農業施設
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32 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • ハスブラ ロハニ, 川崎 聖司, 小島 孝之, 秋永 孝義
    2001 年32 巻2 号 p. 59-67
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    ‘アーウィン’マンゴーの品質と呼吸活性に与える熱の影響を知るために温水処理と蒸熱処理を行った。沖縄産の‘アーウィン’マンゴー (平均質量412.3±39.0g) を47.2℃の温湯中へ60, 90と120分間浸けた (温湯処理), また中心部温度46.5℃に10, 20と30分暴露した (蒸熱処理)。果実温度が46.5℃に達するまでに温湯処理では90分, 蒸熱処理では150分を要した。温湯処理の加熱速度は蒸熱処理の加熱速度より速かった。熱処理により呼吸速度が増加したが, 暴露時間が長くなると呼吸速度は減少する傾向にあった。クライマクテリック呼吸のピークは蒸熱処理では3日後に, 温湯処理では4日後に現れた。14日間の貯蔵中のマンゴーの呼吸商は0.92から1.05の間にあり, 熱処理の影響は認められなかった。‘アーウィン’マンゴーは温湯処理で90分すなわち中心部温度が46.5℃に達するまで加熱すること, 蒸熱処理では中心部温度を46.5℃に30分保持することで, 外観上の熱傷害や果実の商品性を損なうことなく処理が可能であった。熱処理は日本, 合衆国やその他の国へ輸出するために植物防疫上から必要とされている。
  • 小林 敏道, 千葉 隆弘, 苫米 地司, 干場 信司
    2001 年32 巻2 号 p. 69-77
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    畜舎設計規準では, 滑雪現象の発生に関わるいくつかの条件を前提に年最大7日増分積雪深から設計用積雪荷重を算出することができるようになった。しかし, 現状では, この条件を満たすための屋根葺材, 屋根勾配等の具体的な提示が不十分な状況である。本研究は, 畜舎施設に用いられる屋根葺材の多様化を考慮して, 種々の屋根葺材を対象とした滑雪実験を実施し, その結果を基に畜舎施設における滑雪特性と設計用積雪荷重との関係を検討した。本実験結果から, 屋根葺材の撥水性を示す接触角を指標とした滑雪現象の発生条件を得ることができた。内部暖房を行わない状況での屋根勾配と滑雪との関係は, 接触角が65°前後の丸波塗装鋼板およびFRPを屋根葺材に用いる場合は, 勾配3/10以上を確保することが必要で, 接触角80°前後で撥水性の高いフッ素フィルムやC種膜材等を屋根葺材に用いる場合は, 勾配2/10まで低減が可能となる。家畜の飼育密度が十分にある畜舎施設では屋根葺材裏面温度が高くなるため, 前述の屋根勾配よりも低い勾配で滑雪現象が発生すると考えられる。このことから, 畜舎施設における設計用積雪荷重は屋根葺材の撥水特性に加えて家畜の飼育密度などの営農形態を考慮した評価も必要となる。
  • 劉 蛟艶, 田中 宗浩, 稲葉 繁樹, 小島 孝之
    2001 年32 巻2 号 p. 79-84
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    13段に積載したイチゴの輸送振動模擬実験を実験室内で行い, 振動台及び各積載段位のイチゴの振動を測定解析し, 振動の伝達特性を求めた。最下段では31~43Hzの周波数範囲内で大きな振動ピークが現れ, 最も高いピークが35.5Hzで出現した。振動ピークの周波数は積載段位が高くなるにつれて低くなり, 中央段及び最上段においては12.5Hzの周波数で最も高い振動ピークが現れた。振動台に対する振動伝達比は34Hzの振動周波数で最下段が最も大きくなり, 上段になるに従い, この周波数域での伝達比は小さくなり, ほとんど0となった。中央段から最上段に至る上段位への振動伝達比は12Hz付近の振動周波数で大きくなることがわかった。
  • 蒋 偉忠, 北村 豊, 石束 宣明, リャン トン
    2001 年32 巻2 号 p. 85-92
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    本研究では, 無希釈あるいはわずかに希釈した有機廃棄物のドライメタン発酵技術を確立するため, 回転ドラム発酵システム (RDFS) を開発し, その特性を明らかにした。RDFSの基質としてわずかに希釈した牛糞を用い, RDFSによりリアクタ内容物の混合状態が改善されるようにした。ドライメタン発酵システムの評価は有機酸とメタンの生成状況によって行い, pHやVA, メタン含有量等のパラメータを検討した。さらに, 汚泥-牛糞比(1:1, 1:2, 1:3, 1:5) や攪拌時間 (30, 60, 120, 240分/日) 等の影響を明らかにすることによってRDFS運転条件を決定した。
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