本研究は, 佐賀県産イチゴ“とよのか”を供試材料として, その輸送および貯蔵条件 (温度, 湿度および振動) がイチゴの呼吸速度, 力学的性質, 糖度, およびアスコルビン酸含量などにどのように影響するかを調査した。
設定温度に品温が一定し, イチゴの呼吸速度が安定した後に, 振動を加え, その後3日間貯蔵した。
振動貯蔵区, 無振動貯蔵区のイチゴ果実には, 3日間の貯蔵で外観および内部品質において大きな差異が現れた。
呼吸速度は貯蔵温度が高くなるほど大きくなるが, 振動が加わるとさらに大きくなった。
アスコルビン酸含量, 糖度および果実硬度は貯蔵温度が高いほど早く低下し, 振動によりさらに加速された。
貯蔵温度をより低温にすることで, これらの影響を小さく抑制することができた。
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