地質調査研究報告
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56 巻 , 9-10 号
地質調査研究報告
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論文
  • 金谷 弘, 大熊 茂雄
    2005 年 56 巻 9-10 号 p. 303-313
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2014/10/18
    ジャーナル フリー
    本研究は日本列島に分布する花崗岩類を対象にそれらが持つ物理定数,すなわち密度・孔隙率・磁化率・自然残留磁化そしてQn比(K önigsberger ratio)などを系統的に測定, 集約し, これら花崗岩類が共通して持つ性質や, 各地域差, それぞれの形成年代がもつ特有の性質を明確にし, 地質構造の解明や, 公害, 環境問題, 災害予知など各方面に必要な基礎資料を提供することを 目標にしている. 今回は富山, 石川, 福井, 岐阜そして長野の各県にまたがって露出する飛騨花崗岩類約130個(第1図)の試料を対象に測定結果を取りまとめた. これら花崗岩類は1,古期花崗岩類, 2, 眼球状マイロナイト類, 3, 斑れい岩類, 4, 船津花崗岩類とし, 4を下之本型, 船津型として, 最終的に5 種類に区分けした. これら5種類の平均密度の変化範囲は2.62~2.85(x103 kg/m3 =g/cm3)で古期花崗岩類が最も小さく, 斑れい岩類がもっとも大きい. 孔隙率は0.4~0.6% でこれまでにみられた他地域との差はほとんど認められない. 磁化率は密度が2.60 ~2.95 の変化に対しその分布域を上限,下限の2直線で囲むと, その直線は密度の増加に対し約10倍増加し,東北地方北部(金谷・大熊,2003)にみられる磁化率‐密度グラフ中の上限, 下限の2直線にはさまれる範囲と一致し, 北上山地花崗岩類に近いパターンを示す. 飛騨花崗岩類は, 常磁性造岩鉄鉱物によるとみられる磁化率を示す試料の割合は非常に少ない. また, Qn比は0~0.3と低くその平均値も0.12 と非常に低い.
  • Shunso Ishihara, Yukihiro Matsuhisa
    2005 年 56 巻 9-10 号 p. 315-324
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2014/10/18
    ジャーナル フリー
    東北日本,グリーンタフ帯の後期新生代深成岩類の64試料の酸素同位体比(δ18OSMOW)を全岩法で求めた.深成岩類はフォッサマグナ南部で大規模に露出し,新鮮な岩石が得やすい.ここでは低カリウム系列の丹沢トナル岩類が極めて低い値,平均値で5.4‰を示す.低いδ18O 値はソレアイト火山岩類で一般的である.酸化的な苦鉄質火成岩類がトナル岩類の出発物質と考えられる.しかし同じく低カリウム系列に属する甲府岩体の芦川型は平均7.4‰,新島の場合は6.7‰であり,それぞれが固有の出発物質を持つことを示す.甲府岩体で一般的な磁鉄鉱系の花崗閃緑岩類は平均して7.4‰であるのに対し,同じ岩体のチタン鉄鉱系徳和花崗閃緑岩類は9.4‰,御岳型黒雲母花崗岩は11.2 ‰を示し,共に高い値を持つ.その原因は火成岩起源マグマに18O に富む堆積岩類の混入があったためである.北部フォッサマグナ以北の後期新生代深成岩類は露出規模が小さい.低いδ18O値がしばしば認められ,固結時に地表水の混入が推察される.その原因は岩体頂部が露出していること及び地形的に高所にあることに求められる.
  • 寺島 滋, 今井 登, 池原 研, 片山 肇, 岡井 貴司, 御子柴(氏家) 真澄, 太田 充恒
    2005 年 56 巻 9-10 号 p. 325-340
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2014/10/18
    ジャーナル フリー
    海底堆積物中セレン (Se) の地球化学的挙動を解明するため, 日本海東部で採取した表層試料と柱状試料を分割して得た合計215試料中のSeを連続水素化物生成原子吸光法で分析した.表層試料中Se濃度の平均値は, 0.60 ± 0.45 ppm (n=81) で, 粗粒堆積物よりも細粒堆積物で高く, 概括的には採泥点の水深の増加に伴って高濃度になり,有機炭素 (Org.C) , 全硫黄 (T.S) 濃度との間に強い正相関がある.Se は, 亜セレン酸塩態, セレン酸塩態, 元素態, 硫化鉄態, 有機物態等の形態で存在するが, 表層試料では元素態と有機物態が卓越し, 柱状試料では有機物態の割合が多いと考えられた.今回分析した試料に関しては, 人為的汚染によるSe濃度の増加はないと考えられた.柱状試料中Se濃度の平均値は1.88±2.19 ppm (n=134) で表層試料よりも約3倍高いが, これは日本海が還元的環境下にあった時代の堆積物に高濃度のSe (最高11.93 ppm) が含有されるためである.日本海深部の柱状試料中Se, Org.C, T.S 等の濃度は, 海洋の酸化- 還元環境, 外洋水の流入の有無,気候変化に伴う生物生産量やガス状Se化合物発生量の増減等の影響で変動する.柱状試料中のSe 濃度はOrg.C やT.S 濃度と同様に古堆積環境を解明するための指標として有用であろう.
資料・解説
  • 森尻 理恵, 中井 睦美, 上野 直子, 荻島 智子
    2005 年 56 巻 9-10 号 p. 341-373
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2014/10/18
    ジャーナル フリー
    Paleomagnetic and rock magnetic studies were performed on 22 sediment core samples taken by the Antarctic Geological and Geophysical Research Project (FY1980-1999) of the Japan National Oil Corporation (JNOC). These core samples were made available since 2002 after being transferred to the Geological Survey of Japan, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST), and their reports were released. These cores did not suffer serious magnetic damage, though they have been kept in a room temperature since 2002 after being kept refrigerated for more than 10 years. Our results of measurements of natural remanent magnetization (NRM) and magnetic susceptibility agree with the results of the JNOC reports. Some magnetic parameters, anhysteretic remanent magnetization (ARM) and saturation isothermal remanent magnetization (SIRM) were also shown in our figures, which were not measured during the project. They are important environmental magnetic parameters and would be useful for the research of the Antarctic Ocean in the future.
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