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―燃料噴射差圧が噴霧の微粒化特性に及ぼす影響の解明―
井上 優, 松村 恵理子, 千田 二郎, 田村 一将, 木原 大城
2020 年51 巻4 号 p.
570-575
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
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本研究の目的は,ガソリン成分燃料に軽油といった高沸点成分燃料を混入させた二成分燃料を使用した際のガソリン噴霧が燃料の壁面付着量に及ぼす影響を解明することである.本報では,蒸発場において高沸点成分の混合割合や燃料噴射圧力をパラメータとして噴霧の可視化を行ない,蒸発噴霧における微粒化特性を評価した.
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―燃焼室分割による予混合圧縮着火燃焼の多段化―
野村 卓矢, 石井 雄一郎, 佐々木 洋士
2020 年51 巻4 号 p.
576-582
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
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燃焼室を小燃焼室,大燃焼室に分割し,小燃焼室で先に着火・燃焼を行い,引き続き大燃焼室で燃焼を行うことにより二段の予混合圧縮着火燃焼が実現できる.これにより最大圧力上昇率の抑制,燃焼期間の延長が可能となり,燃焼範囲が拡大する.本稿では本燃焼方式における機関性能,排気特性,燃焼特性について報告する.
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―小燃焼室容積比の影響―
野村 卓矢, 和田 潤一, 佐々木 洋士
2020 年51 巻4 号 p.
583-588
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
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HCCI燃焼の過大な圧力上昇率を低減し,運転範囲を拡大する方法として燃焼室を空間的に大小二つに分割し二段HCCI燃焼を実現した.本研究ではこの二段のHCCI燃焼に大きな影響を及ぼし,設計要素として最も重要と考えられる小燃焼室容積比を変化させたときの機関性能,排気特性,燃焼特性について追究した.
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竹村 知浩, 河崎 澄, 山根 浩二
2020 年51 巻4 号 p.
589-594
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
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ディーゼル筒内雰囲気を再現できる定容容器を用いて,多噴孔噴射弁から噴射される噴霧の可視化観察を行い,最高350MPaの超高圧噴射条件下における先端到達距離や噴霧体積などの発達特性,および噴霧火炎形状の特性をシャドウグラフ法により明らかにした.また,噴霧内部の二次元燃料分布をLIF法によって調査した.
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川島 史也, 門前 光佑, 中野 道王, 浅川 大樹, 高橋 栄一
2020 年51 巻4 号 p.
595-600
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
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エンジン燃焼から生成される燃焼生成物の解明を目指して,質量分析計による未知燃焼生成物の解析を試みた.飛行時間型質量分析計を備えた包括的2次元ガスクロマトグラフから得られる分子イオンおよびフラグメントイオンの精密質量を用いることで,未知燃焼生成物の分子構造の検討が可能であることを明らかにした.
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-等高線法(Contour method)による車両性能評価の提案-
小山 陸, 毛利 宏, 菅沢 深
2020 年51 巻4 号 p.
601-607
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
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非線形性が強く現れる限界領域における車両運動性能の評価手法として,状態速度の等高線図を利用した解析手法を新たに提案する.この提案手法を「等高線法(Contour-method)」と呼ぶ.提案手法を用いることで,全体を俯瞰した車両の運動特性や安定性が解析可能であることを示す.
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小山 陸, 毛利 宏, 菅沢 深
2020 年51 巻4 号 p.
608-613
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
フリー
第1報では非線形車両運動を全体的に評価する新たな解析手法として等高線法を提案し,本手法の考え方や,特徴について議論してきた.本稿では,従来の解析手法との関係性や,等高線法を用いた制御則の評価,解析例について記す.また,平衡点を解析的に求める方法についても説明する.
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山崎 彬人, 吉武 宏, 小竹 元基
2020 年51 巻4 号 p.
621-627
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
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本研究では画像処理によって前屈み行動を抽出し,運転行動の指標の一つとして分析を行った結果,見通しの悪い交差点では,顔を左右に向けるだけではなく,前屈みによる確認行動をとっていることが分かった.本論文では,車載カメラから画像処理によって顔向き推定,および前屈みによる確認行動を抽出する手法を提案する.
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目片 悠貴, 武内 秀平, 山本 恒行, 神谷 直城, 鈴木 隆司, 中西 美和
2020 年51 巻4 号 p.
