自動車技術会論文集

技術論文

ステンレス溶射ボアに対応した厚膜DLC ピストンリングの開発

平山勇人, 柴田大輔, 内海貴人, 樋口毅, 野間俊, 篠原章郎

2022 年53 巻4 号 p. 711-716
発行日: 2022年
公開日: 2022/06/17

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.711

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ステンレス溶射ボアに対応した厚膜DLCピストンリングを開発した。FVA法を用いたDLCの成膜により、ドロップレットが少ない状態で厚膜化および低硬度化を実現し、CrN膜の廃止による凝着摩耗課題およびDLC膜変形能向上によるアブレシブ摩耗課題の両方を解決した。

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深層学習を用いたエンジン放射音からのノッキング音分離手法

笠原太郎, 渡部光, 池田太一, 吉越洋志

2022 年53 巻4 号 p. 717-722
発行日: 2022年
公開日: 2022/06/17

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.717

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著者らはこれまでエンジン放射音からノッキング音を分離するDNN（Deep Neural Network）を提案し，回転速度ごとに特化したDNNを作成してきた．本稿では，限られたデータを用いて，より幅広い運転条件に適用可能なDNNを作成するため，学習データに含まれない回転速度におけるノッキング音を分離するDNNの訓練方法を提案する．

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研究論文

GTL 燃料を用いた低圧対向多段噴射による噴霧，混合気形成と予混合圧縮着火燃焼の制御

孝田秀一, 若井謙介

2022 年53 巻4 号 p. 723-730
発行日: 2022年
公開日: 2022/06/17

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.723

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　対向配置したノズルからGTL燃料を種々の噴射パターンを用い噴射, 混合気形成過程の変化によりPCCI燃焼運転領域の拡大を図る．燃料噴霧観察と機関運転試験を行い，混合気形成過程の変化が燃焼に与える影響を調査した．対向多段噴射による混合気の空間的，時間的配置の最適化により機関，排気特性の改善を図った．

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金属V ベルト式無段変速機の伝達トルクの増加に伴うエレメントの内力状態の変化

三林誠治, 八幡樹, 小武内清貴, 大窪和也

2022 年53 巻4 号 p. 731-736
発行日: 2022年
公開日: 2022/06/17

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.731

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金属Vベルト式無段変速機のエレメント1枚に生じる幅方向ひずみを測定し内力状態の変化を調べた．伝達トルクの増加に伴うエレメントの幅方向押し力の変化の左右位置での違いは，可動シーブの軸方向がプーリの軸方向に対して傾斜する歳差運動に伴うベルトとプーリの接触位置の半径方向の移動により生じることが分かった．

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技術論文

EV 路線バス大量運用に必要な性能,電力,燃料費の予測と考察

松田俊郎, 酒井佑樹, 寺村浩徳, 日高和弘

2022 年53 巻4 号 p. 737-742
発行日: 2022年
公開日: 2022/06/17

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.737

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EV路線バスの大量導入に向けて､横浜市のバス事業所の路線バス運行情報をもとに､実証試験の結果を踏まえたシミュレーションを行ない､バス事業所の全てのバスがEV化された場合の､バスのバッテリ消費電力量､バス事業所の充電電力/電力量､燃料費の予測を行うと共に､充電制御による燃料費低減の可能性を検討した。

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研究論文

過渡状態におけるDYC 制御の原理と応用（第2報）

－デファレンシャルギヤのフリクショントルクの影響とその制御方法－

芝端康二, 芝端成元

2022 年53 巻4 号 p. 743-750
発行日: 2022年
公開日: 2022/06/17

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.743

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デファレンシャルギヤのフリクショントルクは復元ヨーモーメントとして車両に作用する。本論文ではその復元ヨーモーメントが車両の操舵過渡応答特性へ与える影響を調べた。次に車両の操舵過渡応答特性を改善するためのデファレンシャルギヤのフリクショントルクを制御する方法の原理を解明し制御方法を提案した。

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尿素SCR システムへの適用を目的としたディンプルによる衝突液滴の微粒化効果

菊池飛鳥, 小原昭, 杉山直輝, 川本裕樹, 奈良祥太朗, 野原徹雄, 高橋俊, 落合成行, 大角和生, 石川直也

2022 年53 巻4 号 p. 751-757
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.751

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尿素SCRシステムにおけるNOx浄化効率を向上させるためには，尿素水の微粒化による気化促進が求められる．本研究ではディンプルの深さおよび穴径に注目し衝突液滴の微粒化効果を評価した．高速度カメラによる液滴の可視化と画像解析により，浅い且つ穴径の大きいディンプルが微粒化に有効であることを明らかにした．

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ボア変形を有するシリンダとピストンリングの動的接触解析（第２報）

－ピストンリングの摺動方向における追従性限界の推定式の提案－

山本憲司, 落合成行, 高橋俊

2022 年53 巻4 号 p. 758-763
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.758

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本論文は、ボア変形の摺動方向の分布に対するピストンリングの追従性限界の推定式を提案する。また、前報で開発したリング-ボアの動的接触解析プログラムを用いて、いくつかの簡単なボア変形に対するリングの動的挙動を解析し、提案式と解析結果を比較することによりその妥当性を示す。

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排気ガスの流速と粒径がガソリン車用PM フィルタの初期捕集率と圧損に及ぼす影響

山本和弘, 青井智弥

2022 年53 巻4 号 p. 764-770
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.764

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ガソリン車用PMフィルタ（GPF）の隔壁構造をX線CTにより取得し，格子ボルツマン法を用いて3次元スス堆積シミュレーションを行った．スス凝集体の粒径と排気ガスの流速を変化させ，流れ場と圧損を調べた．GPFにおいて重要な特性となる初期捕集率を求めるモデルを提案し，粒径と流速に対する依存性を検討した．

