鍼灸師の臨床的立場から坐骨神経痛105例に現れる問診系所見 (年齢, 疼痛部位, 腰椎の運動痛等), 視診系所見 (腰椎の形態異常), 触診系所見 (圧痛, 触覚障害等), 特殊検査系所見 (SLR, ボンネット・テスト, ATR, PTR等) の出現頻度を分析して原疾患を推定した。
変形性脊椎症は中年以上, 起床時の疼痛などを, 腰椎々間板ヘルニアは若年, SLRなど, 脊椎すべり症は腰椎階段変形, ATR障害など, 脊柱管狭窄症では間歇性跛行, 下肢の感覚異常など, 梨状筋症候群ではボンネット・テスト陽性, SLR軽度などを指標にすると, 105例中71例 (68%) におよぶ高率な原疾患が推定された。
抄録全体を表示