-
松浦 翼, 小澤 祥太, 山下 陸, 三重野 貴敬, 嶋田 不美夫, 田上 公俊, 森吉 泰生
2021 年 52 巻 6 号 p.
1173-1179
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
ガスエンジンの燃焼状態は副室からのトーチ火炎の噴出現象に依存するため、ガスエンジンの性能向上には副室点火燃焼の現象を把握する必要がある。副室式点火に関する研究は実エンジン対象の研究が多く、定容燃焼器を用いて副室形状や容器内圧力、燃料特性による燃焼状態の違いを調べた研究例は少ない。そこで本研究では、副室を備えた定容燃焼器を用いて燃料性状が主室内燃焼に及ぼす副室点火の影響に関して体系的な考察を行った。
抄録全体を表示
-
渡邉 一雅, 内田 登
2021 年 52 巻 6 号 p.
1180-1185
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
ディーゼル燃焼の熱効率改善を目指すには,拡散混合の律速要因を特定し,高熱発生率と燃焼期間短縮を実現する必要がある.本研究では筒内火炎挙動の可視化解析と数値計算により,噴霧の隣接火炎および拘束壁面の影響で逆流する自らの既燃ガスとの干渉が熱発生率の緩慢化と後燃え期間増加の一要因であることを明らかにした.
抄録全体を表示
-
-雰囲気条件と噴射圧力が着火遅れおよび着火位置に及ぼす影響-
河合 知貴, 若井 佑樹, 松村 恵理子, 千田 二郎
2021 年 52 巻 6 号 p.
1186-1191
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,ディーゼル噴霧における混合気形成から着火に至る過程の詳細な把握である.本報では,定容燃焼容器を用いて,燃料温度を制御し,雰囲気密度,雰囲気温度,噴射圧力を変更した際の着火位置および着火遅れを計測した.さらに,計測結果と過去の実験式の各制御パラメータの指数値の比較を行った.
抄録全体を表示
-
野田 凌平, 藤井 康夫, 毛利 宏
2021 年 52 巻 6 号 p.
1192-1197
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
ステアリングギア比を小さくすると,低速において特定の周波数の操舵入力に対する車両応答が敏感になり,乗り心地が悪化する.本研究では,上記挙動の原因がタイヤ緩和長の影響であることを明らかにし,これまでできなかった低速での低ギア比化の可能性を開拓した.本報では現象のメカニズムと対策について述べる.
抄録全体を表示
-
片山 硬, 古澤 健太, 髙橋 明, 吉野 貴彦
2021 年 52 巻 6 号 p.
1198-1203
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
二輪車の直進安定性は車体のフレーム剛性に大きく影響を受ける.従来からわが国で提案されているフレーム剛性モデルに対して固有ベクトル方程式を用いた定式化を適用することにより,フレーム剛性が直進安定性に及ぼす影響の詳細を解析する.具体的には,ウィーブモードを例にとり,このモードに大きく影響を及ぼすメインフレームのねじれ剛性およびリアスイングアームのねじれ剛性の効果を検討する.
抄録全体を表示
-
吉野 貴彦, 髙橋 明, 古澤 健太, 片山 硬
2021 年 52 巻 6 号 p.
1204-1211
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
二輪車はウィーブモードが安定化するように設計するとウォブルモードが不安定になり、ウォブルモードを安定化させるとウィーブモードが不安定になる傾向がある。本稿では、固有ベクトル方程式を用いて、作用している力の大きさの変更が両モードに及ぼす影響を調べ、二つのモードの両立性を左右する要因を推定する。
抄録全体を表示
-
-実車体フレームの振動特性の伝達関数合成法による予測と実測-
鵜嶋 涼, 村上 和希, 中村 弘毅, 加茂 利明, 早川 昇邦, 飯倉 雅彦, 山崎 徹
2021 年 52 巻 6 号 p.
1212-1218
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
本研究は初めに,フレームに入力されるサスペンションからの入力力の測定法を,次いで制振器の取り付け点の加振力に対する評価点のコンプライアンスの測定法を示し,最後,これらの値を基に伝達関数合成法で評価点の振動を予測した.予測値は実測値と実用上十分な精度で一致し,ドライバーの官能評価とも定性的に一致した.
抄録全体を表示
-
-オーストラリア事故データによる傷害予測アルゴリズムの開発-
久保田 和広, 西本 哲也, ポンテ ジュリオ
2021 年 52 巻 6 号 p.
1219-1226
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
本研究では,南オーストラリア州の交通事故データに基づき,自動車乗員の傷害予測アルゴリズムを開発した.アルゴリズムは事故地点から特定できる情報をリスクファクタとした.本アルゴリズムは救急隊による現場でのトリアージに用いるなどの方法で死者数の削減に寄与することができる.