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技術論文

高効率高減速化を達成する１枚歯ピニオンギヤの開発(第3報)

時﨑哲平, 小林幹明, 増渕久実子, 石関翼, 川島義親

2022 年53 巻4 号 p. 771-776
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.771

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高効率高減速を達成する減速機「１枚歯ピニオンギヤ」に採用されている円弧歯形は小歯車に対して大歯車の歯厚が少なく強度に課題がある。電装モータでは大歯車は樹脂製であり今後実用化のために強度向上が必須である。本稿では１枚歯ピニオンギヤの歯形形状を変更することで高効率のまま強度向上が可能なことを確認した。

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研究論文

大型トラックのxEV 化の可能性検討（第3報）

－HEV, PHEV, BEV, FCEV および走行中給電利用の場合の総合的可能性評価･比較－

佐々木正和

2022 年53 巻4 号 p. 777-783
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.777

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大型トラックの電動化方式として，HEV,PHEV,BEV,FCEVについて，CO₂削減の可能性，蓄電池進化による可能性および燃料経済性・蓄電池コスト含めた総合経済性について検討を行った．BEVおよびFCEVは限定用途での可能性が高い．広範用途には走行中給電EVおよびRE-EVが有望との結論．

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乗用車における車載太陽電池システムの実現可能性に関する研究（第2報）

－車両日射条件が車両エネルギーバランスに及ぼす影響－

廣田壽男, 金英雄, 小林王義, 紙屋雄史, 前島聡, 河本桂一

2022 年53 巻4 号 p. 784-789
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.784

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太陽電池搭載車の実用性を明らかにするため、車両試験により車両使用条件や天候による日射量への影響を解析し、車両と定点の日射比率を特定した。車載太陽電池の発電と走行エネルギー消費のバランスへの影響を見積もり、太陽電池によるエネルギー消費削減、CO2-WTW排出量、プラグイン充電回数への影響を解析した。

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硫化物系全固体LIB のサイクル劣化メカニズム解析

安藤慧佑, 松田智行, 三輪託也, 川合光幹, 今村大地

2022 年53 巻4 号 p. 790-795
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.790

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硫化物系全固体LIBの耐久性および劣化メカニズムを検討するために，試作全固体LIBおよび比較用液LIBに対し，車載用LIBの標準寿命試験法 IEC62660-1により寿命特性を評価した．また，高温で行なったサイクル試験および保存試験の解体分析結果をもとに，全固体LIBの劣化メカニズムの検討を行った．

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鋼板製ロールフォームとアルミニウム製押出バンパービームの曲げ特性と重量の横並び評価

史棟勇, 渡辺憲一, 石飛秀樹, 橋本成一, 山川大貴

2022 年53 巻4 号 p. 796-801
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.796

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鋼板製ロールフォームとアルミ押出バンパーを対象に，衝突性能及び軽量化効果の横並び評価を行った．アルミ押出バンパービームは，最適化技術を使用すること，要求性能に応じる最軽量構造を求め，肉厚配分の設計指針を明確にできた．５種類の外形寸法の構造結果を比較するにより，鋼板製ロールフォームとアルミ押出材の適用領域を判明できた．

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自動運転での点群を用いたAI 物体検出における判定根拠の可視化

黒木理宏, 田中慎也, 武藤健二, 伊能寛

2022 年53 巻4 号 p. 802-807
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.802

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自動運転の物体検出にAIが活用されつつあり、同技術の検出結果を説明するための「説明可能AI」の研究が世の中で取り組まれている。同技術は主に2D物体技術を中心に開発が進んでいるものの、3D物体技術への応用例はまだ少ない。今回、2D向け説明可能AI技術を3D物体検出に応用したのでその結果を報告する。

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デジタルヒューマン技術を用いた運転操作系空間における眼球・頭部協調運動の再現と評価

児玉一真, 長谷和徳, 山﨑拓真, 堀田英則

2022 年53 巻4 号 p. 808-814
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.808

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本研究の目的は運転操作系における眼球・頭部協調特性を考慮したデジタルヒューマンモデルを提案することである．提案モデルは視認に必要な身体運動を再現したうえで，生体内の負担度を算出した．また，実測とモデルで眼球と頭部の運動を比較すると，類似の傾向が確認でき，眼球・頭部協調運動を再現することができた．

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1180MPa 級のリサイクル鋼板の疲労強度に及ぼす荷重様式の影響

長島伸夫, 早川正夫, 長井寿, 升田博之, 中西栄三郎, 中西宣文, 岩崎勝

2022 年53 巻4 号 p. 815-820
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.815

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老廃スクラップから創製した1180MPa級リサイクル鋼板について引張試験ならびに穴広げ試験を実施し，さらに部品要求性能として重要な疲労強度特性を把握するため荷重方式の異なる疲労試験を実施した．これらの結果から，スクラップから創製したリサイクル鋼板の自動車用鋼板としての適応性について検討する．

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技術論文

耐水耐熱変位計による電着槽および乾燥炉内での車体変形の実測とCAE との比較

樫山武士, 大堀敏郎, 塩原学, 村野義行, 松本拓哉

2022 年53 巻4 号 p. 821-826
発行日: 2022年
公開日: 2022/07/25

DOIhttps://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.821

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塗装中の水圧や熱による車体の変形に対しCAEによる予測や対策が進められているが、予測精度の検証には工程中での変形測定が必要である。そこで、耐水・耐熱の変位測定装置を製作し、槽内や電着乾燥炉内での車体外板の変位を測定した。また、乾燥炉内での熱変形について実測とCAEの結果を比較しその妥当性を検証した。

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