628-635
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
フリー
著者らの研究において、ドライバの運転行動に対する内発的動機づけを誘発することは、ドライバの覚醒水準を維持する上で有効であることが示唆されている。本研究では、この手法のさらなる最適化をねらいとして、内発的動機づけを誘発する情報提示のタイミングが覚醒維持に及ぼす影響について実験的に検討した。
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野田 尚昭, 王 彪, 乾 湧人, 劉 溪, 立石 孝介, 佐野 義一, シュウ ベイフェン, 高瀬 康
2020 年51 巻4 号 p.
636-641
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/11
ジャーナル
フリー
著者の以前の研究は、ピッチ差のあるボルトナット締結体が疲労強度と緩み止め性能を向上させることを明らかにした。 しかし、疲労強度向上に最適なピッチ差と緩み止め性能向上に最適なピッチ差は異なる。そこで本論文では、ナット高さを高くすることで、両者の向上を同一のピッチ差範囲で実現させることを目的とする。
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岡田 雄太郎, 藤嶋 玄, 松村 恵理子, 千田 二郎
2020 年51 巻4 号 p.
642-648
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
フリー
本研究では,直噴ガソリン噴霧の分裂形態を高精度に予測可能なモデルの構築を目的とする.本報では,直噴ガソリン噴霧の内部構造の実験的な解析結果からWAVE-MTABモデルの適用限界を考察するとともに,新たな視点としてノズル内流動を考慮したHuh and Gosmanモデルの有効性を検証した.
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伊藤 直也, 神長 隆史, 内田 健児, 佐々木 優太, 恩田 貴浩, 藤川 竜也, 養祖 隆, 山川 正尚
2020 年51 巻4 号 p.
649-654
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
フリー
HCCI燃焼は高い熱効率とクリーンな排気性能を実現可能だが,燃焼制御性や運転可能範囲が狭い実用上の課題がある.その解決手段として,圧縮行程中のガソリン高圧噴射を提案し,自着火の促進と抑制が可能であることを確認した.また,これら機能を多段噴射により組み合わせることで,運転範囲の拡大を可能とした
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-着火遅れ時間総括式と誤差補正式を用いた遡り型Livengood-Wu積分-
桑原 一成
2020 年51 巻4 号 p.
655-662
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
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第2報ではプレミアムガソリンサロゲート燃料の着火遅れ時間総括式を構築した.第3報ではLivengood-Wu積分による着火予測の誤差要因を検討した.本報では,第3報で得られた知見にもとづき誤差補正式を構築し,総括式と誤差補正式を用いた遡り型Livengood-Wu積分による予測精度向上を実現する.
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山本 和弘, 孔 炫吾
2020 年51 巻4 号 p.
663-668
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
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フィルタ内に堆積した粒子の酸化温度を下げて反応を促進させるため,触媒を担持したDPF(Catalyzed DPF, CDPF)が用いられる.今回は触媒担持DPFの再生シミュレーションを行い,フィルタ内の流れやスス粒子の反応を検討し,触媒の反応性について考察した.
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大畠 英一郎, 藤山 幸雄
2020 年51 巻4 号 p.
669-674
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
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EGR燃焼の着火性向上を目的とした、筒内ガスの高流動化における主要課題の1つが、点火電極チップの消耗であり、主要因の1つに再放電回数の増加がある。本研究では、放電エネルギの時間配分制御により、再放電回数を従来比で半減した。実エンジンへ適用し、耐久評価した結果を報告する。
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-走行条件による車両エネルギーバランスに及ぼす影響―
廣田 壽男, 紙屋 雄史, 河本 桂一
2020 年51 巻4 号 p.
675-680
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
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太陽電池システムの車両への適用に関し、1時間毎1年間の日射量による車載太陽電池の発電量と走行エネルギー消費量の計算モデルを開発し、走行条件や季節などによるエネルギーバランスへの影響を見積もった。車載太陽電池によるエネルギー消費削減およびCO2-WTW排出量、プラグイン充電回数への影響について述べる。
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- システム制御法の提案 -
中澤 輝彦, 日下部 誠, 長田 育充, 日比野 良一, 鳥居 靖広
2020 年51 巻4 号 p.
681-686
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
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二つの既存モータと遊星歯車を組み合わせた大型EV用駆動システムの制御手法を提案する.システムの出力トルクと二つのモータの回転数差を目標値とし,二つのモータを協調制御できるように,モデルベースによりコントローラを創出した.その結果,駆動力にショックを生じることなくモード切替え等の動作が可能となった.
