日本細菌学雑誌
Online ISSN : 1882-4110
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47 巻, 6 号
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  • 辻 孝雄
    1992 年 47 巻 6 号 p. 729-745
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 中根 明夫
    1992 年 47 巻 6 号 p. 747-757
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 田口 文章, 滝 龍雄, 奥田 舜治, 菊野 理津子
    1992 年 47 巻 6 号 p. 759-765
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus; MRSA)の迅速同定の為,ミュラーヒントン培地を基礎にして改良を加えたMR(SA)2培地を考案した。MRSAはセフチゾキシム等にも耐性を示す多剤耐性菌が優位である為,この培地にはメチシリン(オキサシリン)とセフチゾキシム,マンニット,卵黄,および7.5%のNaClを加えた。コアグラーゼ反応の代わりに卵黄反応を判定し,マンニット分解能も測定しうる。このMR(SA)2培地では培養温度および培養時間によるMRSAの検出頻度や生化学的反応,集落の形成には差が見られず,37C, 24時間から48時間の培養を行った。従来のブドウ球菌用培地との選択性,迅速性の比較では,セフチゾキシム感性のMRSAは培養不能であるが,臨床分離MRSA株の多くはセフチゾキシム耐性であるので,1段階の培養で大部分の多剤耐性MRSAを検出できた。オキサシリンとセフチゾキシムに耐性を示すコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(coagulase negative Staphylococcus; CNS)や,真菌やバシラス属の細菌もMR(SA)2培地上で増殖可能であるが集落の色調等で区別可能であった。
    現在,一般にMRSAを検出するには,ブドウ球菌検出用培地でブドウ球菌を分離培養し,その後さらに薬剤耐性等を調べてMRSAであるか否かを決定している為に最低2日以上を要する。また,MRSA特異的な核酸の検出の為の遺伝子増幅(polymerase chain-reaction; PCR)法やリボタイピング(ribotyping)法などの方法が開発されているが,一般の病院等に普及しているとは言えない。本培地ではMRSAが100%検出できる訳ではなく,さらに改良の余地はあるが,迅速検出用の培地としては有効に使用し得る培地と考えられる。
  • 田口 文章, 滝 龍雄, 奥田 舜治, 青木 正人, 末崎 拓広, 富岡 睦子, 菊野 理津子, 李 幸懋
    1992 年 47 巻 6 号 p. 767-775
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内環境の汚染状況を把握する目的で,患者の寝具を中心にMRSAの分布を定量的に調査した。その結果,次のような成績を得た。
    1. 11病院の使用中の患者用マットレス52枚を調査し,10施設のマットレスの25∼100%から,最高<6×104集落(CFU)/100cm2のMRSAが検出された。
    2. 患者用のシーツとマットレス,および病室,洗濯室,浴室の脱衣室,トイレと汚物室などの床から最高<6×104CFU/100cm2のMRSAとメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)が分離された。
    3. 患者20名の手のひらを検査して7名からMRCNSが,8名からMRSAが検出され,また医療従事者(医師,看護婦を含む)16名の手のひらは6名がMRCNS陽性であったがMRSAは検出されなかった。
    これらの結果は,マットレスや病室の床など院内環境が,MRSAやMRCNSに濃厚に汚染されていること,並びにマットレスなどの洗濯と消毒の必要なことを示唆するものと考えられる。
  • 戸島 由美子, 井口 毅裕, 近藤 誠一, 松下 秀, 工藤 泰雄, 久恒 和仁
    1992 年 47 巻 6 号 p. 777-781
    発行日: 1992/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    The O-specific polysaccharide chain which represents a new type-antigen in lipopolysaccharide (LPS) of Shigella flexneri 88-893 was investigated. The O-polysaccharide chain was found to be composed of repeating units comprising rhamnose, N-acetylglucosamine and glucose (3:1:2). In the passive hemolysis test, group-6 antiserum of S. flexneri exhibited a high hemolytic titer (50% hemolysis titer: 7, 900) against sheep red blood cells (SRBC) sensitized with intact 893 LPS, but virtually no hemolytic activity against SRBC sensitized with alkali-treated 893 LPS. None of the type-specific antisera (I-VI), showed any significant hemolytic titer against SRBC sensitized with either intact or alkali-treated 893 LPS. Thus, 893 LPS contained both the group-6 antigen and a new type-antigen which is distinct from any known type-antigen of S. flexneri.
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