することや移動・運動の過程で空間語彙の理解が進展していると考えられた.
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  • 長西 秀樹, 森 有子, 木村 美和子, 中川 秀樹, 田村 悦代, 新美 成二, 福田 宏之
    53 巻 (2012) 2 号 p. 153-157
    公開日: 2012/06/11
    ジャーナル フリー
    職業歌手にみられる急性炎症による音声障害へ対処する場合には,職業上の要請が強いため,通常の診察・治療に加えて,歌手特有の特殊性を考慮する必要がある.しかし,診療の進め方に特別なことがあるわけではなく問診に始まり声の評価,発声器官の所見に基づく治療を行う.声帯の状態を正確に把握することが重要であり,その評価のためには喉頭ストロボスコピーが有用である.当センターでは,薬物治療,外来でのネブライザー療法,音声治療を中心に治療方針を決定し,声帯の浮腫の状態に応じて,ステロイド投与の適応,その投与方法を決定している.東京ボイスセンターを2010年1年間に受診した急性炎症による音声障害症例は176名で,そのうち職業歌手は56名(31.8%)であった.職業歌手に対する急性期のステロイド投与方法としては,ステロイド吸入のみで対応した症例が最も多く,次いでステロイド点滴,ステロイド内服の順であった.
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症例
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