全日本鍼灸学会雑誌
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51 巻 , 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 野口 栄太郎, 今井 賢治, 角谷 英治, 川喜田 健司
    2001 年 51 巻 4 号 p. 466-491
    発行日: 2001/08/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    「内臓痛と消化器疾患や各種消化器症状に対する鍼灸治療」にテーマを絞り、その研究の現状について基礎・臨床の両面から検討を加えた。今回、検討の対象としたものは、NIHの会議でも検討された関係分野の欧文文献と、データベースや手作業によって網羅的に集められた和文文献、および一部の中文文献である。これまでの研究の歴史と研究の現状を簡潔に各テーマごとに網羅的にまとめた。「内臓痛に対する鍼灸刺激の効果について」は、内臓痛に関する鍼灸の効果について、基礎医学的研究と臨床研究が紹介され、さらに、直腸伸展刺激を用いた内臓痛モデル動物における鍼の効果と視床内側下核との関連についての実験成績を総説した。「消化機能に対する鍼灸刺激の効果」については、唾液分泌、胃運動、胃酸分泌、小腸運動に対する、鍼灸刺激の作用機序に関する研究について総説した。「消化器症状に対する鍼灸治療の効果」については、消化器疾患および消化器愁訴に対する鍼灸治療の研究の歴史と現状を網羅し、臨床研究における胃電図の有用性についても併せて総説した。
  • 沢崎 健太, 木下 藤寿, 平野 修, 末藤 俊寿, 本田 達朗, 茂原 治, 向野 義人
    2001 年 51 巻 4 号 p. 492-499
    発行日: 2001/08/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    企業内労働者における運動器症状への経絡テストを用いた鍼治療の効果と医療費との関連性があるかを鉄材の移動、組立、溶接作業などの動作を繰り返し行う肉体労働職を主体とした有痛者117名を対象として検討した。8週間の治療で痛みが半減した者は頚肩部痛で83%、腰痛で77%、膝痛で88%に達した。心理検査 (POMS) では緊張、抑鬱、怒り、疲労、情緒混乱のスコアが有意に減少した。鍼治療期には運動器疾患の受診は半減し、その健康保険医療費は約1/3となった。終了後も医療費減少は持続し、経絡テストを用いた鍼治療は健康づくりならびに医療費削減に有用と考えられた。
  • 河井 正隆
    2001 年 51 巻 4 号 p. 500-506
    発行日: 2001/08/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鍼灸臨床教育における評価法の一つに、丹澤らの組織的な取り組みで行われたOSCE (Objective Structured Clinical Examination) 研究がある。この研究を発端に、近年、鍼灸教育の場でOSCEの導入が注目されはじめている。
    本稿では鍼灸臨床教育における教育方法について検討を行った。そのための、一つの試みとして、本校で平成5年から取り組んでいる実技科目「シミュレーション実習」を取り上げ、カリキュラム開発における教授・学習課程と評価における方法論の一つ「羅生門的モデル」を援用し論及した。併せて学生授業評価から、本授業の有用性の検討を行った。
    対象とした「シミュレーション実習」の概要は次の通りである。一般目標には「鍼灸臨床に必要な臨床技能を修得し、鍼灸師としての態度と問題解決能力を養う」をかかげており、教授方略としてロール・プレイングや学生と教員、学生同士の検討会などを導入している。授業では、学生との相互作用のなか、教員の即興的で創造的な教授活動が求められることになる。そこでは予定外の授業展開があり、羅生門的モデルの特徴の一つである「専門家としての教師の力量」が重視される。また、本授業の教員による学生評価は、授業への関わりの度合い (貢献度) や討論会の場面での積極性などの観察・記録と、授業課題に対する小レポートを用いて、一般目標に照らし合わせて総合的に行われている。
    学生の授業評価では、授業に「興味がもてた」、授業方法について「有益である」などの肯定的意見が7割以上を占め、羅生門的モデルによる「シミュレーション実習」の有用性が示された。今後、学生の内的変化を加味しながら、さらなる検討を行いたい。
  • 大八木 敏弘, 堀内 久子, 藤本 蓮風
    2001 年 51 巻 4 号 p. 507-512
    発行日: 2001/08/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鍼灸治療における清熱解毒の鍼法は、一般的には曲池、委中、大椎、合谷、内庭、手足の井穴などの刺鍼又は刺絡などで対応する。北辰会の清熱解毒に対する刺鍼法は、藤本北辰会代表が『外台秘要方』の黄連解毒湯、『素問』刺熱篇などからヒントを得て考案したものである。その配穴は、霊台、両督兪と脊中、両脾兪に横刺をする。この組み合わせ配穴は、気分の種々の熱性疾患に対して清熱解毒作用が顕著に得られる。このことを11症例から検証し、これらの異病同治の症例から清熱解毒刺鍼法の治効範囲を確認した。
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