COPD患者の高次脳機能障害の存在を明らかにし,呼吸機能,運動機能,脳MRIの所見との関係についても検討を行うことを目的とした。また肺気腫の新しい治療法である肺容量減少術(LVRS)後の,呼吸機能の改善にともない高次脳機能障害が改善するか否かを明らかにすることを目的とした。東北大学医学部附属病院リハビリテーション科にて,呼吸リハビリテーションを施行したCOPD患者,及び対照群。COPDの男性入院患者19例,対照群は15例。COPD群と対照群の平均年齢と教育暦には差を認めなかった。COPD群全員に呼吸リハビリテーションを施行した。そのうち5例がLVRSを施行された。評価としては高次脳機能検査がさなれた。COPD患者の高次脳機能障害の存在その特徴および脳MRIとの関連が明らかとなった。また呼吸機能の改善により,特に言語性記憶の改善が有意に認められた。COPD群に認められた高次機能障害は,LVRSにより改善し,また呼吸機能の改善とともに改善するという一部可逆的な障害である可能性が示唆された。
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