地質調査研究報告
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55 巻 , 3-4 号
地質調査研究報告
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
論文
  • Shunso Ishihara, 松久 幸敬
    2004 年 55 巻 3-4 号 p. 57-66
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル フリー
    北上山地と阿武隈高地に産出する白亜紀花崗岩類の酸素同位体比(δ18O SMOW)を48個の全岩試料について新たに報告するとともに,既存値10個とあわせて花崗岩類の起源に関する考察を行った. 北上山地の白亜紀前期の花崗岩類は主に磁鉄鉱系に属し,低いSr同位体比初生値(0.70363-0.70463を)持つ.δ18O値はI 帯の花崗岩類で最も低く,この花崗岩類が18O に枯渇したソレアイト系苦鉄質岩類の部分溶融によって発生した可能性を暗示する.II 帯や Va 帯の花崗岩類には高87Sr岩類が認められており,その起源に沈み込む海洋地殻の部分溶融が示唆されている.変質海洋地殻が溶融すれば高いδ18O も期待できるが,II 帯の値は北上山地で平均的なもので特に高くはない.カリウム質の日神子岩体とカルクアルカリ岩系の人首岩体からはやや高い値が得られた.日神子岩体の諸岩石は酸化的でKに富むから,そのような起源物質が上部マントル レベルで必要であり,人首岩体は主にやや還元的なカルクアルカリ岩であるから,その起源物質には大陸地殻下部の若干の堆積岩を含む苦鉄質岩類が考えられる. 阿武隈高地の花崗岩類は主にチタン鉄鉱系に属し,そのSr同位体比初生値は北上山地よりやや高く0.70518前後である.δ18O値は北上山地に於ける値よりも全般的に高く,花崗岩系列の相違と一致し,その起源に大陸地殻の堆積性物質の混在が推察される.被貫入岩類の広域変成度が高い西列の花崗岩類は東列のものよりもやや高いδ18O値を持つ.西列の両雲母花崗岩は最も高いδ18O値を持ち,この花崗岩類の起源に18Oに富む大陸地殻起源の堆積岩類の比率が最も高く,他の石英閃緑岩-花崗閃緑岩類は主に苦鉄質火成岩起源であったことを示している.
  • Tatsuro Matsumoto, Tamio Nishida, Seiichi Toshimitsu
    2004 年 55 巻 3-4 号 p. 67-92
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル フリー
    そえうしない 北海道北西部の添牛内地域の白亜系セノマニアン階下部の主要部には多数のアンモナイトが産出しており,独特のフォーナが認められる.このフォーナに基づき,Stoliczkaia (Lamnayella) japonica 群集帯を認定した.その構成種の中には既に数編の論文に記載された Mariella の特徴種を含んだ諸種があり,また帯の上下限をいくらか越えた生存期間のやや長い既知種も多数含まれる.本帯は既報のセノマニアン最下部のGraysonites wooldridgei 帯の上位にあり,上限はMantelliceras saxbii 帯の直下で,それぞれ放射年代の測定された凝灰岩層で区切られている.本帯の分布範囲の中には幾分沖合相とみなされる部分もあり,構成種群にいくらかの変化がある.国内・海外の異名で呼ばれている帯との対比についても論述した.なお,S. (Lamnayella)の2種と更に若干の種を図示・記載し,その中で新種 Marshallites hayashii を設立した.
  • Yoshito Nakashima, Tetsu Yamaguchi
    2004 年 55 巻 3-4 号 p. 93-103
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル フリー
    等方的で不均一な多孔質媒体の空隙構造パラメータ(屈曲度と空隙率)を3次元マッピングする機能をもつ Mathematica プログラムを作成した.そのプログラム,DMAP.m は,パッケージタイプのプログラムで,Mathematica バージョン4あるいはそれ以降で動作する.DMAP.m は,X線CTや核磁気共鳴イメージングで取得した,多孔質堆積物や岩石等の3次元画像を読み込む.読み込んだ画像はサブシステムに細分化され,各サブシステムの空隙にランダムに散布された非吸着性のランダムウォーカーが酔歩(単純立方格子上の lattice walk)で系外に漏れ出ていくという,いわゆる out-diffusion シミュレーションを行う.系外に漏れたウォーカーの積算値の時間変動データをもちいて屈曲度を計算し,酔歩の出発点をランダムに選ぶ過程で空隙の画素にヒットした確率として空隙率を計算した(モンテカルロ積分).このプログラムのデモンストレーションとして,ランダムパッキングした砂質堆積物のCT画像を用いて,屈曲度と空隙率のサブシステムサイズ依存性を計算した.なお,このプログラムは,http://staff.aist.go.jp/nakashima.yoshito/progeng.htmで無料ダウンロードできる.
講演要旨及びポスター発表概要
  • 地質調査総合センター
    2004 年 55 巻 3-4 号 p. 105-108
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル フリー
    *平成16年4月27日 産業技術総合研究所つくばセンター中央第七事業所 第2会議室において,平成16年度「地質の調査」関連ユニット新人研究者研究発表会として開催
  • 木村 克己
    2004 年 55 巻 3-4 号 p. 109-112
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル フリー
    *平成16年6月23日 産業技術総合研究所つくばセンター中央第七事業所第2会議室において開催2003年には,5月26日宮城県沖の地震,7月26日宮城県北部の地震,そして9月26日十勝沖地震と,2箇月刻みで大きな地震が発生した.いずれの地震でも,液状化・斜面災害・土石流などの地盤災害,家屋の倒壊,橋・道路などの損壊,上・下水道などライフラインの損壊,など広い範囲で被害が発生した.これらの地震発生にあたって,産業技術総合研究所地質調査総合センターでは,研究部門・センターの枠を越えて,緊急調査を実施した.なかでも,宮城県北部の地震被害地域では,地震後すぐの緊急現地調査に加えて,地下構造の探査や液状化の原因調査を目的とした詳細調査も実施した.この研究成果発表会では,宮城県北部の地震被害地域で実施した研究調査の成果全体を総覧して,宮城県北部の地震を引き起こした地震断層の実態,液状化などの地盤災害の原因を検討し,あわせて今後の緊急調査の進め方を議論することを目的とした.                                      (世話人代表 木村克己)
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