地質調査研究報告
Online ISSN : 2186-490X
Print ISSN : 1346-4272
ISSN-L : 1346-4272
60 巻 , 9-10 号
特集 : 熱帯における地中熱利用可能性の研究
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
序文
論文
  • 安川 香澄, 内田 洋平, 天満 則夫, 田口 雄作, 村岡 洋文, 石井 武政, スワンラート ジットラコーン, ブアペン ソムキッド, ...
    2009 年 60 巻 9-10 号 p. 459-467
    発行日: 2009/09/10
    公開日: 2013/08/05
    ジャーナル フリー
     今世紀の多大な経済的発展が見込まれる東アジアでは,エネルギーセキュリティと環境保護が大きな課題となると見られる.地中熱ヒートポンプ(GHP)システムの普及は,その両方の問題解決に貢献すると考えられる.GHP 普及のためには,詳細な地下温度分布情報が必要である.そのため,地下水温度データに基づいて,熱帯アジアにおいてのGHP利用可能性の研究を行った.地下温度は一般的に地表の平均気温よりも高いため,熱帯では一般的に地中熱を冷房に利用することの熱的メリットはないが,場所によっては,地下を「冷たい熱源」として利用できる可能性がある.この可能性を探るため,タイのチャオプラヤ平野およびベトナムのホン川平野において,広く地下水温度調査を行い,気温データとの比較をおこなった.その結果,チャオプラヤ平野では,場所により深度20〜50 m の温度範囲が3.4 K,ホン川平野では2.0 Kも変化することが明らかになった.またいくつかの都市では,この深度の地下温度が月平均最高気温より5 K以上低い月が4ケ月以上あることが確認された.従って,熱帯でも場所によっては,地下を冷熱源としてGHPに利用できる可能性が出てきた.
  • 内田 洋平, 安川 香澄, 天満 則夫, 田口 雄作, スワンラート ジットラコーン, ブアペン ソムキッド
    2009 年 60 巻 9-10 号 p. 469-489
    発行日: 2009/09/10
    公開日: 2013/08/05
    ジャーナル フリー
     この20年間で,地中熱ヒートポンプシステム(GHP)は世界的に広まっている.一般的に,地中熱ヒートポンプシステムは,熱帯地域において冷房に利用することは不利であると言われているが,場所によっては地下を冷熱源として使える場合も考えられる.本研究では,上記の可能性を評価するため,タイ・チャオプラヤ平野において地下温度構造の現地調査を実施した.
     現地調査の結果,上部チャオプラヤ平野と下部チャオプラヤ平野とでは,その地温勾配に大きな差異のあることが明らかとなった.上部チャオプラヤ平野の地温勾配は,全体的に1.0℃/100m 以下と小さいのに対し,下部チャオプラヤ平野では,平野の周辺では小さく,中央部で4.0℃/100m 以上と大きくなる傾向を示した.以上の結果は,チャオプラヤ平野において地中熱利用ヒートポンプシステムの導入を想定した場合,全体的に地温勾配の小さい上部平野の地下が冷熱源として利用できる可能性を示唆している.
  • 安川 香澄, 高島 勲, 内田 洋平, 天満 則夫, ロルペンスリ オラニュー
    2009 年 60 巻 9-10 号 p. 491-501
    発行日: 2009/09/10
    公開日: 2013/08/05
    ジャーナル フリー
     冷房用地中熱ヒートポンプシステムをタイのカンペンペットに設置し,2006年から17ケ月の試験運転を行った.地下の熱特性および短期- 長期のシステム運転影響を評価する目的で,地下の熱交換パイプ内およびその周辺の温度を連続観測した.システム運転による地下温度上昇は数日で回復し,1年間の運転後でも長期的影響は見られなかった.この期間中,室温,気温,システムの電力消費量,1次流体および2次流体の流量と出入口温度も観測した.その結果,安定した運転が行われていた期間には,成績係数COPはほぼ3という値が得られた.本論文では,温度観測結果およびシステム成績について記す.
  • 天満 則夫, 安川 香澄, 高島 勲, 内田 洋平, ロルペンスリ オラニュー, ジボロスキー ジョージ
    2009 年 60 巻 9-10 号 p. 503-509
    発行日: 2009/09/10
    公開日: 2013/08/05
    ジャーナル フリー
     地中熱利用ヒートポンプシステムの冷房利用の実証試験がカンペンペット(タイ)にて2006年10月から2008年3月まで実施された.熱交換井に13の温度センサーを設置して地下温度の温度計測が行われた.そこで,この実験データを用いて,周辺の温度影響に関する数値計算を行った.その結果,運転実績に伴う地下温度場への影響はほとんどないことがわかった.
feedback
Top