抄録全体を表示
-
西本 哲也, 望月 涼太, 富永 茂, 三好 朋之, 長岡 靖, 白川 正幸
2021 年 52 巻 6 号 p.
1227-1234
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
本研究ではAACNの予測精度向上を目的としてその呼称を乗員傷害予測アルゴリズムVersion 2021として車両クラスを細分化したアルゴリズムの構築を実施し,これまで構築した傷害予測アルゴリズムVersion 2015とVersion 2017との比較によりVersion 2021の有用性を論じた.
抄録全体を表示
-
佐々木 剛志, 銭 智定, 浅井 大輔
2021 年 52 巻 6 号 p.
1235-1240
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
自動運転の高度化により予期しない動作の解析が困難となるため,多様な走行シーンのデータをクラウドで収集するニーズが高い。収集データの効率的な解析には事前にシーン分類することが有効だが,膨大な工数を要する。そこで,車載カメラ画像から走行シーンを把握するために,自車両周辺の対象物の距離計測手法を提案する。
抄録全体を表示
-
横山 優太, 長坂 圭, 増田 出光, 桐山 一郎, 杉山 裕文, 岡澤 重信
2021 年 52 巻 6 号 p.
1241-1246
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
自動車衝突解析に対するIsogeometric解析(IGA)の適用性についての基礎検討を行う.自動車衝突解析においては,変形状態はもちろんのこと時系列での加速度や速度さらに荷重などの実現象との整合性が重要である.これらの整合性を確保するためには,構造部材の曲げや座屈などの忠実な再現が必要である.本論文では,IGAによってモデル化された構造部材の曲げと座屈解析を実施し,有限要素解析と比較することでその性能を評価する.さらにIGAを車体の衝突解析に適用してその妥当性を確認する.
抄録全体を表示
-
伊藤 篤, 松本 恵実, 濱本 直樹, 鈴木 信地郎
2021 年 52 巻 6 号 p.
1247-1253
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
空力性能と通風性能を両立する車体形状を高速で効率的に取得する手法として,大規模計算機を用いた最適化手法を構築した.車両実形状モデルを用い,Cdと複数の熱交換器通過風速を目的関数とする多数目的最適化を行った.その結果,全ての目的関数が初期値よりも向上する車体形状を複数取得することができた.
抄録全体を表示
-
三笠 雅捷, 白鳥 英, 郡 逸平, 永野 秀明, 島野 健仁郎
2021 年 52 巻 6 号 p.
1254-1260
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
傾斜角29度のAhmed Body周りの流れについてRe <= 2000の範囲で非圧縮性流れの3次元非定常シミュレーションを行った.定常流から振動流への臨界レイノルズ数,振動流のエネルギー供給機構,及び振動流の不安定性について分析した.
抄録全体を表示
-
-自動車技術会2050 年チャレンジと大気質予測-
森川 多津子, 山田 裕之, 田中 光太郎, 岡山 紳一郎, 柴田 芳昭, 中田 泰正, 渡辺 宏江, 木所 徹
2021 年 52 巻 6 号 p.
1261-1266
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
自動車技術会大気環境技術・評価部門委員会では、各技術会儀で示された2050年までのロードマップを元に、さまざまな知見を取り込み、大気モデルCMAQにて2050年における日本の大気汚染物質濃度を予測した。人為発生源からの排出量が大きく低下し、 PM2.5や夏季の光化学オキシダントの濃度低下が示された。
抄録全体を表示
-
杉山 裕文, 孕石 泰丈, 岡澤 重信
2021 年 52 巻 6 号 p.
1267-1272
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
複合材料の中でも繊維強化樹脂に対して,粘性モデルを採用し内部の繊維配向も考慮した数値シミュレーションを実施する.樹脂材料では変形速度による影響を考慮する必要があるため,粘性モデルを採用することで速度依存性を取り扱う.さらに,内包する繊維方向の影響を考慮できるようにマルチスケール解析に着目する.
抄録全体を表示
-
椎名 健, 松尾 祐希, 西野 創一郎, 行武 栄太郎
2021 年 52 巻 6 号 p.
1273-1278
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
本研究では,同種・異種のアルミニウム合金とツールの回転方向に焦点を当て,摩擦撹拌接合における接合強度の評価と破断メカニズムの解明を行った.その結果,下向き撹拌では撹拌不足により接合強度が低下する.また,接合強度は最軟化部によって決まり,接合強度と破断部の硬さには比例関係があった.
抄録全体を表示
-
安藤 憂利, 西野 創一郎, 富永 亮, 石井 尚憲
2021 年 52 巻 6 号 p.
