日本細菌学雑誌
Online ISSN : 1882-4110
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56 巻, 3 号
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  • 赤池 孝章
    2001 年56 巻3 号 p. 503-511
    発行日: 2001/08/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    一酸化窒素 (nitric oxide, NO) は, 循環系・神経系の情報伝達にとどまらず, 感染・炎症・免疫反応のメディエーターとして機能し, さらには免疫反応の調節, アポトーシスの制御, 発癌など幅広い生命現象にかかわっていることが明らかにされつつある。この様な多彩な活性は, NOそのものによる直接的作用のみならず, パーオキシナイトライトなどのNO由来の反応性窒素酸化物により間接的に発現されることもわかってきた。興味あることに, NOは感染症においてほぼ普遍的に産生され, 生体内で抗菌活性を発揮するだけでなく病原体と宿主の相互作用を修飾する重要な役割を演じている。感染防御と病態形成におけるNOの多彩な生物活性の解明は, 21世紀における感染病因論の新たな展開の糸口となるかもしれない。
  • 空胞化毒素 (VacA) と病原性遺伝子群 (cag PAI) について
    和田 昭裕, 平山 壽哉
    2001 年56 巻3 号 p. 513-525
    発行日: 2001/08/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    胃組織に生息するH. pylori の存在が明らかにされてから20年が経過し, H. pylori の生物学的, 医学的知見が集積し, H. pylori が種々の消化器疾患や発癌と関連することが指摘されている。本稿では, 本菌の病原性に関わる空胞化毒素 (VacA) と病原性遺伝子群 (cag Pathogenicity Island; cag PAI) についての最近の知見を概説する。
  • 横田 正春, 岡澤 昭子, 田中 智之
    2001 年56 巻3 号 p. 527-535
    発行日: 2001/08/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    セラチア (Serratia) は腸内細菌科に属するグラム陰性桿菌である。通常土壌中, 水中, 空中に広く存在する常在菌である。ヒトからは敗血症などの原因菌として検出されることがあるが, 多くは Serratia marcescens によるものである。これらヒトへの感染は院内感染に関連した日和見感染症として生じる。院内感染病態は呼吸器系・尿路系感染が主で, その他小児・新生児感染, 創傷感染そして致死率の高い敗血症などがある。感染経路には輸液・輸血器具の汚染, 分娩室汚染, 消毒液, 石けんなどの汚染を含む医療環境の様々な場所・行為からの可能性がある。セラチアの感染予防には, 一般細菌に対するのと同様に, 基本的かつ効果的な消毒行為を遂行し, 加えてセラチアの薬剤耐性チェックなどが大切である。とりわけ院内感染の予防, 感染経路の遮断には院内感染対策委員会の実働が最も重要である。
  • 江崎 孝行
    2001 年56 巻3 号 p. 537-539
    発行日: 2001/08/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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