生産現場には様々な構造のパイプハウスが存在しており,積雪に対する強度について不明な点が多い。このことから,これらパイプハウスに用いられているアーチパイプの形状を調査するとともに,積雪荷重の対策の1つであるタイバーの適正な設置位置について応力解析を行った。各アーチパイプの形状での最大応力が発生した部位は,軒高1.2 m で接地部であり,
1.5 m および1.8 m で軒部であった。屋根部よりも軒部にタイバーを設置することで最大応力は小さくなった。倒壊荷重は非設置の約2.3倍,屋根部の約1.6倍となり,設置位置はアーチパイプの強度に大きく影響することが分かった。また,アーチパイプに掛かる荷重および部材強度を調査したところ,最大引抜荷重が十分に大きいネジタイプ留め具が有望であった。