1279-1284
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/22
ジャーナル
フリー
塑性流動結合における最適な結合条件を探る為, 様々な条件から強度に及ぼす影響について検討を行った. また, 塑性流動結合の結合強度を予測する上で、せん断強度及び充填時の加工硬化が関係していることを見出した.
抄録全体を表示
-
鈴木 崇士, 小山 崇, 山守 一雄, 植松 裕太, 平野 聡伺, 石崎 超矢, 和田 浩太朗
2021 年 52 巻 6 号 p.
1285-1291
発行日: 2021年
公開日: 2021/11/25
ジャーナル
フリー
エンジンオイルの基油低粘度化は省燃費に大きく寄与する.一方,軽質な基油が増加するため蒸発起因のオイル消費増加が懸念されるが,蒸発性指標NOACKでは予測が困難な場合がある.本研究では蒸発速度を示す物性値に着目しボア壁温付近における飽和蒸気圧と蒸発起因のオイル消費の相関が高いことを明らかにした。
抄録全体を表示
-
米谷 直樹, 熊野 賢吾, 島田 敦史, 助川 義寛, 光藤 健太, 保坂 知幸
2021 年 52 巻 6 号 p.
1292-1297
発行日: 2021年
公開日: 2021/11/25
ジャーナル
フリー
次期排気ガス規制対応のエンジン技術の1つに副室ジェット燃焼がある。本論文では、モデルベースの副室設計プロセスとして、CFD解析に基づく副室内の掃気改善、燃焼-熱の連成解析に基づく冷却性能改善を行い、試作したパッシブ型副室の単気筒エンジン試験にてリーン限界および最高図示熱効率の改善を確認した.
抄録全体を表示
-
英 寿, 椎名 亮介, 福田 英, 木村 範孝
2021 年 52 巻 6 号 p.
1298-1303
発行日: 2021年
公開日: 2021/11/25
ジャーナル
フリー
ガソリンエンジンの熱効率の向上のためノッキング抑制技術が求められている.本研究では高負荷領域における筒内燃料直接噴射システムの噴射タイミングがノッキングおよび図示熱効率に与える影響を,関連物理量の要因分析と計測,0次元化学反応計算および1次元熱流体計算を用いてメカニズムを考察した.
抄録全体を表示
-
- 冷却水温度と燃料噴射時期が微粒子排出特性に及ぼす影響 -
橋本 淳, 田上 公俊, 金 尚明, 窪山 達也, 森吉 泰生, 秋濱 一弘
2021 年 52 巻 6 号 p.
1304-1310
発行日: 2021年
公開日: 2021/11/25
ジャーナル
フリー
著者らは既報で,ガソリンサロゲート燃料に適用可能なコンパクトなすす生成モデルを提案した.本研究では,直噴ガソリンエンジンの始動条件において,異なる冷却水温度の実験結果に対してモデル検証を行った.また,下死点近傍で燃料を噴射した場合にすす排出量が増加する傾向に対し,数値解析によって現象評価を試みた.
抄録全体を表示
-
-実車両を想定した状態量に基づく学習-
小川 和樹, 相原 建人
2021 年 52 巻 6 号 p.
1311-1316
発行日: 2021年
公開日: 2021/11/25
ジャーナル
フリー
本研究は機械学習をEV用2段速変速トランスミッションの変速制御に適用することを目的とした.既報ではシミュレーション上で簡易な変速機モデルを開発し,繰り返し学習をすることでシームレス変速の制御ルールを獲得した.本報では実際の車両を想定した状態量に基づいて機械学習を行いシームレスな変速を可能にした.
抄録全体を表示
-
寺村 浩徳, 松田 俊郎, 酒井 佑樹, 中野 克哉
2021 年 52 巻 6 号 p.
1317-1322
発行日: 2021年
公開日: 2021/11/25
ジャーナル
フリー
横浜市内の多数の路線バス運行データを用いて、高出力モーターシステムの性能評価や電費シミュレーションなど、安価なEVバスの性能設計を実現し、さらに2020年度にはEVの性能を確認するための実証実験を完了し、良好な結果が得られた。
抄録全体を表示
-
川口 貴弘, 大山 隆景, 丸田 一郎, 長村 謙介, 片芝 惇平, 足立 修一
2021 年 52 巻 6 号 p.
1323-1328
発行日: 2021年
公開日: 2021/11/25
ジャーナル
フリー
二次電池から得られる充放電可能電力を評価するために実行抵抗という特徴量を定義し,それを電流や電圧のデータから推定する方法を提案する。実行抵抗を計算するのに適したシステム同定モデルの構造について考察する。用いるデータのオフセットに対応し,逐次推定法を適用して実用性を向上する。
抄録全体を表示