農業施設
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19 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 物質伝達率に及ぼす被毛の影響
    川西 啓文, 長島 守正, 松尾 英明, 宮野 則彦
    1988 年19 巻2 号 p. 67-74
    発行日: 1988/11/15
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    牛および豚の皮膚表面の物質伝達率に及ぼす被毛の影響を検討するため, 牛と豚の体の各部における被毛の特性 (長さ, 直径, 密度) を調べた。その結果, 豚の場合, 被毛は皮膚表面の物質伝達率に影響を及ぼさないと判断した。また, 牛の場合, 各々の特性ごとに, 最も平均的なものと極端に異なるものを選択し, それらについて, 畜体表面の物質伝達率に及ぼす影響を検討した。
    牛の被毛は, 牛体表面の物質伝達率に影響を及ぼすが, その結果において, 気流に対する被毛の方向や特性の違いによる差はないことがわかった。また, 牛の被毛の牛体表面の物質伝達率に及ぼす影響率は, Re<5000では1以上であるが, Re>5000から1以下になり, Re≧30000で, 0.6程度に落ち着く。
  • 異なる床条件における乳用牛の歩行
    佐藤 義和, 筒井 義冨, 山岸 規昭, 古川 良平
    1988 年19 巻2 号 p. 75-79
    発行日: 1988/11/15
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    床条件が牛の歩行動作にどのような影響をおよぼすかを知るために, コンクリート床と, その上にモミガラを7~9cm敷いた床との2つの異なる条件において歩様・歩行荷重を観察・測定した。各肢の着地・遊脚相の相対的な時間のずれには両条件間に顕著な差異は認められなかった。歩行荷重に関しても, 鉛直・前後・左右の3分力全てについて基本的な波形は両条件においてほぼ同一であった。しかし, モミガラを敷くことによって, コンクリート床の際に発生する蹄接地時の衝撃が消失すること, 左右分力がコンクリート床に比べ小さくなること, の2点において変化が認められた。鉛直・左右の2方向について重心の変位を推定したところ, 鉛直方向については床条件間に差異はなく1~3cmであり, 左右方向に関しては, コンクリート床で11~14cmであるのに対し, モミガラを敷いた場合には6~10cmに減少し, モミガラを敷いた床条件での方が左右への偏心の少ない歩き方をしていることが明かとなった。
  • 奈良 誠, 盛永 光義, 阿部 和彦, 押方 利郎, 樫村 俊正
    1988 年19 巻2 号 p. 81-97
    発行日: 1988/11/15
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    北海道・上川郡・東川町農協に, ソーラ・グリーンハウス実験棟 (200m2) が, 60年5月に建設された。壁体は, 寒期の集熱, 断熱・保温に優れ, 暖期の遮熱にも優れた新壁体 (透明断熱壁体) を採用した。この壁体を, パイプハウス類似の骨組に取付けて全体を組立てた。
    ソーラ・システムは集熱器, 地中熱交換パイプおよび床暖・冷パネルで構成した。集熱器と床暖・冷パネルは, 現場施工が容易な合成ゴム製のものであり, また地中熱交換パイプは, 温水パイプを温室床下地中に平行に埋設したものである。栽培は, 無機質繊維製のベッドに点滴給液を組合せる方法とした。
    このソーラ・グリーンハウスは, 省エネルギーはもちろんのこと, 通年稼動, 省力, 清潔保持が容易などの特徴を有する。2年余にわたる実用化研究により, ソーラ・グリーンハウスの省エネルギー特性を確認し, 一方, メロン等, 果菜類の年3作以上の可能性を実証した。
  • 青木 明善, 瀧川 具弘, 吉崎 繁
    1988 年19 巻2 号 p. 99-106
    発行日: 1988/11/15
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    搗精工程で発生する米糠粉じんの爆発危険性を評価するために, ハルトマン装置を用いて, 最大爆発圧力・最大圧力上昇速度と米糠の濃度, 含水率, 粒径との関係を調べた。その結果, 爆発最適濃度は500g/m3程度であった。含水率が減少すると最大爆発圧力と最大圧力上昇速度はともに減小した。粒径の変化に対してはピーク値が存在した。また, 粒径が増大し, 含水率が増加すると火炎伝播時間は増加した。他の粉じんとの比較実験を行い, 爆発激度に関して比較検討を行った結果, 米糠の絶対爆発激度は最も小さかった。さらに, Kst値によって粉じんの爆発性を評価するために理論的な考察を試みた結果, 円筒状の小さい容器から得られた実験データを基にして1m3規模での爆発を評価できるようになった。
  • 糞尿溝構造と乳房の汚れ・乳房清拭作業との関係
    佐原 傳三, 相原 良安, 市川 忠雄, 川西 啓文, 長島 守正
    1988 年19 巻2 号 p. 107-112
    発行日: 1988/11/15
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    乳牛舎における糞尿溝の構造が乳房清拭作業に及ぼす影響を明らかにするために, 広く普及している3種類の糞尿溝を作製して, 3頭の乳牛を繋留し, 乳牛の乳房の汚れと作業者の乳房清拭作業時間を測定・分析した。その結果, ロストル式糞尿混合型は開放式糞尿混合型及び閉鎖式糞尿分離型に較べて, 乳房から洗い落とされた糞量が少なく, 乳房に付着していた糞の乾物割合も高く, 乳房清拭作業時間は短かいことが明らかであった。また, 同時に測定したボロ出し作業時間も考慮に入れると, ロストル式糞尿混合型が3種の糞尿溝の中では最もすぐれていると結論づけることができた。
  • 共乾施設の環境特性
    瀬能 誠之
    1988 年19 巻2 号 p. 113-116
    発行日: 1988/11/15
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    前報に続いて, 共乾施設を対象として, 施設内空気環境レベルの把握と環境改善のための基礎資料を供することを目的に浮遊粉塵濃度と浮遊微生物濃度を測定した。測定結果から, 浮遊一般細菌濃度と浮遊粉塵濃度の関係は指数関数によって表すことができた。また, この関係を単純なモデルを設定することによって, 実験的に得られた値と近い値を導くことができた。さらに, 共乾施設における浮遊粉塵単位量に付着する微生物の数 (質量付着密度) は4.5×104~4.5×106CFP/mgなる値が得られ, 牛舎における値より低いものであることが明らかとなり, この値を用いて浮遊粉塵濃度と浮遊微生物濃度の関係を表示することが可能であることを示した。
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