【目的】理学療法学科2年次評価実習終了時に学生が自由記載した振り返り内容について,施設実習者,学内演習者,途中からの学内演習変更者,各々の特徴を調査すること。【方法】対象は4週間の評価実習に臨んだ学生41名。学内演習構成は,患者協力下でオンライン上での評価と協力者の情報を基にした課題解決型学習を軸に実施した。振り返り内容の“成長した点”“今後の課題”について,計量テキスト分析を用いて特徴を比較した。【結果】“成長した点”では施設実習を経験した群は検査・評価の項目が中心に抽出された一方,学内演習者は医療面接・接遇面の項目が中心に抽出された。“今後の課題”では全群「知識」が中心に抽出されたが,施設実習を経験した群では知識の詳細が抽出された一方,学内演習者は詳細な内容が乏しかった。【結論】学内演習者は医療面接の接遇面に成長を感じられ,知識面を課題と感じているが,詳細な内容が乏しかったことが特徴として明らかになった。
【はじめに】急性自律性感覚性ニューロパチー(acute autonomic sensory neuropathy:以下,AASN)の治療として薬物療法に並んで理学療法が推奨されているが,具体的な運動プログラムは確立されていない。今回,座式上下肢協調運動機器および固有受容性神経筋促通法(proprioceptive neuromuscular facilitation: PNF)を用いた運動療法を行った1例を経験した。【症例】AASNにより重度の自律神経障害および感覚性運動失調を呈した20代前半の女性に対し理学療法介入を行った。結果,感覚障害の改善は見られなかったが,入院から2か月半後に端座位保持は可能となり,4か月で立位保持は軽介助,車いす移乗は軽介助となった。【結論】AASNで感覚性運動失調を呈した患者に対し理学療法介入を行い日常生活動作が改善した。