白ネギ調製選別施設を稼働していく上で年間にかかる費用, すなわち, 人件費, 償却費, 消耗品費, 光熱費, 税金等についての調査を行い, 物流ABCの手法を用い, 無駄な経費や不必要な経費を洗い出し, 運営コスト削減への対策を検討した。得られた結果は次の通りである。
1. 白ネギ調製選別施設の年間コストに占める比率が最も大きかった費用は設備機器の償却費で大体45%前後であった。また, 作業別では荷受け作業と箱詰め作業が年間コストの44~60%を占め, その主たる経費は荷受け作業では人件費と設備機器の償却費, 箱詰め作業では人件費と資材・消耗品費であった。
2. 機械による処理が適正に行われれば発生しない皮むき補正, 乗り移り補正, 根切り補正などのアクティビティに年間3,128千円~7,267千円を使用している。補正の作業がなくなれば有効なコスト削減になると判断される。
3. 選別処理単価は617~1,206円/箱であったのに対し, 農協の施設利用農家への負担金は155~273円/箱であった。
4. 3農協とも処理量が減少する月は1箱あたりにかかる人件費は高くなる。処理量の安定化と処理量が少ない月に対する作業者の人数, 配置等を再検討しておくべきと考えられた。
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