我々は反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)患者に対して麻酔科による疼痛緩和療法と運動療法を併用した治療を実施し良好な結果を得た一症例を報告した。今回は,同様に治療したRSD患者11例について,運動療法実施前後の運動機能障害および臨床症状の変化を評価し,RSD患者の運動療法について検討した。評価は機能的動作障害,関節可動域制限,疼痛,アロディニア,腫脹,血管運動障害,異栄養症状の7項目とし,Gibbonsらのスコアーを参考に得点化した。
運動療法実施後,機能的動作障害,関節可動域制限および臨床症状は全般的に改善したが,アロディニアと異栄養症状は有意な改善を認めなかった。これらの結果から,RSD患者に対する疼痛緩和療法と運動療法の併用実施は良好な結果が得られるが,長期経過の患者,重度のアロディニア,異栄養症状が今後の課題と考えられた。
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