製氷システムは, 主として, 水排出システム, 外気導入システム, 製氷槽の3つから成り立っている。
水排出システムの一つである水排出装置は, ファウンテン・ユニットと呼ばれる。このファウンテン・ユニットは, 非常に簡単な時間-温度積算機として使われ, 周囲温度に応じて水排出量を調節する。
寒冷外気は, ファンとダクトを通して氷表面に吹付けられる。
製氷槽は, ファウンテン・ユニットとスプレーノズルの下に位置し, 布幕製であり, 足場から吊るしてある。この布幕製氷槽は, 排出された水に濡れて凍れば, 固い製氷槽になり, 氷表面の薄い水の層を保持できる。
透明な氷を作るためには, 水の1回あたりの排出量を, 数ミリ厚さの氷ができるように制御すべきである。実用上は, ファウンテンユニットの設定温度は2℃にすればよい。凍結指数が150℃・min・mm
-1になるよう調節する。寒冷外気を利用した, この製氷システムによって寒冷外気を利用して3m以上の厚さの氷を作ることができる。
大きな氷塊は, 低温と高湿度を同時に提供できるため, 農産物を貯蔵するには非常に適している。この実験で製造した氷塊110m
3を利用して, ナガイモ, ジャガイモを2ヶ月半大きな損傷もなく貯蔵できた。
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