日本細菌学雑誌
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53 巻, 3 号
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  • 河村 好章
    1998 年 53 巻 3 号 p. 493-507
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Streptococcus 属は, 人および動物に様々な疾患を起こさせる菌種を含み臨床細菌学上重要な属であるが, 溶血性および Lancefield により確立された血清学的分類法を重要視する余り詳細な生化学性状データによる分類や遺伝子レベルでの分類の見直しが著しく遅れていた。1980年代後半より, ようやく遺伝子レベルでの分類の再編成が行われ, 新菌種, 新属の提案を含む数多くの分類学的提案がなされ, その分類が整理されつつある。
    本小文では Streptococcus 属の分類の現状について, その分類学的経緯などを織り交ぜながら解説するよう努めた。また我々が取り組んでいる mitis group の菌群の分類学的検討と現在提案している新菌種2菌種について紹介し, 最後に Streptococcus 属菌種の同定キットによる同定の現状と問題点について触れた。
  • 林 潤一郎, 野口 俊英, 吉村 文信
    1998 年 53 巻 3 号 p. 509-518
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 小野 一晃, 山本 勝彦, 丹羽 章
    1998 年 53 巻 3 号 p. 519-529
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    集団食中毒事例7例 (121株), 散発例15例のヒト由来株と鶏肉卸店の鶏肉から分離した46株, 食中毒事例において鶏肉残品から分離した1株, 食鳥処理場において鶏盲腸内容物から分離した70株の鶏由来株および標準株として C. jejuni JCM2013の計254株のC. jejuni をRAPD (randomly amplified polymorphic DNA) 法により分類したところ68種類の型に分類された。血清型では型別不能であった株もRAPD法で分類した。
    またRAPD法による増幅DNAの電気泳動パターンからUPGMA (unweighted average pair group method) により樹形図を作成し, ヒト臨床由来株と鶏由来株の相関関係を調べたところ, 両者のバンドのパターンには違いがあることがわかった。
    以上のことから, RAPD法は簡便で迅速性に優れ, C. jejuni の疫学マーカーとして有効であると思われる。
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