蛋白分解性を有する
Clostridium botulinum A型,B型,F型より細胞外酵素として産生されるプロティナーゼとエステラーゼを硫安沈殿,DEAE-Sephadexクロマトグラフィー,ゲル〓過で分離した。三者より得たプロティナーゼは,DEAE-Sephadex A-25に非吸着でカゼイン基質に対して至適pH 9を有し,1×10
-3M濃度のDFP,EDTA,cysteineの阻害効果も認められず,alanylglycine, alanylglycylglycine, leucylglycine, leucylglycylglycine,のごときdi-およびtripeptidesに作用し,glycylglycine, glycylglycylglycineには作用しなかつた。このように三者より得たプロティナーゼの作用および性状は同一であつたが,ゲル〓過における分子量は,A型,B型共に約25,000, F型のみ約35,000と推定された。A型,B型,F型より分離したエステラーゼは,DEAE-Sephadexに吸着し,BAEE (α-benzoyl-arginine ethyl ester)基質に対して至適pH 7を示し,Ca
++, Zn
++, K
+,Mg
++イオンで活性化され,Cu
++, cysteine, PCMBによつて40-50%阻害が認められたが,DFP, EDTAによる阻害効果は認められなかつた。分離したエステラーゼは三者とも同一分子量で約67,000と推定され,性状および作用は同一であつた。
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