メタノール資化性細菌(BNK-84, B-185およびBNS-25株)の生細胞,死細胞および乾燥菌体(SCP)のマウスに対する腹腔内注射による急性毒性を,納豆菌,乳酸菌および緑膿菌と比較して検討した。
メタノール資化性細菌の生菌のLD
50値は,納豆菌とほぼ等しく10
11∼10
12/kgのオーダーであり,緑膿菌の約10
3倍であつた。また,これらメタノール資化性細菌を投与したマウスのいずれの臓器からも,投与した供試細菌は検出されなかつた。死細胞では,メタノール資化性細菌のうち,BNK-84, B-185株および緑膿菌で死亡例がみられ,それらのLD
50値はほぼ等しく,30∼120mg/kgであつた。メタノール資化性細菌BNS-25株および納豆菌では死亡例はみられなかつた。各供試菌の熱乾燥菌体(SCP)の腹腔内投与におけるLD
50値は,約1.6∼2.6g/kgであり,納豆菌および乳酸菌とほぼ等しい値であつた。また,技術的に可能な最大量(20g/kg)を経口投与しても特筆すべき異常はみられなかつた。
これらのことから,これらメタノール資化性細菌は,マウスに対して病原性および感染性はなく,また,熱乾燥菌体(SCP)は,マウスに対して急性毒性は認められないものと思われる。
抄録全体を表示