地質調査研究報告
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54 巻 , 9-10 号
地質調査研究報告
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
  • 宮崎 一博
    2003 年 54 巻 9-10 号 p. 295-302
    発行日: 2003/12/22
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル フリー
    シームレス20万分の1地質図幅のための変成岩統一凡例の作成を試みた.日本列島に分布する変成岩は島弧海溝系において,変成反応や変形作用のような複雑なプロセスを経て形成されている.結果としてその起源に対応した幅広い多様性を持つ.今回,以下の三つの単純な分類基準で変成岩を分類した.(1)変成条件による区分,(2)変成年代による区分,(3)原岩岩相による区分.分類基準(1)は変成岩形成場についての情報と構成鉱物・岩石組織についての情報を間接的に含んでいる.分類基準(2)は離ればなれに分布する変成岩の形成時期の同時性を示唆する.分類基準(3)は変成岩の化学組成を表し,かつ変成帯の大局的構造の表現するために必要である.上記の分類基準をマトリックス方式で表現した場合,必要な凡例数は50になった.将来,変成岩の原岩岩相を堆積岩・火成岩の岩相として表現し,その上に変成岩としての分類基準(1)と(2) を重ね書きすると.さらに少数の基本的分類基準で変成岩の属性を表現できるようになる.
  • Atsuyuki Ohta, Shigeru Terashima, Yutaka Kanai, Hikari Kamioka, Noboru ...
    2003 年 54 巻 9-10 号 p. 303-322
    発行日: 2003/12/22
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル フリー
    2002年3月から5月にかけて、那覇、福岡、名古屋、つくばの4地点で風送ダスト試料を採取し、その非水溶性成分中の化学組成を測定した。ほとんどの元素は、その粒径分布の特徴として2.1~7.0μmの粒径に一つのピークを示すことから、主に鉱物エアロゾルに含まれていると考えられる。しかし、Cd, Sn, Sb, Pb, Biなどの元素は1μmよりも細かいダスト粒子に多く含まれ、人為起源の炭素エアロゾルに由来すると考えられた。 Al2O3濃度で各元素濃度を規格化した値の粒径分布の特徴から、風送ダスト中の鉱物組成は1μmを境に変化し、2μmより細かい粒子では人為起源物質の混入率が高くなることなどが明らかになった。次に、Al2O3規格値の空間的及び時系列的な変化に着目すると、一部の元素に系統的な地域差、すなわち観測点周辺からの物質の混入が認められた。しかし、一度ダストイベントが発生すると、ほぼすべての元素の濃度比は試料採取地点に関係なくほぼ一定の値を示し、非常に大量の風送ダストが東アジア地域から日本へ運ばれていることが明らかになった。
  • 山元 孝広
    2003 年 54 巻 9-10 号 p. 323-340
    発行日: 2003/12/22
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル フリー
    沼沢火山は福島県の西部,火山フロントの背後50 kmにある活火山である.本研究では噴出物層序と噴火年代を再検討し,噴出量の時間積算図を新たに作成した.本火山の噴出物層序は,約11万年前の尻吹峠火砕堆積物及び芝原降下堆積物,約7万年前の木冷沢溶岩,約4.5万年前の水沼火砕堆積物と約4万年前の惣山溶岩,約2万年前の沼御前火砕堆積物及び前山溶岩,紀元前3400年頃の沼沢湖火砕堆積物からなる.沼沢火山の総マグマ噴出量は約5 DRE km3であるが,前半6万年間で約1 DRE km3のマグマ噴出量であったものが,後半5万年間で残りの約4 DRE km3のマグマが噴出している.沼沢火山のマグマ噴出率の上昇は,給源でのマグマ生産率の上昇と対応しているものとみられる.
  • 中澤 努, 中里 裕臣, 小松原 琢, 塚本 斉
    2003 年 54 巻 9-10 号 p. 341-350
    発行日: 2003/12/22
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル フリー
    中期更新世指標テフラTB-8及びKy3の再記載を行った.これらのテフラはともに高屈折率の斜方輝石を含むことから同一テフラとして対比されてきたが,一方で屈折率のレンジが大きく異なるという指摘が以前からなされていた.また最近では両者は対比されないという意見もあらわれた.筆者らが両テフラを詳細に観察した結果,TB-8は6層のユニットから構成され,それぞれのユニットで斜方輝石の屈折率特性が異なること,Ky3の屈折率特性はTB-8のいくつかのユニットの混合で説明できることが明かとなった.またTB-8及びKy3のそれぞれの上位に挟在するTB-9及びKy3.5も角閃石の屈折率特性など両者の特徴が一致することから,TB-8とTB-9の組み合わせがKy3とKy3.5の組み合わせに対比されることが確実となった.TB-8 (Ky3) は関東平野の南部から中部にかけて南北に幅をもって広く分布している.指標テフラの少ない首都圏において,このテフラは重要な鍵層となる.
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