農業施設
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29 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 乳牛糞尿を対象とする発酵特性
    木村 義彰, 梅津 一孝, 高畑 英彦
    1998 年29 巻3 号 p. 101-108
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    ベンチサイズの実験用貯留式嫌気発酵槽を用い, 15, 20, 35, 42.5℃の発酵温度条件で乳牛糞尿を用いた貯留式嫌気発酵試験を行い, 温度依存性及び貯留中の性状変化を検討した。その結果, 中温域 (20から42.5℃) のメタン濃度には有意な差がないことが明らかとなった。また, メタンガス生成量は15, 20及び42.5℃に比べ35℃が最も高かった。
  • メタン発酵脱離液を対象とする発酵特性の比較
    木村 義彰, 梅津 一孝, 高畑 英彦
    1998 年29 巻3 号 p. 109-116
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    乳牛糞尿を原料とした連続式嫌気発酵槽より排出された消化脱離液の貯留式嫌気発酵試験を行い, その温度依存性を明らかにするとともに, 貯留式嫌気発酵単独システムと連続式嫌気発酵槽及び貯留式嫌気発酵槽の複合システムについて比較を行った。その結果, 貯留式嫌気発酵からの生成ガス中のメタン濃度は, 消化脱離液, 乳牛生糞尿の投入原料の違いによる差はないことが明らかとなった。また, 複合システムは単独システムに比べ効率的にメタンガスが回収できることが明らかとなった。
  • 画像処理による血卵の検出
    中野 和弘, 水谷 純, 大塚 雍雄
    1998 年29 巻3 号 p. 117-123
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    現在集卵場において人間の目で行われている透過光による血卵判別に替わって, 画像処理法により判別する方法を検討した。画像処理の手順として, 卵殻画像の背景色からの輪郭抽出, 血卵画素の検出, ノイズ画像の除去を行った。その結果, 本研究で開発したシステムでは, 血卵の判別率は96%, 正常卵の判別率は94%となった。また, 本システムの有効性を周年にわたって検討した結果, その血卵判別能力に再現性のあることが認められた。
  • 羽賀 清典, 長田 隆, 原田 靖生, 伊澤 敏彦, 西村 洋
    1998 年29 巻3 号 p. 125-130
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    牛ふん堆肥化における堆積物中に現れた嫌気性部分の成分的特性を研究した。牛ふんを混合比4:1の割合でオガクズと混合して水分を約75%に調整し, 円錐状に床に堆積し, 1週間に1回切返しながら堆肥化した。1週間目の切返し時に, 堆積堆肥断面の底部に嫌気性部分が見いだされた。嫌気性部分は, 酸素供給が不十分なために、揮発性脂肪酸とフェノール性酸が初発原料の約6倍量蓄積しており, 好気性部分に比較して腐熟の進行が遅延していた。悪臭を防ぎ, 良品質の堆肥を生産するためには, 堆積堆肥を好気性条件に維持し, 嫌気性部分の形成を回避することが重要である。
  • オゾンおよび紫外線の処理効果に及ぼすミキサーおよび超音波の影響
    前川 孝昭, 院多本 華夫, 藤田 和男
    1998 年29 巻3 号 p. 131-136_1
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    アオコの含水に数種の凝集剤を添加し, 数種の加圧浮上装置によるアオコ生物の除去効果を確かめ, さらにオゾンおよび紫外線処理によるアオコ生物の完全除去の可能性について検討した。ポリ塩化アルミニウムや塩化第二鉄を添加した場合, 一般の加圧浮上による除去率については浮遊物質 (SS) では99.75%、クロロフィルaでは96.70%であり, 非常に高水準であった。一方, オゾンと比べて紫外線による処理効果が高かった。また, 原水にミキサー処理を施し, アオコのフロックを破壊することによって紫外線の処理効果がさらに高められた。このことから加圧浮上で処理された水に紫外線処理を施すことによって水相からアオコ生物を完全に除去することが可能であると推測された。
  • 矩形面に対する65kg豚の形態係数および27kg豚形態係数との比較
    蓑輪 雅好
    1998 年29 巻3 号 p. 137-149
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    周囲物体に対する豚体の形態係数を豚体形状に基づいて解明するために, 肥育中期に相当する体重が65kgである豚の立位におけるサーフィスモデル (8838個の三角形パッチで構成した3次元多面体グラフィックスモデル) を用い, 矩形面に対する65kg豚の形態係数を数値計算で求めた。
    形態係数計算値の百分率誤差は約1%以下であることが, 形態係数総和則と誤差伝播法則から推定できた。豚体の側面, 正面, 背面および天井面に位置する矩形面 (側面壁, 正面壁, 背面壁, 天井面) に対する65kg豚の形態係数算定図を, 豚体中心 (豚体の全長, 最大幅, 最大高さそれぞれの中点) から矩形面までの距離と矩形面の大きさをパラメータとして提示した。同様に, 豚の蹄部底面が接触している矩形面 (床面) と蹄部底面よりも下方に位置する矩形面 (ケージ式豚舎における豚舎床面) に対する形態係数算定図を提示した。
    同一場所に位置する同一大の矩形面に対する27kg豚の形態係数と65kg豚の形態係数との大小関係および差異の大きさは, 矩形面が位置する壁面, 天井面, 床面の種類や豚体中心から矩形面までの距離で異なった。また, 両者の差異は最大で約10%であった。
  • 小綿 寿志, 佐藤 義和, 深山 一弥
    1998 年29 巻3 号 p. 151-158
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    冬季に製氷池で人為的に大量の自然氷を製造し, 暖侯季にその氷の融解潜熱で生じる冷水を利用して貯蔵庫の冷房を行うアイスポンドシステムについて, 実規模施設の基礎諸元を決定するための基本設計手法を示した。北海道の十勝において180tのバレイショを収穫翌年の7月まで貯蔵することを条件に, まず冷房熱負荷を求め, 次に既報の推定式を用いて製造可能な氷の厚さとその熱的品質, 水-空気熱交換に使用するファンコイルユニットの冷房能力等を計算し, ファンコイルユニットの台数およびアイスポンドの容量と寸法を決定した。その結果, 4~7月の総冷房熱負荷約75GJに対し, 必要最大冷房能力は13kW, 必要氷量は約1200m3となり, アイスポンドの大きさは26m×18m, 深さ3.5mと設計された。
  • 奥島 里美, 佐瀬 勘紀, 前川 孝昭, 池口 厚男
    1998 年29 巻3 号 p. 159-167
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    2連棟フェンロ型温室における風力換気時の気流性状を風洞模型実験により調べた。軒高および4列の天窓の開閉条件を変化させて, 気流の可視化を行った。
    その結果, 通常の軒高温室では流入気流の水平成分が鉛直成分に比べて大きく, 逆に, 高軒高温室では鉛直成分の方が大きかった。また, 天窓の開閉条件を変化させた実験から, 温室内部の気流分布に一番大きな影響を与えるのは最も風上側の天窓であり, その次は最も風下側の天窓であることが示された。さらに, 天窓での流入出気流速の測定結果から, 最も風上側の天窓以外では天窓の開口部正面と側面で流入出方向が異なる, 複雑な状態が明らかになった。
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