光質が植物の生育に及ぼす影響を検討するために, レタスとホウレンソウを人工環境下で15日間水耕した。光強度は光合成有効放射で250μmol・m
-2・s
-1 (強光), 125μmol・m
-2・s
-1 (弱光) の2段階に設定し, 白, 赤, 黄, 緑, 青の5種類のランプを光源として使用した。
レタスでは強光条件下の緑色光区で, 処理開始3~4日後に葉焼け様症状が発生した。また, レタス, ホウレンソウとも, 赤および黄色光区で処理開始5~6日後までに本葉が下向きに巻込むようになった。地上部乾物重は, レタスでは強光および弱光下で, 黄, 緑, 青色光区が白色光区より20~30%低下した。ホウレンソウは強光下で白および赤色光区の生育が優れ, 緑色光区は劣った。また, 弱光下では黄, 緑, 青色光区の生育が著しく不良で, 白色光区の30~50%の地上部乾物重しかなかった。
光質は葉面積, 蒸散, 相対成長率, 純同化率および比葉面積に対しても影響したが, その影響は光強度や作物によって異なった。光質が作物生育に及ぼす影響について種々の観点から論じた。
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