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本木 耕平, 小田切 真純, 高橋 毅, 戸井 武司
2020 年51 巻4 号 p.
687-694
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
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本研究では,エンジン音とモータ音の二種音源に着目し,ハイブリッド車の加速感推定モデルの構築を行う. はじめに,エンジン音とモータ音のパラメータを変更し,主観評価より加速感の印象変化を把握する.次に,主観評価の結果に基づき重回帰分析を行い,加速感推定モデルを構築し,その精度検証実験を行う.
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宮入 徹, 坂下 丈, 追川 千夏, 白坂 剛, 下村 尚登, 戸井 武司
2020 年51 巻4 号 p.
695-700
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
フリー
多様な製品に用いられているロータリースイッチは,周囲環境の静音化に伴い操作音が顕在化してきている。本研究ではロータリースイッチの操作感の向上を図るため,感触と操作音の連続複合刺激に対する主観評価と物理量の相関を把握することで,スイッチ操作感覚モデルの構築手法について検討した。
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米川 隆, 青木 宏文, 山岸 未沙子, 田中 貴紘, 吉原 佑器, 藤掛 和広, 稲上 誠, 金森 等, 青木 邦友, 平野 昭夫, 武田 ...
2020 年51 巻4 号 p.
701-706
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
フリー
近年,高齢ドライバの交通事故が増加し,出会い頭事故が多いことが知られている.そこで,50~82歳のドライバ22名のドライブレコーダによる一時停止交差点の運転データと,認知身体検査や運転スタイルなどのアンケートから,一時停止交差点での左右確認行動や急制動行動と認知身体特性や運転意識の関係を検討した.
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鈴野 浩大, 外薗 徹, 楢原 和晃, 丸本 真玄, 前川 耕太
2020 年51 巻4 号 p.
707-712
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
フリー
ガソリンエンジンは吸入空気を冷却することでノッキングを抑制し燃費やトルク性能の向上が可能であるが、吸入空気はエンジンルーム内で受熱し温度が上昇している。そこで、吸気温に対する吸気管壁温の感度をadjoint法による逆解析により定量化し、その吸気温への影響を検証した。
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奥津 泰彦, 大城 勇二, 鵜ノ口 孝雄, 濱本 直樹
2020 年51 巻4 号 p.
713-720
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
フリー
車体近傍の圧力変動場が重要な自動車の空力騒音では、車体振動との連成を想定して波数空間で流体場を分析することが低騒音化の検討に有効である。本研究では、数値流体解析結果から得られた車体表面の圧力変動に対する波数-周波数スペクトル分析を行い、ドアミラーによって発生する空力騒音の定量的、定性的性質を述べる。
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-横すべり角を考慮した相対位置性能と絶対位置性能の評価-
高野瀬 碧輝, 渥美 善規, 滝川 叶夢, 目黒 淳一
2020 年51 巻4 号 p.
721-726
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
フリー
自動運転車両では,高精度な車両位置が求められる.そのため,GNSSを用いることが多い.しかし,都市部などの遮蔽物が多い空間では,マルチパスにより,,大きな測位誤差が発生することもある.そこで,GNSSとINSを組み合わせることにより,マルチパスを除去し,位置推定精度を向上する手法について提案する.
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藤間 隆生, 石川 恭匡, 高橋 直樹, 高浜 琢, 野中 謙一郎
2020 年51 巻4 号 p.
727-732
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
フリー
本研究では,自動運転レベル2の性能向上のために外界センサとGNSSと車両挙動情報をMoving Horizon Estimationによりフュージョンする.これにより,一般的なカーナビで用いられる地図における自車位置推定精度の改善が可能となることを示す.
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粕谷 桃伽, 森田 伸義, 山﨑 裕紀, 安藤 英里子, 萱島 信
2020 年51 巻4 号 p.
733-738
発行日: 2020年
公開日: 2020/07/29
ジャーナル
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車載システムへのサイバー攻撃リスクが高まり、攻撃検知のニーズも高まりつつある。本稿では、攻撃の侵入状況の把握が可能な車載システム向けログ統合型侵入検知手法を提案する。また、提案システムの検知性能評価のために、実車ログを用いた誤検知率とCAPECを用いた攻撃網羅率の評価結果を報告する。
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