音声言語医学
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57 巻 , 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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総説
  • 金子 真美, 平野 滋
    57 巻 (2016) 2 号 p. 193-200
    公開日: 2016/05/20
    ジャーナル フリー
    声帯手術後の創傷治癒の過程にvoice restは必須とされ経験的に7日間とされているが,文献によりその期間や制限項目は一定しておらず,音声治療手技も確立されていない.整形外科領域では術後早期からの機械的刺激が望ましい創傷治癒をもたらすと考えられている.近年,喉頭領域においても創傷治癒に何らかの機械的刺激が影響し,声帯の創傷治癒過程を促す動物実験が報告され,in vitro実験では声帯線維芽細胞への機械的刺激により細胞外マトリックス構成タンパク等の遺伝子産物が有意に増加することが示された.このように声帯の創傷治癒過程における機械的刺激(音声負荷)の重要性が示されつつあるが,どのような刺激や量で変化するか十分に解明されていない.これはvoice rest期間とも同期することであり,創傷治癒のメカニズムに即した,さらなる基礎研究およびその研究結果を踏まえた臨床研究の必要性が考えられる.
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原著
  • 藤本 憲正, 中村 光, 福永 真哉, 京林 由季子
    57 巻 (2016) 2 号 p. 201-207
    公開日: 2016/05/20
    ジャーナル フリー
    比喩文の理解課題を作成し,健常高齢者(統制群),コミュニケーション障害を認めない右半球損傷者(右なし群),それを認める右半球損傷者(右あり群),左半球損傷の失語症者(失語群),それぞれ15名に実施した.比喩文は一般的になじみの低い直喩文30題とし(例:道は,血管のようだ),検者がそれを読み上げた後,その意味に最も合う文を4つの選択肢から選ぶよう求めた.さらに同じ比喩の口頭説明課題とトークンテスト(TT)を実施した.結果は,統制群と比較し,右なし群では比喩理解課題,TTともに同等の得点であり,右あり群では特に比喩理解課題で有意な低下を示し,失語群では比喩理解課題,TTともに有意な低下を示した.比喩理解課題と比喩説明課題の得点には有意な相関関係が認められた.右半球損傷における比喩理解障害を議論する際は,コミュニケーション障害の有無を考慮する必要があると考えた.
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  • 猪俣 朋恵, 宇野 彰, 酒井 厚, 春原 則子
    57 巻 (2016) 2 号 p. 208-216
    公開日: 2016/05/20
    ジャーナル フリー
    年長児の読み書き習得に関わる認知能力と家庭内の読み書きに関連した環境要因を検討した.年長児243名に対し,ひらがな1から3文字の音読と書取,音韻認識課題(単語逆唱,非語復唱),RAN課題,図形の模写と記憶課題,語彙課題を実施した.保護者には,家庭内で子どもが読書活動に従事する頻度,および家庭内で子どもに文字の読み書きを教える頻度について聴取した.重回帰分析の結果,RAN,単語逆唱,非語復唱の成績は音読成績を有意に予測したものの,環境要因に関する尺度は,音読成績に有意な貢献を示さなかった.書取については,RAN,単語逆唱,非語復唱,図形模写の成績,および家庭での書き指導頻度が有意な予測変数であった.年長児におけるひらがなの読み書き習得には,これまでに報告されている認知能力の貢献度が高い一方,書字の習得においては,家庭での文字指導頻度も関与している可能性が示唆された.
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  • 灰谷 知純, 熊野 宏昭
    57 巻 (2016) 2 号 p. 217-226
    公開日: 2016/05/20
    ジャーナル フリー
    近年,吃音児は注意機能の脆弱性を抱えうることが示されているが,青年期以降の吃音者を対象として網羅的な注意機能の検討,および注意機能と吃症状との関連の検討を行った研究は見られない.本研究は,青年期以降の吃音者20名,非吃音者 18名を分析対象とし,青年期以降の吃音者においても注意機能の脆弱性が認められるのかどうか,吃音者群内において注意機能と吃症状はどのように関連するのかを検討することを目的として行われた.その結果,吃音群と統制群で注意機能に関して統計的に有意な差は認められなかったものの,実験課題に対する反応が速く,エラーが多いものほど吃音の重症度が高いことが示され,発話に限定されない,より広範な文脈での注意の使い方が吃音の重症度に影響を与えている可能性が示唆された.青年期以降の吃音臨床において,注意機能に対する介入方略が有用である可能性について議論した.
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  • 山内 彰人, 今川 博, 榊原 健一, 横西 久幸, 大塚 満美子, 後藤 多嘉緒, 二藤 隆春, 田山 二朗
    57 巻 (2016) 2 号 p. 227-237
    公開日: 2016/05/20
    ジャーナル フリー
    筋電図検査の際には目的とする筋以外の筋活動が混合し,検査の信頼性を低下させて定量解析を妨げる場合がある.本研究では,多変量解析の一手法である独立成分分析(ICA)を内・外喉頭筋の筋電図検査に応用し,筋電図信号から混合成分を除去して,分離波形の抽出と信号の精度改善が可能であるか検証した.
     被験者の健常男性(37歳)に対して経皮的に輪状甲状筋(CT),胸骨舌骨筋(SH),混合信号としての両者の中間点(CT+SH)へ有鈎双極電極を刺入し,複数の検査課題(裏声/i/,グリッサンド/i/,下顎の上下運動,頭部前屈,裏声発声/aiai/,裏声の構えによる呼気)を行って筋電図信号を記録した.そして,CTとCT+SHの観測信号にICAを行い,CTとSHの分離波形を取得して分離波形SHと観測信号SHを比較した.
     ICAにより分離信号SHは観測信号CT+SHと比較して69.5%の精度の改善を認めた.分離信号CT・SHは,文献的なCTとSHの活動様式とおおむね一致し,分離波形SHと観測信号SHの間に高い相同性(寄与率65.1%)を認めた.
     ICAによって内・外喉頭筋の筋電図の混合除去による信号精度の改善が可能で,筋電図検査の質的向上に寄与しうることを実証した.
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  • 谷 尚樹, 後藤 多可志, 宇野 彰, 内山 俊朗, 山中 敏正
    57 巻 (2016) 2 号 p. 238-245
    公開日: 2016/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究では,発達性ディスレクシア児童23名と典型発達児童36名を対象に,2種類の書体を用いた速読課題を実施し,書体が速読所要時間,誤読数,自己修正数に与える影響を検討した.刺激は,表記(漢字仮名混じりの文章,ひらがなとカタカナで構成された無意味文字列)と書体(丸ゴシック体,明朝体)の2×2の合計4種類である.実験参加者には,4種類の刺激を速読してもらった後,どちらの書体を主観的に読みやすいと感じたか口頭で答えてもらった.その結果,発達性ディスレクシア児童群と典型発達児童群の双方において,書体間の速読所要時間,誤読数,自己修正数に有意差は認められなかった.主観的には,発達性ディスレクシア児童群では丸ゴシック体を読みやすいと感じる児童が多かった.本研究の結果からは,客観的評価と主観的評価は異なり,丸ゴシック体と明朝体の書体の違いによる正確性と流暢性に関する「読みやすさ」の指標は見出せなかった.
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